診察室あるある③ 「ヒルロイドください」 | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

 

「ヒルロイド ください」

 

 

「ヒルロイド」⇒「ヒルドイド®

「コロイド」「ロコロイド」⇒「ロコイド®

「モスラーテープ」⇒「モーラステープ®

 

 

 

愛すべき患者さんたちの、

密かに&かなりうれしい名(命名)の数々。

(これがほんとの®指定…?)

…ふと懐かしの昭和の香りが診察室に漂う瞬間です。

 

「パラシクロビル」⇒「バラシクロビル®

よくぞ!と思った迷名。

 

バラシクロビルvalaciclovir=val+aciclovir

はヘルペスの治療薬、アシクロビルaciclovirの

後に作られた、アシクロビルよりも効き目が高い薬。

「val」はラテン語のvalare(価値ある、強い)からの

命名(だと思う)、

だったら、「para」はギリシャ語でpara(超える)

という意味があるし、

”パラシクロビル”だって、全然アリでは?

…と個人的には思います。

 

鉛筆が、薬の名前はとっても大切!

1文字違うあるいは入れ変わると

思わぬ医療事故につながることもありますので

伝えたい薬の名前がわかるもの(お薬手帳、薬の実物など)

をぜひお持ちください。