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「しょっぱいブログ」

えっ?そろそろアラフィフ?
KAKUTA団長・成清正紀のしょっぱーいブログ
まっだまだーっ!!

ことしは寒い冬だったが、そろそろなんだか、あったかくなってきそうな気もする。春よこい。


さぁ「夜、ナク、鳥」の本番が近づいてきた。
20年ほど前に実際にあった、4人の看護婦さんが引き起こす保険金連続殺人事件をベースにしている。

犯人はこの人、
いやいや、違う違う!看護婦さん、って言ってるやん。
これはキャストの井上幸太郎くん。とっても優しいハンサムガイだけど、限りなく犯罪者顔してるね、あは❤


4人の看護婦さん(20年前は看護『婦』でしたのよ)は、
この4人さん、ってことになるのか。
そうね、そうなるよね、きっと。

死刑判決も出たこの事件。
こんなに愛らしい方々が、、、あぁ!!って本当の犯人ではないけれど、実際にはこういう瞬間だってあったはずだ。なんでこんなことになってしまったのだろう。

たぶんそういう想像から、作品づくりが始まっている。子どももいる、若き母親達の犯行。僕らが住む世界と彼女達が住む世界はそんなに離れているのか。

大竹野さんの手記にも書いてあったけど、このお芝居は加害者や被害者を、擁護するのでも否定するものでもなく、あくまで事件をモチーフとして、実際にどんなやり取りがなされていたか、想像してみようということだ。

この作品を瀬戸山さんが、どう見せたいか、どう読んだか。粘り腰での作品創りが進んでいる。

えげつないやり取りや重いシーンが続くなかで、

クズはほんとうにクズなのか。
とか
自分はクズではないのか。
とか
クズに巻き込まれた時、自分は逃げられるか。
とか
そもそも人を殺していい理由なんてあるのか。
とか。

ぐるぐるぐるぐる考えながら、役者の目の奥をじっと覗きこみたくなるような作品になっていると思う。



実際稽古場は明るかったりする。
綿貫Pがカレーを作ってくれたり。
じゃがいもたっぷり母カレー、おかわりした❤
マカロニサラダを差しのべてくれたり。
これもP手作り。
飲みにも行く。
ほんとうに素敵な方ばかりだ。(ヨイショ!)
いやいや、ヨイショとかじゃないョ。
真面目に楽しい現場です。


あと数日の稽古でどんな変化があるか、おもいっきりぶつかっていきたい!




「夜、ナク、鳥」17日初日!@吉祥寺シアター
土日はほぼ完売!平日は空いてます!

19日の公演のあと、アフタートークに出演します!!ぜひお越しください!

昨年の「荒れ野」が終わった頃から、妻が「彼の地2」の脚本執筆・演出作業に入った。
いったん一つの世界に没入すると、その作品の色にべったり染まる。生活と引き換えに、と言ってもいいかもしれない、じっとりべったりそれが数ヵ月続く。大変な作業だ。
北九州に滞在する今も、連日半べそで稽古についての相談や、脚本などを送ってくる。
作家というのは、とても孤独な仕事だ、と思う。

僕はいつも、書く前にプロットあげるまでの相談と、出来たものをいちばんに読ませてもらうということをさせてもらっている。妻が脚本を書きはじめたころからなので、もう15年以上の大切な僕の役割だ(読むだけだけど)。
ベッドやソファでのたうちまわる妻に向かって
「戯曲に結論なんていらないって。」とかなんとか偉そうなことも言う。
「簡単に言わないでーーっ!!」
と怒られるが、僕も観たことのないものが観たいのだ。そして、彼女はいつも僕の期待以上の戯曲を読ませてくれる。結局、僕は連載を待つファンでしかない。

