夏の終わり ― スイカ割りとディズニーランド

夏休み最後の日曜日、町内会の納涼会がありました。
屋台や神輿が出るわけでもなく、ただ近所の人たちが集まって、焼きそば食って金魚すくいやろう！　みたいな こじんまりとしたものです。
それでも、小さな子どもがいる家庭には絶好のお祭り、狭い路地にたくさんの家族が遊びにきていました。

そんな一角で、スイカ割りをやっていました。 目隠しして棒を振り回すのが面白くみえるようで、小さな子どもたちが列を作って並んでいます。

　　　＊　　　＊　　　＊

スタート地点には町内会のおじさん。
タオルで目隠しをされると、その場でぐるぐる回された。
「さぁ、スイカの方に行ってごらん！」
おじさんに肩をたたかれて、あたしは歩き始めた。
前が見えないし、ぐるぐる回ったから方向がぜんぜんわからないわ。
スイカの方から別のおじさんの声が聞こえる。
「お嬢ちゃーん、こっちこっち！」
声のする方へ歩いてるつもりなんだけど……。

「違う違う、こっちだよー！」
少し方向を変えたら、足に何か当たったみたい。
きっとスイカだわ。
思いっきり振りかぶって ――　　エイッ！
やった！　スイカに当たったよ。
お父さんとお母さんも見ててくれたかな。

おじさんに目隠しを取ってもらったら……。
あれ？　お父さんがいる。 どうしたのお腹おさえて？
「お嬢ちゃん、残念だったねぇ、スイカのかわりにお腹叩いちゃったよ」

なんだぁ。 丸くておっきいところがそっくりなのに。
でも、痛くなかったのかなぁ。 笑ってるから平気かな。

　　　＊　　　＊　　　＊

実際のところ、プラスチック棒ですから、当たっても痛くないし、そもそもスイカが割れることもありません。

それはさておき、この日は驚くことがありました。
なんと、なるが抽選で 『町内会長賞』 をゲットしたのです。
会長賞は、その日の抽選の中でも最上位の賞。
中身は東京ディズニーランドとディズニーシーの終日フリーパス券2名分。
 
子どもたちの 「いいなぁ～！」
の声に、多少後ろめたさを感じながらも、しっかり頂戴しました。
何年ぶりかのTDL、ちょっと楽しみだったりして。