<2020年9月22日現在>
こんにちは!
成田万寿美です。
旅の途中。
昔お世話になった名物TVプロデューサーが夢に現れた。
その人の名は、村田弘道さん。
豪快•破天荒を絵に描いようなテレビの良き時代を代表する人だった。
色ごとも大らかで、エピソードは数えきれないほどあるが、
そのことすらネタにされるスピーチがユーモラスで最高。
同じ話を何度聞いても、お腹を抱えて笑ってしまう。
愛すべき人だった。
お酒も一緒によく呑んだ。
その村田さんがプロデュースする
朝日放送の新番組「エキスタ女学院」の女性司会者オーディションがあった。大変な応募者数で圧倒されたことを覚えている。
当時は「女性はアシスタント」と言う進行スタイルが主流の時代だったので、かなり画期的な番組だった。
「成田万寿美は理屈言うからスカン!イイーッ!と腹立つ!女としては可愛気ないけどな、仕事はずっと一緒にしたい」
と採用していただいた(笑)
私には最高の承認だった。
その村田弘道さんは
肝臓がん再発で、享年88才で亡くなった。
会話の間合い、独特の言葉
心からもう一度聴きたい。
多分病院でも、看護師さんを笑わせていたに違いない。
夢に現れた村田弘道さんは、一言も話さなかった。
その昔...
村田さんに連れられて、
今や世界遺産である
京都嵯峨嵐山の禅寺
臨済宗大本山「天龍寺」
の総長に、番組にご出演頂くためのご挨拶に伺ったことがある。
夢の中の情景は、
あの日のままだった。
とっぷり日が暮れた長い竹林を、
村田さんと2人で歩いていると、
静寂の奥から竹林の囁きが語りかけてくる。
サワサワ ザワザワ
竹が風と話しているようでもあり、
自分の心のざわつきのようでもあった。
月明かりは闇をほんのり照らし、
灰色の雲の流れがはっきり見える。
目は闇に慣れ、
五感が研ぎ澄まされていく。
「万寿美に、これを体験させたくてこの時間を選んだんや」と
村田さんの得意げな心の声が聞こえてきた。
どのくらい歩いたのか、時間の感覚すらない。
チロチロ、サラサラ
水音が聞こえた気がした時、
竹林の先に雲水さん達の修行の坊と総長のお住まいが現れた。
その入り口に立つと、
阿吽の呼吸で、お一人の雲水さんがお出迎えに。
その雅で美しい所作に一瞬で心を奪われた。
畳にひれ伏すご挨拶、
袈裟さばき、
「お待ち申し上げておりました」
の静かで響きのある声。
この場には笑顔など必要ないのだ。
ただ有り難さに身が引き締まる。
足音を立てない雲水さんの後ろをついて行くと、
長廊下の先に、お会いする方のお部屋の明かりが漏れていた。
雲水さんの手料理と竹筒にはいった隠し酒?でおもてなし頂き、
ここからは、私の人生を左右するほどの珠玉の時間が過ぎて行った...。
修行僧のことを、
古来「雲水」と呼ぶ。
私も、行く「雲」のごとく
流れる「水」のように、
自分を見つめたい。
村田さんが私に見せたかったものを静かに感じる旅の途中。
人生は、大切なもの、ひと、ことばに出会いながら流れている。
今、分からなくても、
意味を持って自分を導いてくれる日が来るだろう。
嵐山を訪れることがあれば「天龍寺」を尋ねて欲しい。
座禅体験などお勧めだ。
村田弘道さん、
夢に現れてくださって、
ありがとうございます。
成田万寿美