都内某所にある豪邸と隠れ家的な焼肉店に行きました。
平日の夕方のことです。
この日は久しぶりにU様に「焼肉を食べに行きましょう」とのお誘いを受けて、千代田区と最近では港区でも魂を込めた麺を打っている職人さんと同行させて頂きました。
時系列は思いっきり前後するのですが、話はU様の要塞のような豪邸のエントランスからスタートします。
1階のガレージで僕らをお迎えしてくれるのは、世界100台限定(日本に7〜8台)のランボルギーニ社創業50周年限定車であるアヴェンタドール・アニヴェルセリオ(奥)と720馬力の公道レーシングカーであるマクラーレン・720S(手前)の2台のスーパースポーツカー。
2台とも独特な呼び名のドアを持っていて、ランボルギーニがシザードアでマクラーレンがバタフライドア。ガルウィングではありません。
本来ならもう1台ここにV8ツインターボ500馬力の4人乗りスーパーファミリーカーのポルシェ・パナメーラターボが鎮座しているのですが、車屋さんに車検関連で預けているとのことで、本日はそのご尊顔を拝することが出来ませんでした。
なお、パナメーラターボは今回が最後の車検になる予定で、その理由としてはU様がやっと欲しいと思えるクルマ(この場合はファミリー用として)が約2年後に発売されるからだそう。
興味津々でその車種を尋ねてみるとメルセデスAMG GT73・・・。
メルセデス・ベンツの4ドアクーペのフラッグシップモデルという事までは知っているのですが、搭載するエンジンは7.3リッターV12気筒かとばかり思っていました。
しかし、今のメルセデスは車種の数字と排気量が一致していなくて、GT73は4.0リッターV8ツインターボ+ハイブリッドで800馬力以上のスペックを持つそうな。
まだ発売もされていませんが、早くこのガレージにドーンと鎮座するお姿を見て、出来ればベタベタ触りまくりたいものです。
そして一通り世界最高峰の工業製品の素晴らしさに触れた後はスタイリッシュな螺旋階段を上り、見目麗しい奥様がいらっしゃる2階の広大なLDKへ。
空間把握能力が少しエラーを起こしてしまうレベルの広さに毎回驚きます。
ウェルカムドリンクはドン・ペリニヨンヴィンテージ2010。
10年寝かせてから2020年から満を持して発売されたというドン・ペリニヨンの中の新ヴィンテージライン。
麺打ち職人さんはシャンパンも開け慣れているので、カッコ良くスマートに音も無くコルクを開栓して上手に注いでくれます。
もう1本僕も音が出ないように開栓しようとしたのですが、見事に「ポンッ」とパーティー感覚溢れるいい音をさせてしまいました。
コレはちょっとコツがいるんだな・・・と思った次第ですが、今後もあまり勉強と実践をする機会が無さそうな気もします。
そしてその後しばらくしてからご用意して頂いたのはレミーマルタン ルイ13世。
世界の高級酒の代名詞とも言われる超高級ブランデー(コニャック)をバカラのクリスタルグラスでクイックイッと頂きました。
最終的に麺打ち職人さんはほぼ通常運転でこんな感じになって行った(ココが時系列で言うとラストシーンです)のですが、ここで時間をググっと巻き戻してU様が連れて行ってくれた隠れ家的な焼肉店へ場面は変わります。
例によって都内某所にあるとしか言えないU様行きつけのお店です。
炭火では無く吸気も完璧なロースターを使用するので焼き加減を細かく調整出来るのと服に匂いが付かない所が利点です。
そして遅ればせながら最近のU様のご様子を少しご紹介。
装飾品はイタリアの高級ジュエリー「ダミアーニ」のベルエポックが特にお気に入りなのだそうで、サイズ違いの4個のクロスが眩く首元に煌めいていました。
総額がどれだけするのか分かりませんが、これだけダイヤモンドが散りばめられている十字架が4個もあれば、並大抵の悪霊はやって来られないだろうなと思ったり。
そしてダミアーニに合わせられている服はDIESELのハイラインであるブラックゴールドでほぼ全身コーディネートされています。
不勉強であまり知らなかったのですが、DIESELブラックゴールドで年間100万円とかそれ以上購入する方だけが入手できるVIP専用ブラックカードを何年にも渡りU様はお持ちになられています。
VIP専用のセールがあったりお店側からのおもてなしの数々については全く知らない世界の話なので興味深く聞かせて頂きました。
そして我らが麺打ち職人さんもダミアーニとDIESELブラックゴールドとロレックスとでバッチリキメておられます。
また、U様のプライベートを伺うとご令嬢が海外の超有名大学に間もなく留学されることと、ご自身の身体を健康的に保つメンテの為に上の写真の金額をかけられた事などをお話をしてくださいました。
メンテの内容もさることながらちょっとしたクルマが買えるくらいの金額をダイナースクラブカードで一括払いってのがスゴいな。
そんな普段聞くことが無いような次元のお話を興味深く伺っているとお肉が到着。
さてここからは舌と脳をフル回転させながら食べて行きましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210814/22/narcy-jiro/be/98/j/o1080060714986894199.jpg?caw=800)
