前川ラーメンとチャモロに行きました。
4月末の土曜日のことです。
前川ラーメンという老舗がこの日を持って閉店するという情報を知ったのが約2週間前くらいでした。
お店は恵比寿にあって、約50年の歴史に幕を下ろすという。
同じく恵比寿にあった老舗ラーメン店では、昼間2時間ちょっとしか営業せず、とんかつを味噌ラーメンの上に乗せるメニューが有名だった「らーめん山田」というお店があったのですが、店主さんの逝去に伴い数年前に閉店してしまいました。
らーめん山田にも最後の頃に縁あって行くことが出来て、今回の前川ラーメンにも最終日ですが行くことが出来ました。
11時開店でどれだけ混むか分からないので、勢い余って開店50分くらい前に到着。
するとすでにお店の入口は解放されていて、渋い色合いの暖簾も店頭にかかっています。
どうも開店1時間前くらいにお店を開けてくれていたみたいで、店内には常連さんとおぼしきお客さんが3名ほど。
最初で最後の訪問となってしまいました。味わって食べよう。
このお店が開店した昭和43年というと1968年。少し調べてみると………東京オリンピックも終わり戦後の高度成長期の末期に近い頃で内閣総理大臣は佐藤栄作。
この年を起点として学生運動が激化して行く頃でもあります。12月には府中で昭和の未解決大事件と呼ばれる3億円事件が起きています。
僕はもちろん生まれていませんが、まだまだきっと日本がエネルギーに満ち溢れていた頃なのでしょう。
その頃からラーメンを作り続けバブル時代を経て昭和の終わりをその眼で見て、平成が終わりを告げる頃にそっとお店は歴史を閉じる。
カウンターに座りそんな時代を過ごした年期の入った店内を何となく見回します。
スゴくきれいな字で書かれた献立表。
頼むオーダーはサッポロ麺類の味噌ラーメン520円と炒飯590円です。
厨房の中は年輩のご夫婦。淡々と作業をされている感じですが、食べ終わったお客さん(常連さんなのでしょう)に対して「いつもありがとうございました。」って丁寧に挨拶されていたのが印象的でした。
やがて僕のラーメンと炒飯が到着。
味噌ラーメン520円+炒飯590円です。
派手さはありませんが、黄色い麺が実に「札幌味噌ラーメン」しています。
見た感じオーソドックスなビジュアルで、具材はチャーシュー、ネギ、玉子、ナルト……かな。
どの具材も細かく刻まれています。
基本的にパラパラしていますが意外としっとりもしているという塩梅で、味付けは化学調味料の旨味とかも感じて、言うならば頭にイメージしている「シンプルな旨いチャーハンの味」が直球で来る感じ。
付け合わせのスープも薄味ながらしみじみ旨い。
全部キレイに食べて、ご夫婦にきちんとご馳走さまでした。と伝えてちょっと寂しい気持ちを抱きつつお店を出ました。
立ち退きによる閉店なので、立ち退き料を退職金代わりとして、今後はご夫婦揃って身体を休めつつ元気に過ごして頂ければ良いな。と思います。
最後に旨いラーメンとチャーハンご馳走さまでした。
満足して恵比寿駅に向かいましたが、どうしても気になるお店があって、せっかくならばソコも寄って行こうと。
お店の名前は「チャモロ」といって駅からは比較的近いのですが、地下にある為に目立ちません。
でも、昼時は結構な行列が出来ているので、その存在はだいぶ前から知っていて、このオムライスの有名店にいつか来たいな。と思っていたのです。
この日はだいぶ早い時間に前川ラーメンを食べることが出来たので、ついでと言っては何ですが開店前に並んでしまおう。と。
列に並ぶ前に地下まで降りて名前を記入して並ぶという方式で、僕の順番では開店と同時に入店することは出来ませんでした。
女性グループやカップルが多く、食後にドリンクも付くので回転は遅め。こればっかりはしょうがない。
やがて相席ですがテーブル席に通されました。
頼むオーダーは看板メニューの「やわらか厚切り牛タンオムライス1500円」です。
店内のお客さんの殆どが、このメニューをオーダーしていました。
もう名前からして絶対に旨いんだろうな。と思わせます。楽しみ。
店内は狭めで4人がけのテーブルと2人がけのテーブルがいくつかあって、全部足しても20人は入らないぐらいです。
ちょっとバーっぽくもありますが、カウンターが無いし喫茶店という造りなのかな。照明は暗めです。
まずサラダと味噌汁が運ばれてきて、その後にメインのオムライスが到着。
食後にはコーヒーか烏龍茶(ホットorアイス)を選べるのでアイスコーヒーを。
これだけの質と量で1500円は相当安いと思います。
とても満足して会計を払い、店員さん(恐らく奥様)にしっかりとお礼を言って、地下のお店を出たのでした。
ご馳走さまでした。