クリスマスイブということで(全然関係ない)、十三の「やまもと」のねぎ焼食べて、シアターセブンで映画観てきました。
山下敦弘監督の「オーバー・フェンス」(2016)。
山下敦弘監督作、大体好きですが、「リンダリンダリンダ」と「味園ユニバース」が特に好き。
「オーバー・フェンス」も、それに並ぶくらい良かった。オダギリジョーの泣いた場面、個人的な経験と重なるからか、観終わって、じわじわ思い出される。
この「オーバー・フェンス」と、「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)、「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)は、同じ佐藤泰志の小説を原作とした、いわば三部作のようなもので、「オーバー・フェンス」が、その最終章にあたるのだそうです。
偶然かもしれないですが、三人とも大阪芸大出身なんですねえ。大阪人としてはそれだけでちょっとうれしかったりします。「そこのみにて……」も、良かった。特に菅田将暉が。ってこの間、忘年会で言ったら、先輩がすくっと立ち上がって、握手を求めてきた。激しく同意してくださいました(笑)菅田君大ブームの一瞬前だったんですよね~
話を戻して、「オーバー・フェンス」。言わずもがなかもしれないけど、主演のオダギリジョーと蒼井優の演技あってこそ、ですね。なかなか、演技が下手だともたない作品な気がします。さすがやなぁ。美男美女ですけど、それを感じさせないナチュラルなかっこ悪さ。
オダギリジョー演じる白岩の、一貫して笑ってごまかすキャラ、知り合いとそっくりで、あぁ、ダメな男の一つの典型かもと思っちゃいました。優しいんですけどねぇ。女を壊しちゃうんやなぁ……。
白岩は、妻子と別れ、大手の建設会社も辞めて、故郷・函館の職業訓練校に通う。その訓練校の友達に誘われて行ったキャバクラで、ホステスの聡(蒼井優)に出会う(正確にはその前に一度会ってますが)。
聡(←男みたいですが、サトシ)は、鳥の求愛ダンスをまねる、一風変わったキャラですが、そもそも蒼井優ちゃんダンスうまいからなぁ。
一緒に観ただんなちゃんがやけにはまって、珍しくプログラムをご購入。ありがたくわたしも読ませていただきました。
山下監督いわく、
「結構、出鱈目な映画だと思います。特に、空から白頭鷲の羽根が降ってくるあたりは。でも僕、すごく出鱈目がやりたくて」
羽根が降ってくるのは、よく考えるとおかしいんやけど、気にならなかったなぁ。白岩と聡の心情とリンクしてるから、違和感なかった。監督自身、続けて「映画って、もっともっと出鱈目なものなんじゃないか?」って言ってますが、そうですよね。二人の演技に説得力があるから、出鱈目が生きて作品の魅力になるんですよね。
違和感が一つあったとすれば、職業訓練校が、刑務所のような雰囲気で描かれてたところ。実際、そうなんですか?わたしはもっと普通と言ったらなんですが、普通の学校のようなところを想像してたので、意外でした。でも、たぶん実際もそうなのかなと思うのは、色んな事情を抱えた人たちが通ってて、それを演じる役者さんたちも、北村有起哉とか満島真之介とか、個性派が多くて楽しかった。
かっこ悪い二人がジタバタしたあげく、とってもポジティブなラスト。「オーバー・フェンス」ですからね
だんなちゃんは、しっかり励まされてました。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」と立て続けに観て、だんなちゃんは、「オーバー・フェンス」90点、「リップヴァンウィンクルの花嫁」75点だそうです。わたしは、その逆かな。男女の差でしょうか。
