時代を彩った銘器と名曲 ~プラグイン特集(前編)~ | 無頼派エレクトロ。

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さてさて、公約のシンセ特集。

「時代を彩った銘器と名曲 」という実に後ろ向きなタイトル(笑)で、これから折に触れてお届けしようと思います。

僕の場合、音楽歴=シンセ歴という具合で、とにかく知識だけは無駄にありますのでね。

もちろん、「オレの方が断然詳しいぜ!」という方もたくさんいらっしゃるでしょうが、そこは自分なりの視点で綴っていければと思っていますのでご容赦下さい。

老いも若きも、温故知新の精神で楽しんでもらえたら嬉しいです!

(シンセサイザーだけではなく、リズムマシンやサンプラーなんかも取り上げる予定。)

 

プロローグとなる今回は、僕が所有しているビンテージ系ソフトシンセ(プラグイン)の中から、お気に入りをいくつかピックアップして紹介します。

実機は、中学生の時に購入したSequential Circuits Prophet-600しか持っていないので(笑)

それにしても、最近のプラグインは実によく出来ていますよね!

個人的には、もうハードのシンセに対する信仰心は全くなくなってしまいました。

もとよりプラグインの場合は複数のツマミやスイッチを同時に操作しながら音作りすることは困難なものの、音そのものに関しては本当に実機と遜色がない。

「ソフトシンセの音は温かみがない」と言った声も耳にしますが、よくよく話を聞いてみると、往年のレコードやCDで聴いたシンセの音と比較していたりするんですよね。

往年の楽曲の場合、シンセの音をアナログのコンソールやアウトボード(外部のEQやコンプレッサー)に通し、なおかつアナログのテープレコーダーに録音しているわけです。

そりゃ、どうしたって音に温かみや太さが加味されます。

試しに、ビンテージシンセの本体にヘッドホンを繋いで素の音を聴けば「なんだ、こんなものか」と感じるのではないでしょうか?(笑)

ソフトシンセも往年の楽曲と同じ環境で録音すれば相応(それなり)の音になる筈で、だからこそ現在でもプロフェッショナルなレコーディングスタジオではアナログのコンソールやアウトボードが使われているし、なおかつそういった機材をエミュレートしたプラグインが使われているわけです。

なんて御託を並べるのは程々にして・・・(笑)

それでは、僕のお気に入りソフトシンセを紹介します!

 

 

 

・ARTURIA V COLLECTION 5

このバンドルはもう、ビンテージシンセ愛好家にとってはマストアイテムですよね。

先ごろ新バージョンの「6」がリリースされましたが、僕はまだアップグレードしていません。

DX-7はともかく、フェアライトCMIの音を使う機会なんてなさそうだもんなあ・・・

まあ、フェアライトCMIといえば、それこそ僕にとっては青春の象徴ともいえるシンセですのでね。

ZTTレーベルの諸アーティストや坂本龍一さん等の楽曲で耳馴染みのある音で遊んでみたいという欲求は、少なからずあります(笑)

もっと安くなったらアップグレードしたいですけど。

 

 

Modular V

冨田勲さんや初期YMOでお馴染みの、Moog社製モジュラーシンセ(通称「箪笥」)をエミュレートしたプラグイン。

近年大流行のモジュラーシンセですが、オシレーター、フィルター、アンプ、モジュレーター・・・という具合に一式揃えるとなると30万円近くしてしまいます。

「もうソフトでいいや」という僕も、モジュラーシンセだけは実機を使ってみたい!

(というか部屋に置いておきたい!)

結局、そこに行き着くといいますか。

欲求と懐具合の乖離が著しい(笑)僕のようなユーザーにとって、気分だけでも味わわせてくれるのが、このプラグインです。

実機を忠実に再現しつつもパッチングの一部は簡略化されていたり、フィルターのモジュール(ハイパス、バンドパス等)をクリック操作のみで交換できたり、使い勝手も考慮されています。

音は、もっぱらフィルターの特性によるものか、古色蒼然とした質感。

「Tech Police Intro」や「Europa Endress」といったプリセットが入っているのも、マニアには嬉しいところ(笑)

なんといってもステップシーケンサーが楽しい!

シーケンスを走らせながらツマミをいじくり回すだけでも、トリップできますよ。

僕の個人的な遊び方としては、Cluster(テクノやエレクトロニカの元祖的な1970年代のジャーマンプログレユニット)の「Cluster 2」というアルバムをiTunesで再生しながらModular Vでシーケンスを走らせると、滅茶苦茶ハマります(笑)

 

 

ARP 2600 V

こちらは、セミモジュラーと呼ばれるタイプのシンセです。

基本的な信号の流れは内部結線されているため、パッチングなしでもある程度は音作りできる、というものですね。

音の質感としては、Modular Vより好きかも。

なによりも、プリセットがテクノ心をくすぐるものばかりで素晴らしい!

