◯一品は”いっぴん””ひとしな”?
『料理番組などで聞く"次のいっぴんは・・"というのは、"ひとしな"では?違いは何ですか?』と疑問がわきました。【一品】両方読めますよね。使い分けているのでしょうか? そこで、【料理を一品選んでください】と書いたものを持って、読み方を尋ねたところ、年代問わず、"いっぴん"が36人。"ひとしな"が14人でした。理由は、「いっぴんの方がいいやすい」「ひとしなは改まった感じがする」とのこと。
 
>>やっぱり<いっぴん>って良く言っている気がする
 
 辞書には、『品ひん』に【料理などの品数を数えるのに用いる】と助数詞の使い方として書いているものが多かったのですが、「品しな」には、比較的新しい辞書以外、このような意味が載っていませんでした。どうやら、【ひん】と数える方が古くからあるようです。もしかすると、いくつかある中から好きなものを選ぶ時は、"数"を意識するので、「いっぴん にひん・・」といい、コース料理のように料理の出てくる"順番"に着目する時には、「いっぴんめ」「にひんめ」とはあまり言わず、「ひとしなめ」「ふたしなめ」という言い方もあるように、【しな】を使って数えるのかもしれません。そこで、今度は、「一品 二品 三品・・」と順に書いたものを持って、続けて読んでくださいとお願いしたところ、この時には、ほとんどの方が「ひとしな ふたしな・・」と"しな"を使って数えました。
 
 ただ、ここで、若者と年配の方で二つに分かれた読み方があります。それは、「三」です。若者は"さんしな"といい、年配の方々は"みしな"と言うことが多いのです。「三皿」「三部屋」「三桁」なども、'み'と'さん'で年代によって'分かれる傾向にあるようです。助数詞は、時代に合わせて、新しくなったり、変わるものもありますが、'ひ''ふ''み'・・と和語の数え方も大切にしたいですね。
 
◯テニス なぜ0が「ラブ」?
 テニスをやっていた人とかは知っているかもしれませんが知らない人が多いかと思います。
 
テニスの試合で聞く『ラブ』は愛のことではなく、得点の「0(ゼロ)」のこと。なぜ、テニスでは「0」を『ラブ』と言うのでしょうか。テニスは、古く11世紀頃にフランスの修道院で行われていた手でボールを打ち返す競技が起源だといわれています。そこで、「0」を『ラブ』というのもフランス語で卵を意味する「l‘oeuf(ロェフ)」ということばが由来だといわれています。卵の形は「0」に似ていますよね。これが後にイギリスに渡り『ラブ』に聞き間違えたという説です。またオランダ語で「名誉」を意味する「lof(ロフ)」が『ラブ』に変化したという説があります。
 
>>何にしても起源は欧州なんですねえ
 
 中世ヨーロッパでは、テニスなどのゲームを見ながら賭け事をしていました。そんなとき、現金の代わりに「名誉をかける」と言うこともあったようで、名誉はお金と違って“目にみえない”“形がない”。そこで、“何もない”という意味で「0」につながったという説です。ところで、気になるのはもう一つ。テニスでは得点が「0-15-30-40-ゲーム(60)」と増えていきます。不思議ですよね。これは、中世ヨーロッパでの60進法に基づくといわれます。1時間が60分なのもこの考え方から。例えば、当時の文字盤は15分ごとに区切られていて、テニスのポイントを数えるとき、文字盤を利用したという説。また、当時の修道院での生活習慣が15分刻みだったためにそれにならったという説。
 
 そして、当時の貨幣の単位が15で一単位だったので、賭け事でポイントごとに、15のコインを賭けたためという説もあります。でもなぜ「30」の次は「40」なのでしょうか。本来ならば「45」。しかし、「フォーティーファイブ」じゃ長すぎる。そこで、短くなって「フォーティー」になったという説が!?ことばからテニスを考えるのも面白くないですか。
 
◯クイズ~楽器の名前の由来~
 今回は、楽器の名前の由来に関するクイズです。では、第一問![カスタネット]叩いたことありますね?カスタネットといえば、スペイン。フラメンコでダンサーが打ちながら踊る姿を思い浮かべた人もいたりして。このカスタネットは、スペイン語の‘castana’が元になっています。
 
 さて、そのカスタネットの由来は何でしょう?①貝(貝のように木片などが合わさり打ち合わせて音を出すから)②飴(形も似ていて、飴を噛んだときの音とカスタネットの響きも似ていることから)③栗(イガから栗の実を取り出すと形が似ていることから)さぁ、どれでしょうか?正解は・・・③の栗です。スペイン語でクリの実は、“castana”といい、カスタネットは、これに由来します。栗の木でカスタネットを作ることもあり、栗に形が似ていることから名づけられたようです。
 
 
 続いて、第二問![ウクレレ]ハワイ音楽と関係のある楽器ですね。このウクレレは、ハワイ語で、ある生き物のことをいいます。その生き物とは何でしょうか?①ノミ(ノミが跳びはねている様子がウクレレの弦をはじくのと似ているから)②アパパネ(鳥)(アパパネはハワイに生息する赤い鳥。ウクレレの音色と飛び回る様子が合うことから)③ウミガメ(ハワイといえば、カメハメハ王。ウクレレをこよなく愛し、ウミガメとウクレレ、形が似ていることから)さぁ、どれでしょうか?正解は・・・①のノミです。ハワイ語で‘uku’は、「ノミ」‘lele’は、「跳びはねる」という意味です。ですから“ukulele”で『ノミが跳びはねる』となります。ウクレレの演奏者の指の動きが、ノミが跳びはねている様子にそっくりなことから名前が付いたという説があります。驚きですね。
 
>>今回のクイズは正解者少ないかもね。
 
◯「名刺」名を刺すと書くのはなぜ?
『名刺はなぜ名を刺すと書くのですか?』という疑問も浮かびました。不思議ですよね?!元を辿ると、名刺は中国が発祥だと言われています。昔、中国では、"名刺"のことを「刺」とよんでいたそうです。そして、"名刺"は、元々、《相手に名前を知らせて都合を探り、面会を求めるためのもの》だったようです。諸説あるのですが、この「刺」には、「突き通す」という意味以外にも「探る」「しるしをつける」という意味があり、相手の都合を探っていたので「刺」といっていたのではと一説には言われています。あるいは、訪ねた相手が不在の時、戸口に刺して置いていったので「刺」とよんでいたなど色々推察されているようです。
 
 
>>相手が不在の時に使っていたってすごくあり得そうだと思った。
 
 昔の名刺は、紙ではなくて竹や木を削って名前を記していたので、刺すことができたのかもしれません。他にも「名刺」は、目上の人に会って貰うためのものだったので'謁'ということもあり、"刺""謁""名刺"と呼び方が混在していました。では、日本の名刺はというと、江戸時代には使われていて、当時の名刺が残っています。小さい紙に、名前だけを墨で走り書きした簡素なものが多かったようです。そして、日本でも"刺""謁""名刺"とよばれていました。その後、幕末の頃に、印刷した名刺や初めて会った相手と交換するために名刺の使用が西洋から伝わって始まったと言われています。
 
 明治時代になると、写真入りの名刺が登場し、広く普及するようになりました。ところで、「名刺」には、肩書が書かれていることが多いですね。これは、名前の右上にあるので、名前を身体のように捉えて、右肩→肩書となったそうです。新年度、会社員の皆さん!名刺交換は礼儀正しく、元気よく!頑張ってください。