そしていま妻は「彼の地2」一色だ。
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ナイスミドルもいらっしゃるけど、みんな若いソーヤング。だから戯曲もピッチピチ。昨年の「荒れ野」とはずいぶん違うな。わはは。
桑原の得意とする青春群像劇、それを街が主役の「街演劇」として組み立てる。
演出を含めて、この「街演劇」っぷりがとても面白い。小倉、門司、八幡など北九州各地方をぐるぐる回る。
映像なら容易にできようが、これは演劇だ。とてもアナログな方法で、観ている者の想像力を借りながらぐるぐる変化していく。
前回の「彼の地」も観たら小倉行きたい!って思う充分な「街演劇」だったけど、今回は戯曲構造の時点で相当なチャレンジをしている。
「イケイケ!桑原!」だ。
すっごく面白い。
今まで観たことがないので、どれとも比較しようがないし、キャストのみなさんは特に迷うかもしれないが、ほうぼうにアンテナを張り巡らして、みんなで成し遂げれば味わったことのない興奮が身体中を駆け巡るに違いない。
未知との遭遇、だ。役者冥利だ。どこぞのマネなどやりたくはない。
1日だけだけど稽古休みに小倉へ行ってきた。
半分を越える役者さんはすでに知り合いだ。

僕の家に居候させて(劇団から宿泊費出せないから!)KAKUTAに出演してもらった寺田くんや上瀧くんには特に並みならぬ親近感があるし、多田ちゃんはもちろん岡田くんや竜史くんはKAKUTAメンだ。それに旧彼の地メン、甘い丘リーディングメン、KAKUTAワークショップメン。

桑原の演出を何度も受けているメンバーがたくさんいる。だからこそ、新しい挑戦もできる。
東京でなく北九州でこういう座組が組めること自体が奇跡であり、それはやはり大小に関わらず演劇を大切にしてくださる北九州芸術劇場の日頃からの取組みのお陰だ。
とても瑞瑞しい、現場だった。
自分が読んでイメージしていたキャラクターと目の前で呼吸している役者をすりあわせる。
僕が知るみんなより、目の前のみんなの方がイキイキしてた。
う、う、うらやましい。僕も交ぜてほしい!がやめておこう(実はジャージを持って行ってた・・)。
彼の地で、彼の地へ、馳せる思いは、人それぞれだろう。
故郷がないひと、帰りたくないひと、すぐにでも帰りたいひと、そこにとどまりひどくつまらないと思っているひと、みんなそれぞれの「彼の地」が必ずあるはずで。
彼の地が自分にとってどんな街であるのか、同じ海があなたにはどんなふうに映っているのか、どんな匂いがして、どんな風が吹いて、どのひとが嫌いなのか。

「あなたに何が見えているのか。」

役者としてそれはすっごく大切なことだけど、「彼の地」ではそれをとくに感じてみたいと(勝手な思いか)。

北九州の匂いを全身で受け止めて、豊橋や池袋にイキイキとばらまいてほしい。
きっとお客さんは味わったことのない角度から、急に吹きつけてきた風に、胸をしめつけられるはずだ。
帰りの新幹線で、かしわめしをトクホのお茶で流し込みながら、みんなの演技を思い出しては遠い目をするのだった。


「彼の地2」楽しみでならない。




【成清稽古中】
オフィスコットーネ「夜、ナク、鳥」2/17→吉祥寺シアター
平日がオススメ。
本年一回目のブログ。バカ遅。もう2月やで。

昨年末から、愛知県武豊町での市民参加リーディング「痕跡《あとあと》」も始まっている。
演出?演出、えんしゅつです。
まちがいないです。
もう何度も何度も訪れた武豊町、行く度に好きになってゆく、人も町も。
公演は3月。緻密に、そして閃きを信じて。観たことのないような作品にしたい。