実機にはない機能として、ペンツールを用いてエンベロープやLFOを自由自在に描く(設定する)ことができます。

それによって、往年のシンセのようで往年のシンセではない独特の音を作れるようになっているわけですね。

ただ、ステップシーケンサーに関して言うと、マニュアルには本当に基礎的な使い方しか書かれていないんですよ。

昔の電子楽器ってツマミ類のネーミングに「死語」がたくさん使われているから、マニュアルなしだと分かり辛いんですよね。

あと、アンプのエンベロープがアタックとリリースしか設定できないのも使いにくい。

(フィルターのエンベロープは「ADSR」だけど。)

なので、減衰音系のフレーズの場合、スタッカートで演奏するしかないんですよ。

この2600だけでなく、Odysseyもそうみたいですけど。

それも含めて、ビンテージシンセの味わいなんでしょうか?

 

 

Prophet V

言わずと知れたアナログシンセの歴史的銘器、Prophet-5をエミュレートしたプラグイン。

この製品では同じSequential Circuits社製の「Prophet VS」とのハイブリッド仕様になっていますけど、個人的には別々にしてもらった方が良かったかな・・・

前述のように僕は「Prophet-600」というProphet-5の後継機種を愛用していたんですが、なんせ数十年前に製造されたものなのでコンディションが悪く、修理するにも数万円くらいかかるんですよ。

そこで、このプラグインを導入したわけです。

(当初は単体購入するつもりだったのに、結局バンドル購入してしまった。)

とにかく、ツマミをどういじってもプロフェットの音がするのが素晴らしいですね!

Fineツマミを動かすと、プロフェット特有のオシレーターのチューニングのズレまで再現されているのが分かるし。

プリセット「CUE BASS」「Camouf(YMO「Camouflage」で使われているフィルターの自己発振によるリード)」「Harry Madmen」「Profes Budokan(YMOの散開ライブで教授が使っていたブラス系パッド)」なんかも良く出来ていますね。

(「JP The Art Of Party」のように「こんな音、使われていたかな?」というものもあるけど。)

Prophet-5に関しては、「時代を彩った銘器と名曲」の本編で真っ先に取り上げる予定です。

 

 

Jup-8 V

Roland社製アナログシンセのハイエンド機種、Jupiter-8をエミュレートしたプラグイン。

僕はこのプラグインのデモを試奏してV COLLECTION 5のバンドル購入を決めました。

とにかく「ザ・80’S!」なキラキラ感やプラスティック感が素晴らしいっす!(笑)

オリジナルのJupiter-8は、Nick Rhodes(Duran Duran)、Howard Jones、Depeche Mode、土橋安騎夫(REBECCA)などが愛用していたことで有名ですよね。

このプラグインを使用してみた限りでも、Jupiter-8がProphet-5をかなり意識した設計になっていることが分かりますけど、エンベロープをオシレーターにも適用可能になっていたり(Prophet-5はフィルターとアンプにしか適用できない)、ハイパスフィルターを搭載していたりと、後続機種ならではの機能も盛り込まれています。

(もちろん、Prophet-5に作れてJupiter-8に作れない音もあるんですけど。)

あ、アルペジエーターやスプリット機能も忘れちゃいけない(笑)

このプラグインに関して言うと、「SFX」というカテゴリーのプリセットが充実していますね。

エレクトロニカ系などに、すぐ使えそうな音ばかりです。

もちろん、その他のカテゴリーのプリセットも素晴らしい。

ある意味、Prophet V(Prophet-5)以上に、懐かしさで涙がちょちょ切れそうになります。

80’Sマニアばかりでなく、昨今のエレクトロ系音楽やモデリングシンセに馴染んだ若い方々にもオススメです。

 

 

Farfisa V

これはシンセじゃないんですが、お気に入りプラグインということでご紹介。

1960年代のイタリア製電子オルガンをエミュレートしたもの。

「ファルフィッサ」と読みます。

V COLLECTION 5には定番のVOXオルガン(VOX Continental V2)も収録されていて、そちらも素晴らしいんですけど、このFarfisa Vはよりロック寄りの音が特徴。

とにかくサイケデリック!

ストンプボックス(ペダル式エフェクター)を駆使したプリセットはシンセ並みに音の幅が広くて、ロック/ポップスだけでなくテクノ系にも十分使えます。

オリジナルの機種は、Led Zeppelin、Sly&The Family Stone等が使用していたことで有名らしいですね。

(Farfisa Vのマニュアルには、Kraft Werk、Tangerine Dream、Simple Minds等も使用していたことが記載されているけど。)

プリセットを弾いているだけでも、トリップ感半端ないっすよ!

 

 

 

長くなったので、続きは後編で。

「KORG Legacy Collection」等のプラグインを紹介する予定です。

ではでは!(^-^)ノ~~~