パンケーキ症候群 | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の備忘録〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

パンケーキ症候群

 

美味しそうな病名です。

 

パンケーキが好きすぎて

毎食パンケーキを渇望する病気

・・・ではありません。

 

キャッチーな病名ですが

病気の本質は

 

経口ダニアナフィラキシー

です。

 

適切な管理に基づいて製品化された

外食産業や冷凍食品

ホットケーキ、たこ焼き、お好み焼き

では 基本的に

小麦アレルギーが起きることがあっても

パンケーキ症候群はおこることは

まず、ありません。

 

 

リスクが高まる 

今の季節

(高温多湿)

 

吸入性のダニアレルギーを持つ人

例えば

アトピー、喘息、アレルギー性鼻炎

などの人で、

ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ

アレルギーに陽性の人は

特に要注意です。

 

春頃に開封し、うっかり眠らせた

小麦粉製品の袋

とくに栄養価高めな

ホットケーキorパンケーキミックス、

お好み焼き粉、たこ焼き粉

あなたのお家にあった場合。

 

袋内でコナヒョウヒダニ

ヤケヒョウヒダニ異常増殖

している可能性があります。

 

捨てたほうがよいかも。

 

加熱するから、大丈夫でしょ?

・・・って、思いますよね。

 

加熱したらダニは死にます

加熱しても ダニのアレルゲンは

効力を発揮します。

 

(使い切り「たこ焼きミックス」で作成)

パンケーキ症候群リスク0(ゼロ

 

大量のダニが発生した粉で作られた

ホットケーキ、たこ焼き、お好み焼きは

危険な食べ物に変身してしまうのです。

 

ご家庭で これらのお料理をするときは

可能な限り「使い切る」

「使い切り製品を選ぶ」(割高でも)

ことを心がけけてくださいクローバー

 

パンケーキ症候群の症状は

殆どの場合、食べて30分以内

アナフィラキシー症状が出ます。

 

顔やからだが腫れてきたり

息がヒューヒューしたり

腹痛や嘔吐

・・・などの症状がでたら

 

慌てずに

救急外来受け入れ医療機関に

相談をして、治療を受けてください

 

ダニアレルギーの検査をしたことがなくて

パンケーキ症候群を疑う症状が出た場合

治療後、アレルギー検査を受けることを

おすすめします。