オフィスコットーネ「夜、ナク、鳥」、稽古が進んでいる。

とても不気味だけど、やり取りが面白い脚本。
実話の凶悪犯罪をモチーフにしていて、ほぼ大阪弁で書かれている。方言を使うことでより事件が生々しく感じられるような気がする。気持ち悪さ増。
4人の看護婦が引き起こす、保険金殺人事件。
小悪魔どころではない、ひとでなし、ひとごろし。
20年ほど前のお話だが、取り巻く生活は今と大きく変わらない。いっけん普通の、いやむしろ毎日生命と寄り添う「天使」であるはずの彼女達が、どうやって殺人者になっていったのか。


稽古開始一週間ほどですでに3人の看護師さんに来てもらい話を聞いたりレクチャーを受けたり、序盤は連日の話し合いだった。
話し合い→ちょっと稽古→話し合い→ちょっと稽古と、丁寧に少しずつ進んでゆく。
こんなに話し合いをする現場ははじめてだ。「早く立ちたい立ちたい!」とソワソワしてしまうバカ役者にはいい薬になった。みんなで掘り下げて行く作業、大事です。
あれ?幸太郎くんの様子がおかしい。
稽古中に倒れたまま動けなくなってしまった!
のではない、現役看護師さんによるレクチャーだ。
マネキン役は井上幸太郎くん。同じ74年生まれ。
超強面。犯罪臭プンプンするわ。わはは。

幸太郎くんは「警察によく呼び止められる」という僕に理解を示してくれた初めての人だ。強面は警察によく話しかけられて困るよね、と意気投合した。
だが、僕が警官なら、迷わず幸太郎くんに声をかけるだろうな。こんな顔の人素通りできないわ。
ちなみに実際の幸太郎くんは優しくて、物知りで、友達が沢山いるめちゃいい人です。


この人も、強面。
政岡泰志さん。
色んな種類の「狂気」を持ち合わせている、「狂気の集合住宅」みたいな人だ。
どこから何が出てくるか分からない。
でもじつは客観的でとても冷静な人だと僕は見ている。
そうでないと「狂気の集合住宅」の管理人は務まらないはずだ。
おちゃめなところもある泰志さんだが、こう見えてとっても頭がいいのだ。それは今回初めてご一緒させてもらって気付いたことだ。
何度も見ても笑ってしまう一枚。
泰志さんこのシーンと全く関係ない。わは。
稽古場風景を撮っていたら、頼んでもないのに、すっとフレームインしてきて「私の現場です」みたいな写真に仕上げた。
なんだこの表情。いったいどういうつもりなのだろうか?

奥にいる藤井びんさんも、違わず強面だ。
芝居中のびんさんの目は、細かく揺れている。
気になって、覗きこんでしまうと、取り込まれる。人間界でサバイヴしてきた、逞しい妖怪のようだ。
それでいて、笑うと仏さまのような顔になるから、迷ってしまう。


4人の殺人看護婦と、一筋縄ではいかない4人の強面の男達。
いったいどんな物語になるのでしょうね。



オフィスコットーネ「夜、ナク、鳥」2/17→吉祥寺シアター
平日がオススメです!
「太陽のかわりに音楽を。」無事終了しました。
ご来場いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました!

初日祝もいいただきました!

共演の方々と、八嶋さん、東宝芸能さん、KAKUTA、ありがとうございます!!


今回はラジオ放送作家である正岡さんの脚本ということで、それこそ、ラジオをよく知る人でないと書けない内容と熱があり、それを演劇をよく知るノゾエさんと素晴らしいスタッフ陣がより立体的にしていった。
まさにラジオ×演劇、そして音楽。
その作業を創り手として参加しながら見ているのがとても面白かった。
(小松さんと僕)
共演メンバーはみんな温厚で、優しい。
それだけに稽古場に緊張感がないということもあった。笑っちゃいけないところで吹き出してしまうのだ。
稽古最終日に、たばこ場でノゾエさんから

「成清さんが一番ゲラですね・・・。」

と呆れられたことは内緒にしておきたい。
最終日に言われるということは、演出家の中ですっかり確定事項、つまりもう取り返せない思い出ぐらいになってしまっている。無念。
ノゾエさんの後光も、ぴっかりだ。

