「リップヴァンウィンクルの花嫁」 | なりあやの韓国シネマ留学記

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2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

最近は邦画もちょいちょい観てます。

 

岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016)。

 

 

劇場公開時に観られなくて、やっとDVDで。

 

かなり良かった。

いいという評判は聞いてましたが、岩井俊二監督作では、一番良かったぐらい。

全部観てるわけではないですが。

でも半分以上は観てるかな。

 

3時間もあるんですね。

それも知らずに観はじめて、途中でいったん止めざるを得ず。

そしたら続きが気になって気になって。

 

ここからネタバレありです。

 

なぜなら前半で、黒木華ちゃん演じる七海が結婚したかと思うと離婚に追いやられる。本人に非がないのに誤解されて。綾野剛演じる安室という変な兄ちゃんのせいで。新婚早々、七海は家で女性のピアスを見つけ、夫の浮気調査を安室に依頼する。そして逆に七海が浮気をしたかのような事態に陥れられるわけです。でも七海は安室が犯人だと気付いてない。えーっ、そんなのありか、黒木華ちゃんかわいそすぎるやん!と思ったところで、いったん止めて、仕事へ(笑)

 

この映画、おもしろいのは、すっごい悪いやつに見えてた安室が、実はすっごいいいやつなんじゃないかと思えてくる。そういえば、そういう伏線あったなと、思い出してくる。展開を知らずに観た方がいいです。上の離婚はまだほんの入り口で、本題に入る前なので、大丈夫。安室は、もちろん金もうけのためはあるけど、七海の結婚が幸せなものでないと見透かしている。別れた方が幸せぐらいに思ってる。

 

その安室の功績が感じられるのは、七海の声の大きさ。わたしの勝手な解釈ですが。最初は消え入るような小さな声だったのが、映画の後半では大きな声が出るようになってる。自信なく生きていた七海が、安室が投げかけたかなり変わった〝仕事〟を通して、生き生きと輝き始める。ある意味安室は人生の名プロデューサー……と言いたいけど、そうとも言い切れないぐらい、非情なところもある。割り切らせてくれないところが安室役の魅力。その真意の分からない、一見軽い男が、綾野剛ぴったり(´∀`)

 

今年は本業の演劇取材で黒木華ちゃん(「書く女」で樋口一葉役)インタビューしましたが、ゆっくり言葉を選びながら丁寧に話す姿勢に、誠実な人柄を見た気がしました。ちなみにこの樋口一葉役も良かった。そもそも舞台出身なんですよね。映画にドラマに活躍してるけど、ぜひ機会があれば生で舞台を観てください。よく通る声です。

 

黒木華、綾野剛、Coccoの三人とも、素晴らしいですね。これ以上ないなという絶妙なキャスティング。Coccoの演技ってあんまり見たことなかったけど、危うい感じ、にぎやかな裏に寂しさがよく出てて、AV女優の真白役そのものでした。

 

映像も音楽も美しく、3時間、浸れました。

ゆっくり、観てみてくださいまし♪