「ゾーン」で見る野球ーその1 | 女の子のための『野球、ルール以前のモンダイ』

「ゾーン」で見る野球ーその1

ここらへんで野球のルールらしきことなど、お話してみましょう。先週の土曜日から「オープン戦」と呼ばれる、公式戦に先立って行われる試合も各地で始まったことですし。
今日は「ゾーン」についてです。

「ゾーン」とは?

野球の試合を見ていても「ゾーン」という言葉を単独で聞くことはほとんどありません。たいてい「ファウルゾーン」のように前に別の言葉がくっついてきます。ゾーン”zone”は「区域」のことで、特に境界線がはっきりした場所のことを言うときに使う言葉です。スポーツで領域や陣地のことを表すのにも使われます。

野球では主に3つの「ゾーン」があります。

・フェアゾーン
・ファウルゾーン
・ストライクゾーン

「フェアゾーン」と「ファウルゾーン」はグラウンドに目に見える形で存在します。では、野球が行われるグラウンドはどのような形をしているのか見てみましょう。

この記事の一番上の図は典型的な球場を図式化したものです。(アメブロで画像を任意の場所に配置する方法がわからないのです…)手前に本塁を置いてみました。AとA'はそれぞれファウルラインと言います(赤い破線を含む)。B(黒い破線、Dの実線を含む)は本塁から最も遠いところまでの距離を表しています。AおよびA'の先端とBの先端を曲線で結んだ青いラインより向こう側(外側)で、赤い破線の内側は観客席(外野席)になります。
野球のプレイグラウンドは本塁を軸に扇形をしていますが、この扇の内側が観客席を含めて「フェアゾーン」になります。
ですから、この外側が「ファウルゾーン」というわけです。このうちAとA'(赤い実線)の先端から下方向にアルファベットのUの字の形にグラウンドが広がっていて、その外側に観客席(内野席等)が続いています。

ちなみに図中の「両翼」「中堅」等の言葉は今は分からなくても結構です。また、数値もまったく気にすることはありません。

フェアゾーンとファウルゾーンの違い

さて、試合の中でこのふたつはどのように扱われるのでしょうか。
野球は投手(ピッチャー)が投げるボールを打者(バッター)がバットで打とうとすることから始まります。


《先に進む前に》
 野球は英語でBaseballというくらいですから、ベース(塁)と呼ばれる白くて四角い一種のプレートを陥落させて(踏んで)得点するスポーツです。ベースはそれぞれ次のように呼ばれています。

・本塁(ホームベース)
・一塁(ファーストベース)ここを守る人は「一塁手」
・二塁(セカンドベース)ここを守る人は「二塁手」
・三塁(サードベース)ここを守る人は「三塁手」

本塁にも選手が陣取っていますが、本塁を守ることもそうですがもっと大切な役割があって、それゆえ「捕手(キャッチャー)」と呼ばれています。そうです、ピッチャーの投げたボールを受ける(捕らえる)役割です。

この4つの塁は正方形を描くように配置されています。この正方形は一角を軸に見るので菱形にもなります。ですから、別名ダイナ……いえ、「ダイアモンド(菱形)」とも言われています。(あやうく年がばれるところでした。なんのことか分からなかった方はくれぐれも深追いしないように。)


ピッチャーはダイヤモンドのちょうど中心の位置から本塁の少し後ろにいるキャッチャーに向けて投球します。打者は本塁の右か左に立ち、これを打ち返そうとします。もちろんバットに当たりもしないこともありますが、ここではボールが当たったと仮定します。

打ったボールは「打球」と呼ばれます。このときピッチャー以外の守りについている選手(野手)は本塁の方を向いて立っていて、本塁の方から飛んでくる打球を捕って塁を踏ませないように邪魔します。ピッチャー自身が打球を処理することもあります。

ですが、これは打球がフェアゾーンのうちグラウンド(フェアグラウンド)に落ちてきた場合です。フェアゾーンでも観客席に飛び込んだ場合は「ホームラン(本塁打)」になり、否応なく1~4点を得点することになります。
もし、打球がファウルゾーンのうちグラウンド(ファウルグラウンド)に落ちてきた場合は、基本的に野手はなにもする必要はありません。ただし、この「基本的に」は「戦術的に」という意味ではありません。ファウルグラウンドに落ちてきたボールを積極的に捕ると、いいことがあります。(後述)

宿題

今日から野球の試合を見るときは、打球がどのゾーンに飛んでいくのかに注目しましょう。
次回は「ストライクゾーン」についてです。

追記
リコちゃんがヤクルトスワローズの高橋敏郎捕手に一目惚れした模様です。ヤクルトは私の守備範囲外なので、どなたか彼について情報をお持ちの方はコメント欄にでもご一報ください。リコちゃんにフィードバックします。