chapter1:イーグルF22
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自室に戻ったミキは灯りも灯さず締められたブラインドの隙間から外を眺めた。
遠くに管制塔のランプが定期的に赤く灯る。
ミキは外を眺めなら、アドルフの事を思い出していた。
人はこの世に三人は似た人がいるというが、もしかしたらそれは事実なのかもしれない。
初めて彼とあった時、息が止まるかと思った。
金髪を短く刈り上げ、微笑みを浮かべながら握手を求めている青年は、瞳の色こそ違っていたが、まるでミキが逢いたくても逢えなくなってしまった人がさもそこに居るかのような錯覚に陥った。
金髪の髪。
優しい眼差し。
背格好も。
少し太めの骨格も。
なにもかも最愛の恋人だったアーチー・モルダーの面影とだぶついてしまう。きっとあのまま生きていたら、ちょうどあのくらいに成長していただろう。
もしかしたら神様が会わせてくれたのかもしれない。神様なんてとっくに信じなくなっていたミキだが、そんな風に考えると、少しだけ希望がわいてくる気がした。
ははは……可笑しいよな。
自分の手で最愛の恋人を殺しておきながら、今更こんなめでたい事を考えるなんて。片や自分の事を、命知らずの『鉄の心を持つエースパイロット』と呼ぶ輩がいるが、それはいつ自分が死んでもかまわない飛び方と、攻撃をするからだなんて事は誰も知らないだろう。
本当は死にたくてしかたがない。死にたいがゆえにとる行動が、結果的にエースパイロットだと呼ばれるゆえんになるなんて、笑えてくる。
ミキはピシャリとブラインドを締めると、きちんとメーキングされたベッドにダイブした。
to be continued……