死刑制度について | 大人のための政治教室

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本日は6月8日です。

2001年6月8日には附属池田小事件が発生しました。また、2008年6月8には秋葉原通り魔事件が発生しました。

 

どちらの事件も残虐かつ身勝手な連続殺人事件であり、犯人には共に死刑判決が下され、池田小事件の方は既に執行済みです。

 

死刑制度について、率直に申しますと、廃止すべき制度であると考えています。特に、池田小事件の方は私が死刑廃止賛成派になったきっかけとなる事件でした。

以下は、死刑を廃止した方が良い詳しい理由を述べます。

 

1.刑罰とは何のためにあるのか。

そもそも、刑罰は何のためにあるのでしょうか。犯人を懲らしめるためでしょうか、被害者を慰めるためでしょうか。どちらも違います。刑罰は、犯罪を抑止するためにあります。害者感情を考慮して犯罪をためらう人など滅多にいないでしょうが、捕まったら自分の自由が奪われることを恐れて犯罪をためらう人は多数います。多くの人が犯罪を犯さない理由はそこにあります。犯罪によって一時の感情を満たすことよりも、捕まって自由が奪われることが嫌だからです。もし刑罰がなければ、この世は犯罪で溢れかえります。

 

2.動機

池田小事件の動機をご存じでしょうか。犯人は、「自殺しようと思ったが、死にきれず、死刑になりたかった」と言って、死刑になるために事件を起こしました。秋葉原の事件も、動機こそ違えど、「既に掲示板に犯行予告をしており、懲役刑になるよりは死刑の方がよかった」と述べています。

つまり、どちらの事件も犯人は死刑を望んでいたのです。よって、死刑という制度がなければこれらの事件は発生していなかったと考えられます。刑罰は犯罪を抑止するためにありますが、死刑は抑止力どころか動機になってしまいました。犯罪を抑止するべき刑罰が犯罪の動機になっています。

これでは本末転倒です。

 

3.新制度案

私は死刑廃止を望みますが、単に廃止するだけでは犯罪を減らすことはできないと思います。そこで、私が考えた新制度案を紹介します。

 

①終身刑の設置

現在、日本に終身刑はありません。無期懲役には稀ですが仮釈放する場合があります。終身刑は文字通り、一生刑務所生活をしなければなりません。現在の死刑に該当する事件は全て終身刑という新しい刑とすべきです。終身刑は自由を奪われた生き地獄ですから、人によっては死刑よりも嫌だと思います。

 

②懲役刑の上限廃止

日本には懲役刑は30年前という規定があります。この上限を廃止し、事件によっては50年や60年、100年などという懲役刑を設けるべきです。

 

③刑の合算制

日本の刑罰では複数の犯罪を同時に犯した場合は基本的には最も重い刑罰のみ受けます。

例えば、強制わいせつの後に口封じで殺し、車を盗み、時速100キロで逃走した場合、日本では最も重い殺人の罰を受けることになります。

しかし、海外の多くの国では合算制となり、強制わいせつ、殺人、窃盗、交通違反それぞれの罪を合算した年数の懲役刑を受けることになります。海外で懲役200年などいう判決が出るのはそれが理由です。日本もこのような制度にすべきだと思います。

 

以上です。

刑罰は犯罪の抑止力となることが最大の意味であり、犯人を懲らしめるためにあるわけでも、被害者を慰めるためにあるわけでもありません。被害者としても、そもそも犯罪が起こらないことが最も良いわけでして、いくら犯人を懲らしめても被害者感情が癒えることはありません。