本番に入ると、いらっしゃらなくなる演出家さんも多いなかで、ノゾエさんは毎公演見てしつこく細かくダメだしをくれる。
演劇は団体戦だ。みんなで見えないものをどう繋いで行くかという作業だ。成功も失敗も不確かだから、全体で見てくれる目がないと路頭に迷ってしまう。
役者と一緒に模索してくれるノゾエさんのスタンスはとてもかっこく、刺激的だった。
タイムリープして50年前に遡る。
たかだか生まれる7年前の東京だが、この50年の激変ぶりは凄まじいものだ。
まだ日本は「戦後」だったんだと、あらためて気づかされた。
糸居さんとトロイくんのやり取りがとても好きだった。
宮近くんは毎日成長してたなぁ。
楽屋ではうるさいけど、熱い心を持ってる。ほんまにうるさいけど。
宮近くんはいたずら好きの少年や。
高田くんは不安定な大人、揺れるお年頃。
稽古あと二人でタイ料理屋にいき、ずーっと演技論をしゃべっていたこともあった(主に僕)。
高田くんは歳を増すごとにいい俳優さんになるんだと思う。
小松さん、昨日「笑×演」に出てたな。
ニヤニヤしちった。
小松さんとはもっと話したかったなぁ。とても真面目で演劇が大好きで、お笑いが大好き、あと動物が大好き。

普段のシャイさと振り切る時のギャップが面白い。小動物のような目をした、熱い中年。
またご一緒できるのを楽しみにしてる!
羽佐間部長や。
ノゾエさんからカツラ指示が出た時は笑った。
厚底くつ履きましょうか、も笑った。
自分のこと「あたし」といいましょうか。「了解!」でなく、「ガッチャ!」と言ってください。
ノゾエさんから次々出てくる指示。
全部取り入れて、よくわからなくなったりしたけど、わはは。毎日めちゃめちゃ楽しかった。

応援してくださったみなさま、共演のみなさま、スタッフ関係者のみなさま、お世話になりました!ありがとうございました!


ぼくはまだまだラジオを聴き続け、演劇を愛し続けます。
Go Go Go! and Goes on!!

「太陽のかわりに音楽を。」

愛おしい作品になってきた。

もちろん若い人にもたくさん観てもらって、ラジオや演劇の楽しさを知ってもらえたらと思うけど(そういう作品だと捉えていた)、それこそご年配のラジオをよく聞いていたであろう方々にも観てもらいたいなと、思う。



音楽が欠かせないラジオ、タイトルにもある「音楽」が、めちゃくちゃええ。もう、ほんとに好き。もう、好っき。最の高。

このあたりの選曲は、完全におっさんに向かっていると思う。血が沸く、いや、血が踊るのだ。おっさんの身体中を音楽が駆けめぐる。

これらの曲を知らない若い人には、思いっきりこの音楽と出会っていただきたい。いやん、それまた最高。



 

別所さん扮する役どころがとっても素敵だ。

宮近君と高田君も成長著しく。

主軸になる二人、彼らの劇空間における成長と、現実の稽古場における成長が相まって、さらに愛着が増す。ますます増す。



少年、少女と大人達、音楽を通じての「出会い」の物語。

ぜひ楽しみにしていてください。



笑いの絶えない稽古場。

今日入れて、稽古はあと二回だ。


(うちのギンタ)

 

妻が作・演出する「荒れ野」豊橋公演が始まった。

早く観たいが、東京を離れられない。豊橋から北九州に行ったのちに、東京にやってくる。

「荒れ野」

https://www.toyohashi-at.jp/event/performance.php?id=390

演劇を観たことがない方にも、超オススメの作品だ。

東京での公演数は多いけど劇場は小さいので、たぶん、すぐ売り切れてしまう。KAKUTAファンは必見ですよ!!