前田誠 氏の アンコン スタイル(2) | NARUのブログ

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もう一つ、別なタイプの「アンコン」物を。

 

これは所謂「一枚仕立て」ではありません。「裏地」はあるのですが芯地や肩パット等を全く使わない、その意味で「アンコンストラクテッド=非構築的」なスタイルの物です。

(まあ簡単にいうと○ルマーニ系でしょうか。)

前田さんとしては後期になる物でしょうか。(あいかわらずシワがひどくて申し訳ない・・・)

 


  

肩パットが全く無いので肩がラグランスリーブのように納まり、今で言う「雨降り袖」のような表情になっています(意識してのものでは無いと思いますがw)。

アームホール、裾裏地、袖口裏地の纏り等は全て手仕事。

 

  

襟も一枚襟で裏地は手纏りですが、襟裏はカラークロスでパイピングはありません。

生地は以前ご紹介したトラバルトトーニャ。

「赤文字ラベル」のGALAMONDと同じように、カジュアルラインとして仕立ても差別化していたのかも知れません。

 

非常に軽く、柔らかく、ラクチンなジャケットです。惜しむらくは前田さんらしい「色気」が無い事ですね。時期的には前田さんのデザインかと思うのですが・・・。

 

ご参考までに、もっと後の時代の某社の近い仕様のアンコン風ジャケット。某○'s for menの下位ブランドですが。

  

前身頃にダーツが無く、極端なボックスシルエット。手仕事はアームホールの下側一部だけ。

わずかにパットが入っていますが、納めが良くないのでドレープではないえくぼが。

極端に下がったゴージラインも、GALAMONDのものと比べると時代は新しいにもかかわらず、逆に時代を感じてしまいます。

 

個人的にGALAMONDの上襟の若干上向いたラインは絶妙だと思っています。

前田さんの熱狂的信者の(BARREAUX→GALAMONDと追いかけ、INCENSEに移ろうか?と悩んでいた)販売員さんは「ちょっと悪い事してる感じで良いですよね~♪」と言っていましたw