二郎は鮨の夢を見る / 道を究めるプロの決断をした人達の物語。 | 食う、寝る、あるく

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ちょっと飛行機も。


カウンター10席、トイレも店外なのに6年連続三ツ星獲得。

かのジョエル・ロブションが「飛行機に乗ってでも食べに行きたい世界唯一の店」と言うほどの鮨店、銀座の「すきやばし次郎」。

ご主人の小野次郎さんは今年87歳で三ツ星店のシェフとしては勿論最高齢。

これは観て良かったです!(^^)


「握る時には9割5分出来上がっている」、とご主人が言われるように最高の食材を仕入れ、最高の仕事を施すところが見れたのは勿論良かったところです。

でも、それ以上に良かったと感じたのは、ご主人のプロ論とも言うべき姿勢や生き方が分かりやすくストレートに伝わってきたところ。

「仕事を好きにならなきゃダメ。あれがダメ、これがダメ、と言ってたら一生かけてもまともな事は出来ない。これと思ったら死に物狂いでやらなきゃ。そうすれば成功するし、立派な人間になれる。」

「嫌になったら帰ってきてもいい、なんていうバカな親がいるが、そんなバカな親が育てた子供なんかロクな奴にならない。」

仕事は勿論有り得ない程のプロフェッショナルですが、親としてもプロなんだな~、と感じる言葉でした。



文字通り、寝ても覚めても鮨の事ばかり「どうやったらもっと良くなるか」を考えているという姿勢、生き方が、7歳の時に「帰るところはない」と言われて家を出された次郎さんの決断を表していると感じました。

それを引き継いだ息子さんたちも登場。

特に長男の禎一さんのシーンは多いんですが、しっかりされていて二郎さんの考え方は間違って無かったということを堂々と証明しているようでした。


登場するお店の若い方々も当然ながら「鮨職人として生きる」事を決断された人達です。

鮨職人になろうと思った理由を聞かれて「カッコイイから」というピュアな答えにギクリ!

おそらく何でも出発点というか原点って「好き・嫌い」からなんじゃないか、と改めて気付かされました。

二郎さんはそこから「決めたらとことん好きになりなさい」と言っているだけ。

シンプルなんだけど忘れてしまいがちな事を、実践してきた結果という極上の説得力を持って語られてます。

それを聞くとやはり自分の事を反省してみたり、決意を新たにしてみたり・・・(-"-;A


もちろん、そういった人生論的な事だけでなくその他の内容も素晴らしかったです。

タコを柔らかくするために40分程もマッサージを行なったり、お米は釜で重い蓋の上にさらに重しを置いて圧力をかけて炊くなど恐るべき手間をかけて下ごしらえがなされていました。

さらに、全体的にとてもスタイリッシュな映像で、ドキュメンタリーにありがちな暗さや重さが無くとても見やすい点も良かったです。

BGMのクラシックも見易さに貢献していると感じました。

ところで今作と同じ2011年といえば同じく三ツ星レストラン「エル・ブリ」を扱った「エル・ブリの秘密」も有りましたが「二郎は鮨の夢を見る」の方が断然身近で分かりやすかったと思います。

というか、後半ご主人の握るシーンから次々とお鮨が紹介されていくんですが、美しすぎて感動してしまいました。

握り鮨を見て感動するなんて初めてです、ヽ`(~д~*)、ヽ`

「エル・ブリの秘密」は「へぇ~」というのは有りましたが感動まではしなかったように思いますf^_^;





当然ながら?これを観た後はお鮨が食べたくなってしまうのですが・・・




今はまだ回るとこくらいしか行けないので、いつか次郎に行く事を夢見て頑張ろうと思います(;^_^A

「nariは次郎の夢を見る」・・・ヨロシク




余談ですが先日「フライト」のプロモーションで来日したデンゼル・ワシントンが記者会見で「すきやばし次郎に行ってみたい」と言ってた事にもびっくりでしたf^_^;


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