ラーメン二郎仙川店に行きました。
6月のことです。
平日の夕方に予定通り訪問チャンスが出来たので、2週間ぶりの二郎を味わいにやって参りました。
早い時間だったからなのか店頭に行列が無いどころか、店内カウンターにも割と空席が目立つような状況です。
即入店!と逸る気持ちを一旦落ち着かせ、人がいない状態で写真を撮ることが出来るチャンスだったので、ちょっとだけ足を止めてパチリとやってみるかな・・。
写真の立て看板に欠かれている持ち帰りラーメンは去年の5月くらいに購入した事がありました。
味の再現度(お店で食べている味わいに近い)が他の二郎各店に比べて高く、個人的に高評価なんです。
ただ当たり前ですが食器や鍋等の洗い物が多くなり、油と脂でそれなりに汚れてしまうので、最近は面倒くささが先に立ってしまい購入意欲が微妙にわかなかったり・・・。
そして現在の営業案内。
以前は23時過ぎまで営業してくれていてとてもありがたかったのですが、今の営業時間は当時に比べて半分に短縮された事になります。
政府が出す協力金の事は置いておいて、ラーメン二郎は薄利多売を絵に描いて額に入れた様なビジネスモデルなので、テイクアウトも捌いて行かないときっと売上・利益的にキツいのだろうなぁ。
さて、カバンから財布を取り出しながら入店します。
この日の僕は夕方に二郎のラーメンをお腹いっぱい食べるつもり満々で昼ごはんを思いっきり抜いてきたので、少なめラーメン(ハーフ)のボタンは選択候補には入りません。
豚入りも販売していましたが、さすがにお腹いっぱいになり過ぎるのもどうなのかな・・・と少しワガママに考えてそのボタンも選択候補から外しておきます。
結局は券売機の上段左右のボタンを候補からカットした事になり、真ん中に3枚あるスタンダードな小ラーメンの食券を購入しました。
給水機近くのカウンターに水を汲んでから着席。
自宅から持参してきた割り箸とレンゲのセットも用意します。
仙川店のラーメンをより一層楽しむ為の個人的マストアイテムであり、この準備状況(ランチを抜き早い時間にレンゲと割り箸まで持参する行動)から1杯のラーメンにかける僕の情熱と意気込み的なモノを感じ取って頂けますでしょうか。
若干鼻息が荒くなっていただろうな。と今更ながら想像します。
さて、気持ちを落ち着かせカウンターを見回してみると、ちょうど前ロットのお客さんにラーメンが提供された所で、次に作るロットに僕が含まれる事が分かりました。
ちなみにここで言うロットとは製造業の用語で「1つのまとまり」「単位量」みたいな意味になります。
例えば1回でラーメンを5杯一緒に作るのなら5杯が1ロットとなり、1ロット5杯、5杯ロットという呼び方になる感じです。説明おわり。
仙川店は駅至近のお店なので電車の到着と共にお客さんがまとまって来店する事が多いのですが、この時間帯は停車する電車が無かったのか後続客が来店しません。
何となく外の気配を伺っていた店主さんが1人分の麺を麺箱から取り出して茹で釜に投入しました。
おぉ、コレは僕1人だけのロットになるぞ。
いつも混んでいるラーメン二郎の各店で1杯ロットに巡り合うのは稀な事なのですが、仙川店では数回、良く行く桜台駅前店と三田本店でも店主さんによる1杯ロットを食べられた記憶があります。
1杯ロットだと醤油ダレやスープの分量の正確さ、麺上げのタイミングにもタイムラグが無いといった所を踏まえて、そのお店のラーメンの実力が1番出るのでは無いかと考えています。
工程の1つ1つをジーッと眺めていると何となくいつもより丁寧に作られているイメージで、麺上げ工程の後にトッピングコールを経て僕のラーメンが配膳されました。
小ラーメン700円+ニンニク少し+野菜+脂+カラメです。
何となく盛り付けも豪快さの中にチラホラ丁寧な感じが見え隠れしているような。
サイドビューは豚の存在感が目立つのとキャベツ含有率の高さと脂も具合もとても良そうです。
ちょっと目立たず見逃しそうになりますが、山の右の稜線はキャベツを境としてそこから裾野は麺になっていて、丼のフチよりも実は麺が盛り上がってるんじゃないのかな・・・。
