約束 プロローグ 1 | 一期一会

一期一会

本も人の出会いも一期一会。時々読者、時々物書き。好きな本やコミック感想を中心に、日常のつれづれと共につぶやいていきます。

プロローグ 1





リズレイ=プリチャード・美紀は丘の上に立っていた。

ゴォーと言う飛行機の騒音と共に、あたりに風が舞い上がる。懐かしい騒音と、オイルの匂い。ポニーテールにしたミキの長い金髪が、風と共に舞い上がる。

コートをなびかせ、辺りを見下ろすと、緑一面の草原の先には、背丈よりも高いフェンスがあたりを囲い、その内側にはどこまでも灰色をしたアルファルトの滑走路が広がっていた。

遠くには、規則正しく配列された戦闘機が並んでいて、中に見慣れないものが一機混じっていた。

「へぇ」

ミキはそれを見付けると、まるで珍しいおもちゃを見付けた子供のように、目をきらきらさせながら、じっと視線を送る。鈍く光る銀色のボディに、この基地のトレードカラーである赤いラインがくっきりと浮かび上がっている。新型の戦闘機かもしれない。一体、どんな最新の機能と能力があるのだろう。

新型の戦闘機を見ると、ミキはどうしてもパイロットとしての血が騒ぎ、すぐにでも飛ばしたいと思ってしまう。あんな事があったのに。ミキは脳裏に暗い影が覆いそうな予感がして頭を振った。

いいや……もう考えるのはよそう。

結局、オレにはこの道しかないのだから。

ミキの思考は、頭の上からそう離れてはいない上空を通り過ぎる戦闘機のジェット音でかき消された。聞き慣れた音だ。

上空を通り過ぎた戦闘機を見上げると、すぐに空の彼方へ豆粒ほどの大きさになり、太陽の光を受けてキラリと一瞬光ると、やがて見えなくなった。

ここはルフトヴァッフェ(無国籍空軍基地)の中でも最大規模の空軍基地だ。先程目にした新型戦闘機はもちろん、どんなパイロットがいるのか興味深い。この戦争が、第三次世界大戦に発展するかどうかは、自分達の腕にかかっている。ミキは使い慣れた旅行鞄を握り直すと、ゆっくりと基地へ足を向けた。



to be  continued……