まずは超がつくほど新鮮なレバー。
四角く芯の部分だけカットされているのは庶民の感覚で勿体ない気がしてしまうのですが、ねっとりとした口当たりと微塵の臭みも感じないモノで一言で言い表すと「超上質」です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210814/22/narcy-jiro/fa/cf/j/o1080060714986894201.jpg?caw=800)
そしてユッケ。何やらこのお店は難易度の高い厚生労働省から公認を受けて黒毛和牛のユッケを提供しているとのことで、遠慮なく黄身と絡めた最高の状態で頂きました。
このサシの入りまくった黒毛和牛をユッケにしてしまうのも若干勿体ない気もして「ちょっとコレ焼いてみたいな・・」と思ったりもしましたが、脂の旨さに箸が止まらずにパクパクと早いタイミングで口に運び続けていたら結構量もあったのにスルリとお皿の上から無くなってしまいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210814/22/narcy-jiro/82/54/j/o1080060714986894204.jpg?caw=800)
続いてタン。注文は全部U様がされていますが「特選」という接頭語は全て省略されているのだと思います。
お店の人も全部「特選」の更にU様に出すべき部位を選んで持って来ているハズ。
メニューも何にも見ていないから詳細は分かりませんがきっとそうなのでしょう。
そして配膳される全ての肉がそうなのですが、見た瞬間に旨い事がハッキリと分かって、それを確かめる為に焼いて食べるという行動をしているような気すらしてきました。
(食べるとその想像の2段階上を行くくらい旨い)
ロースターの上のタン。
なるべく焼かないで食べてみたい欲がフツフツと心の中に湧き上がりますが、ココは焼肉のセオリー通り片面を表面の水分が抜けて端が反り上がったあたりまで焼いてすぐさまひっくり返します。
あ、スゴく良い感じ。
後は好みの所でタンの持つ心地よい弾力と歯応えと旨味をしっかり味わいながら頂きました。レモンをかけるのが勿体ないくらいです。
お次は殆ど細かい脂で白く見えているカルビ。
ひょっとしたらサーロインのような気もしないでも無いですが、おそらく特選カルビだと思います。
コレはサッと炙るくらいで十分です。
甘い脂がしたたってピンク色が残る感じのレアな状態のを、眼を閉じて恍惚とした表情を浮かべながらウンウン頷きながらパクっと頂きました。
多分回りから見たら相当キモチ悪い顔をしていたんだろうなと想像します。
四角くカットされたハツ。芝浦市場から毎日新鮮で高品質な部位を仕入れているんだそう。
ハツは火を弱くして全体的に色が変わるくらいまでじんわり焼いて行くのが焼肉の定石らしいです。
ピントが思いっきり合っていませんがマスタードを乗せて食べるのがとても良かった。
そしてロース。
コレはもう出来るだけ生で食べたい。いわゆる「秒殺ロース」です。
網の上に乗せたロースを肉食動物の鋭い眼光で見つめて、1番良いと思えるタイミングでサッと箸で網からつまみ上げます。
このあたりは焼肉マイスターである麺打ち職人さんのアドバイスに従えば完璧なんです。
あぁ、もうコレくらいがベストでしょう。
この瞬間はお招き頂いているのに全く言葉を発することなくひたすらロースを焼くのに集中し過ぎるくらい没頭していました。
口の中に入れるとレア加減の肉質と上質なとろけるような食感の脂が混じり合って、これまた眼を閉じてウンウン頷きながら食べる感じに。
傍から見ると相当キモチ悪い感じにまたなっていたと思います。
ランプ。この肉も脂のサシの主張がめちゃくちゃ良いなぁ。
すき焼きのように卵黄に絡めて歯が要らないくらいの柔らかさの肉を飲むように食べてしまいました。
ホルモン部門ではシマチョウを。
シマチョウは下処理が難しくシマチョウが旨い焼肉屋さんはどのお肉を食べても旨いという法則があるのですが、このお店のシマチョウは完璧レベルで程よい脂と独特の食感を味わえました。
〆は冷麺の麺3分の1で。
麺打ち職人さんの師匠は麺減量リクエスト(麺少なめとか半分とか)が通りにくい傾向があったりしますがこのお店はバッチリ3分の1になっていました。
ゴムゴムした弾力を持つ透き通った麺はタピオカでも練り込まれているのでしょうか。調べていないので分かりませんがサッパリとしたスープにこの食感の麺が良くマッチしていてズルズルっと一気に完食となりました。
いやー、何から何まで超絶旨かった。さすがU様が行きつけにしているお店だけあるなぁ。
普段食べられないようなお店にご招待頂き本当にありがとうございました。ご馳走さまでした。とU様にお礼を伝えたところ「家にも寄って行ってください」とありがたいお言葉を頂いて話は冒頭の写真に戻るワケです。
麺打ちの職人さんがマクラーレンに乗って帰るのなら僕はランボルギーニに乗って帰るしかないな。なんて妄想しながら2階へと続くスタイリッシュな螺旋階段を上っていったのでした。