とても食べがいのある1杯だと確信しつつ細部を見て行きます。
ニンニクはリクエスト通りに少しだけ。
1杯ロットできっとキッチリとコールを聞いてくれそうだったので、いつもの「全部」コールは止めて「ニンニク少し、野菜、脂、カラメ」とキチンとお願いしました。
店主さんがスプーンで少しだけすくい取って軽くポトッと投げ入れてくれているニンニクです。
スープは期待していたよりも若干ダシ感は控えめでしたが、スッキリ非乳化をベースとして豚や素材のダシがそれを追いかけてくるイメージです。
ここに脂やニンニクを混ぜ込んで行くと終盤に向かって徐々に旨みがアップして行くタイプのスープだなと認識。
滑り出しは悪くありません。
脂のトッピングは元中山店でヤクルトスワローズのTシャツを着ていた印象の強い男性助手さんの担当で、スープ寸胴からおたまで上澄みを掬ってテボざるで濾して投入してくれています。
仙川店の脂は野菜と一緒にドレッシング的な位置づけで食べても良し、麺に絡めて和え麺のように食べても良し、スープに溶かしこんでコクとパンチを与えても良し、そのまま甘さを感じつつ頬張っても良し。と万能アイテム的な存在感を放っていますが、身体には決して良くないというウィークポイントも合わせ持っているので、ほどほどにすることが大切。実践出来ていませんが。
そして豚。ドーンと2枚と言うか2個と言うか・・・2塊と表現するのが適切な気すらする腕肉で、ギュッと旨みが詰まった赤身と若干脂身も入っているというモノで仙川店では平均レベルより上のクラスにいると感じました。
ここまで事前に設定していた1杯ロットの期待感を裏切らない仕上がりです。
そしてこの後に食べる麺は安定のクオリティを誇るので、もうこのラーメンは「アタリ」の雰囲気しか持っていません。
天地返しもマイ割り箸&レンゲがあるのですこぶる順調に完了させることが出来ました。
野菜と豚が丼の底に回ったとは言え、この麺の盛り上がり方は結構激しいな。と。
もしも普段通りに昼ごはんをお腹いっぱいに食べていて、夕方のこの時間にこの麺量を眼前にしたとするならちょっと怯んでしまいそうです。
他店と比べても以前と比べても細くなったと感じるオーション麺は切刃の番手を上のにしたのか送り速度を上げたのか・・・そして、打ち粉のコーンスターチの影響なのか色が以前より白っぽくなったような。
ちなみにどのように製麺しているか(番手も速度も何回通すのかとか打ち粉にコーンスターチを使っているのかも含めて)全部想像で書いています。妄想みたいなモノなのでそっとしておいてください。
そんな二郎にしては細い麺を口いっぱいに頬張ってゴワゴワポキポキした固さと歯応えを感じながら、脂やニンニクが撹拌されたスープや甘い固形脂とのマリアージュを楽しんで行きます。
普段なら回りを見ながらペースを若干調整しながら食べ進めて行くのですが、1人ロットで席に余裕があるのでマイペースで食べて行けるのも最高。
自分で最適だと思えるペースでズバズバと尻上がりに仕上がって行くイメージのラーメンを啜り続けて、やっぱり全体量多くて満腹以上になってしまうかな・・・と思い始めた所で完食となりました。
いやー、旨かったし量も満足だし言うことないなぁ。と心の中で感想をつぶやきながら持参したレンゲと割り箸を忘れないようにジップロックにしまいこみました。
丼を上げて少しだけぶっきらぼうな店主さんと助手さんにご馳走さまでしたと感謝の気持ちをマスク越しに小声で伝えて退店。
電車のタイミングもあるのか皆さんが仙川店のラーメンの旨さに気付き始めたのか、お店を出て線路の反対側に渡った頃には店頭に行列が出来ていました。
いいぞいいぞ。
食休みも兼ねてこのアングルでお店と線路を眺めていたら、電車と一緒に写真におさめてみたいなと思い始め、通過する電車が来るまで引き続き待機することにしました。
あ、全然ダメでした。コチラは次回覚えていれば再挑戦してみたいと思っています。