昨日いよいよ幕をあけました
この作品の上演を知ったのは今年の春
何気なく見ていたミュージカル座のホームページででした
その時感じた、この作品への運命的な直感を今でも覚えています
何ヶ月後かに偶然頂いたオーディションのお話
そして10年ぶりのM座の稽古場でこの日に向けて強い風に吹かれるように流れていった２ヶ月間
自分にとって未知だったアイヌの世界は
自分の心で芽を息吹き深い森になっていくアイヌモシリ（命の大地）のように広がり
気がつけば心の中はこの夏、毎日カムイの風で満たされていました
この時代だからこそ一人でも多くの方にアイヌの世界に興味をもって頂きたい。
そして現在もロシアと日本の領土問題という歴史の風に翻弄され続けている国後という島で
かつてどちらの民族でもない
自然と人を愛し、誇り高く生きたアイヌと呼ばれる人びとがどんな想いを胸に暮らしていたのかを知って頂きたい
この作品を通して広がる願いは日々深いものになっていきます
アイヌでは民族は違えど親しい隣人を「シサム」と呼ぶそうです
自分はこの作品で和人と呼ばれる日本人
もしこの作品をアイヌの方がご覧になったらどんな感想をお持ちになるのか
自分はいつかシサムと呼んでもらえるのか？
答えは簡単にはでませんが
「昔こんな史実があった」以上の何かをお客様に持ち帰っていただきたい
そんな想いを胸に
明日からあと３回
アッケシ惣オトナ、イトコイとして魂込めて務めさせて頂きます
