こんばんは。
今日は、とても心に響いた本のご紹介です。
「いろんな人がいる」が当たり前の教室に
原田真知子さん著 ー高文研ー
こどもたちはいつも
柔軟で、伸びやかで、まっすぐで。
なのに、いつからだろう?
型にハマることを求められ、
「多様化」「多様性」「個性を大切に」
の言葉だけが独り歩きし、どんどんと
息苦しい社会を強要している。
それは大人の責任だ。
しかし大人もまた、それを強いられ生きてきた。
クラス担任の先生により、
こどもは生かされもし、殺されもする。
この本には、そのことが淡々と綴られている。
大人ひとりの影響が、こどもの未来を左右する。
道しるべの大切さを思い知らされる。
子育てをする親もまた、
こどもへの影響はもちろん多大なのだが、
親も親で、もがきつづけて孤独に陥っている
ことも少なくない。
「みんなでがんばっていこう」
著者の先生は、親を巻き込み
こどもを巻き込み、
「みんなで」クラスをよくしていこうと
力を合わせる。
学級崩壊の状態で、
先生も学校も信用しないこどもたちが、
数ヶ月でどんどんと変わっていく。
こどもたちは「話を聞いてくれる先生」
「自分のことをわかってくれる先生」が
大好きになる。
そして学校が好きになる。
それぞれが成長していく。
どうやったらそんな「良い先生」に
なれるのかな?と私は思う。
きっと、そこに答えはないのだろう。
「思い」がすべてだと感じた。
こどもたちのことを知りたい。
もっともっと知りたい。
こどもたちが生きやすくなってほしい。
本来のイキイキした姿を取り戻してほしい。
確固たる思いが、密かな熱意が、そこにある。
ひとりよがりではなく、
こどもの声をしっかり聞いて、
いつも諦めず、しぶとく前を向いていく。
きっと、本文には綴られていない、
血の滲むような苦労もあったことだろう。
だけど、こどもたちが良い方へと変わる
喜びや充実感が勝るのだろう。
私は、この本を読みながら、
次女の中学の先生方を思い出していました。
一方的に正論をぶつけられ、
次女が心を閉ざした先生もいたけれど、
2、3年の担任の先生は、
次女を丸ごと受け入れてくれて
親の私にも真摯に向き合ってくれる、
とても素晴らしい先生でした。
中学不登校生活の日々。
改めて、先生方のありがたい支援を思い出し、
涙が止まりませんでした。
私の孤独感も払拭され、
どれだけ救われていたか。
また次女も、今でも会いたいと思う
先生として記憶に鮮明だ。
次女のことを丸ごと包み込んでくれた
大好きな先生。
次女の中で、「良い先生もいる」と、
中学の思い出が良いものとして記憶されている。
何よりありがたいこと。
規則を破ると批判され、排除される社会に、
大人たちに、
どんどん心を閉ざしそうだったから。
中学を卒業し、どこにも所属していない今、
私も「心の拠り所」がなくなり、
余計に中学の先生方を懐かしく思い出します。
不登校の子や、
学校に行っても学校で問題となる子や、、、
教育現場は今、おそらくカオスな現場も
少なくないだろう。
親が、先生方が、いがみあうのではなく、
「こどもにとって何がいちばん良いか」
同じ方向を向いて力を合わせられたら、
きっと誰もが幸せな方へ行けるはず。
こどもの未来をより良いものへと導けたら、
大人の私たちもどれだけ救われるだろう。