「登記識別情報」の「有効性証明請求」をしてきました【その2】リアル体験記 | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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今回の話のベースとなる
「登記識別情報」と「有効性証明請求」を
前回の記事で説明しました。

そんな訳で、今回は早速本題に入りたいと思います。

さて、「登記識別情報」の「有効性証明請求」とは
簡単に言うとその「登記識別情報」が有効であることを
登記所に証明してもらう手続です。


普通、その「登記識別情報」が有効でない可能性は
4パターンくらい考えられます。

1.そもそも「登記識別情報」が通知されていない
2.「登記識別情報」の失効申請により失効している
3.既に他者への所有権移転登記が完了し、無効になっている
4.そもそもウソの「登記識別情報」だった

普通、これらの事が「登記識別情報」の正当な所有権者が
知らないうちになされている可能性は極めて低い。
#ただし、可能性はゼロではありません

なので、「有効性証明請求」を正当な所有権者が
実施することは極めてまれだと思って下さい。
司法書士以外が実施するのは
1%以下なんじゃないでしょうか?
いや、もっと少ないかも。

そうするとですね・・・

僕が「有効性証明請求」をドキドキしながら
実施した意味が分かると思います。


ええ、明らかに不審者です!


まあ、学問の追及する身としては、
羞恥心なんぞにかまっちゃいられません。
理論と実践の整合性をつかみ取るべく、
僕は手続きに向かいました。



■申請に必要なモノ
司法書士が申請する場合と、
登記識別情報の所有権者本人が申請する場合は
必要なものが違います。

今回は、僕が登記識別情報の所有権者なので、
登記識別情報の所有権者本人が
申請する場合について書きます。

あと、オンライン申請と書面申請がありますが、
今回は書面での申請となります。

▼必要なモノ
1.「登記識別情報」
2.「印鑑証明」
3.「実印」

「登記識別情報」は所有権者本人であることの
証明その1と考えて下さい。
「印鑑証明」と「実印」は所有権者本人であること
証明その2ですね。

従って、「印鑑証明」に記載されている住所が
登記情報の所有権者の住所と一致していないと
これだけでは足りなくなります。
詳細は今回省略。

さて、これだけ持って、登記所に向かいました。



■窓口はどこだ?
さて、登記所に着いてまず端末を操作してみました。
不動産の登記情報を申請する場合など、
この端末を使えば簡単に申請出来るのです。

が・・・やっぱりメニューに出て来ない。

で、証明書などの申請窓口に直接行って
申請用紙をお願いしました。


僕「有効性証明請求の申請用紙ってありますか?」
担当者「ゆうこうせい・・・なんですか?」


そう。
窓口の人が知らないのだ。


僕「いや、ですから・・・(色々説明)」
担当者「もしかして登記申請の窓口で訊いた方が良いかも」


そうです。
登記所って言うのは、
普通は証明書などを請求する窓口と
登記申請自体をお願いする窓口に分かれているのですが、
「有効性証明請求」と言うのは、
どうやら登記申請用の窓口に申請するもののようでした。

スマートに目立たなく行こうとしたのに
ちょっと赤面です(笑

そんな訳で、登記申請用の窓口へ
窓口で「有効性証明請求」の申請書を求めると
すんなり一枚紙が出てきました。

「ありがとうございます!」

お礼を言って事務用のテーブルで
おもむろに申請書を記入し始めました。



■知らなかったぞ! 「登記識別情報」の提供方法
まずは請求人の住所氏名。
自分の住所と氏名だから余裕です。
氏名を書いた後に実印を押します。

次に「登記識別番号」が付与された
不動産の記述。
住所とは微妙に違う地番と家屋番号。
今回の種別は家屋。

そして、「登記識別情報」が払い出された
登記の目的、受付年月日、受付番号。

僕の場合は、相続による所有権移転登記をした際に
「登記識別情報」が払い出されたので、
登記の目的は「所有権移転」になります。
受付年月日と受付番号はその時のもの。
登記情報を見れば全て分かります。

で、ここまでスラスラ書いたのですが、
「登記識別情報」を記入する欄が無い事に気づきました。

「あれ? どこに書くのだろう?」

するとこんな記述を発見。


登記識別情報を記載した書類を封筒に入れ封をし・・・


なんと!
申請書に記入するんじゃないのか。
確かに、申請書に直接書いたらかなり危険だ。
近くの人に見られてしまうかもしれない。

で、実務上は「
登記識別情報を記載した書類」って言われたら
普通は登記識別情報通知書のコピーを持ってきます。

ですが、
登記識別情報通知書なんて
不用意に持ち歩いたら危険だから
原本もコピーも持ってきていませんでした。

ピンチです・・・



■「登記識別情報」の提供方法のバリエーション
ですが、
登記識別情報を記載した書類
=登記識別情報通知書のコピーなんて規定は
どこにも存在しません。
飽くまでも、その方が便利だし分かりやすいから
実務的な慣例になっているだけです。
登記官からすれば、番号さえ正確に分かれば良いわけです。

そこでスーパーにダッシュ。
こんなものを買ってきました。



封筒とメモ帳です。
メモ帳に「登記識別情報」を書き込んで
見えないように二つ折りにして封筒に入れました。

登記識別情報を入れた封筒に何かを書けとは
書いてありませんでしたが、一応登記申請する時と
同じことを書いておきました。
要は目的(有効性証明請求)と
登記識別情報を提供した人の名前(僕の名前)と
登記識別情報在中と言う文言です。

これらの資料に印鑑証明をつけて申請完了。
あと、料金は300円です。
登記印紙で支払います。

そんなこんなで、10分ほどの待ち時間になりました。



■還付請求が必要だったのか・・・
番号を呼ばれ窓口に行ったら、
結果がとうとう取得できましたよ。

「登記識別情報に関する証明」

ですが、印鑑証明をなぜか返してもらえない。
不動産登記規則上、印鑑証明の還付は
してもらえるはずなのですが・・・

すかさず質問したところ

「コピーとかがあれば・・・」との回答

その時、気づきました。
通常の登記申請であれば、
原本還付の際は、コピーを添付して原本還付請求を
する必要があります。

「ああ、普通の登記と同じように
考えれば良かったんだ・・・」

勉強になりました。
その登記官は必要ならなんとかしようと
してくれましたが、もともと多少古い
印鑑証明だったのでそれは還付しなくても
良いことにしました。



以上が、有効性証明請求手続きの顛末でした。
何かの役に立ちましたでしょうか?



学びの冒険者 原口直敏