天敵はカマキリや鳥だけじゃない! | おバカな2人の二人三脚

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 ふたりで楽しいお気楽生活。 胸を張って前を向いて歩きましょ。

土手草刈

雑草というのは、夏の間に驚くべきスピードで成長します。
多摩川土手の雑草も、さくらの花見の頃は芝生程度の丈だったのに、今や腰の高さを超え、なかには僕の背丈をも上回るものまで。
土手の遊歩道(サイクリングコース)を歩いていても、向こう側が見えないところがたくさんあります。

日中の気温がぐっと下がってきたこともあって、虫の主役もセミからコオロギに代わりつつあります。 例年よりちょっと早い気もしますが。
本来は夜に活動するコオロギも、背丈の高い雑草に守られて安心しているのか、昼間から盛んに鳴いています。

   *   *   *

しかし、天下の泰平は永くは続かないもの。
幸せに暮らすコオロギたちに、突然の悪夢が襲った。

ガッガッガッ シャキンシャキン ゴゴゴゴー

地面を揺らす轟音と金属の擦れる高い音に、コオロギは鳴くのをやめて身を潜めた。
じっと待ったが、音は静かになるどころか、どんどん近づいてくる。
何か銀色に光る羽のようなものが見えたと同時に、雑草がバッサリと切り落とされた。
突然、陽の光が射し込んで、コオロギたちは逃げ惑う。

しかし、どんなに後ろ足で大きく跳んでも、音をたて羽を振り回すものの速さには敵わない。
あるものは踏み潰され、また、あるものは足を切られ、無傷を通せたものはほんのわずかであった。

棲み家だった草を刈られた今、まずは身を隠すことが最優先。 歩道の反対側にはまだ背の高い草が生い茂っている。 あそこへ逃げ込まなくては。
普段なら、草も生えていない歩道に出ることなど、あり得ないことだ。
自転車に乗る人、ジョギングする人、散歩する人 ――。 すぐに踏み潰されておしまいだ。

しかし、ここを渡れれば、きっと明るい未来が待っている。
そう信じて ……。 だから、賭ける。

   *   *   *

さすがに伸びすぎた雑草は、いろんな意味で問題があるんでしょう。
区の委託業者が芝刈り機でバッサバッサと刈り取っていました。
丸坊主にされて地面がむき出しになった土手ですが、それとてほんのわずかなこと。 1ヶ月もすれば、またコオロギにとって快適な棲み家となっているはずです。