『全国温泉人気20湯』 第8回 登別温泉・有馬温泉 | 奈良の鹿たち

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『全国温泉人気20湯』 

第8回

          ● (6位) 登別温泉(のぼりべつ おんせん)

          ● (5位) 有馬温泉 (ありま おんせん)

観光経済新聞社主催 「第37回(2023年度)にっぽんの温泉100選」

100選一覧はイントロページに

 

●(6位) 登別温泉(のぼりべつ おんせん)

 

登別温泉は、北海道登別市にある温泉。豊富な湯量と泉質に恵まれ、、北海道では名・実ともにNo.1温泉郷です。

登別温泉といえば乳白色のにごり湯の硫黄泉が有名ですが、宿泊施設ごとに引いている泉質が異なります。
登別温泉のいたるところから源泉が沸いています。その多くは約1万年前の火山活動により生じた地獄谷からの湧出です。

登別の語源はアイヌ語の「ヌプル・ペツ」(水色の濃い川)に由来しています。

 

(泉質)

自然湧出量は1日1万t、毎分3,000ℓ湧き出している。9種類もの泉質があるため「温泉のデパート」と呼ばれている。乳白色の硫黄泉に浸かり、鉄泉で体を癒し、湯冷めしにくい食塩泉を愉しむ泉質の多さが特徴です。中でも地獄谷は登別温泉最大の源泉エリアになっている。

・硫黄泉 ・食塩泉(塩化物泉) ・明礬泉(含アルミニウム泉) ・芒硝泉(硫酸塩泉)

・緑礬泉(含アルミニウム泉)  ・鉄泉(含鉄泉) ・酸性鉄泉 ・重曹泉 ・ラジウム泉

 

(温泉街)

登別駅から約6kmの距離に位置しています。太平洋に流れ込む登別川の支流=クスリサンベツ川(アイヌ語で“薬湯の川”の意)の谷合に沿って広がる温泉街(極楽通り)は現代的なホテルや和風旅館、土産物屋が数多く並んでいます。

 

(歴史)

大昔はアイヌの人々が温泉を薬湯として重宝していたといわれます。江戸時代末期から温泉の存在が知られており、最上徳内や松浦武四郎も立ち寄っていました。明治時代に温泉宿が設けられてからは保養地・観光地となりました。その後、徒歩から馬車へ、馬車から汽車、電車へと交通の整備が進むとともに、訪れる人の数は増え、現在では毎年、300万人以上の観光客が国内外から訪れています。

 

(名所)

・地獄谷

日和山の噴火によって生じた爆裂火口跡。地表には小さな火口や噴気孔、湧出孔があり、ガスと高温の温泉が湧き出している。観光用の遊歩道も設けられており、大湯沼までの遊歩道も整備している。

・大正地獄

大正時代に起こった小規模な爆発で生じた湯沼。間欠泉であり、湯量が減少するときに地鳴りとともに湯の色が変化する。2016年(平成28年)11月5日には高さ10mほどに達する湯泥噴出が発生した。

・日和山

標高377mの活火山であり、現在も山頂から湯気を上げている。日和山の噴火で、足元に大湯沼ができた。

・大湯沼

周囲1km、深さ22mの湯沼であり、日和山の噴火によって生じた。湯の表面温度は約40〜50℃であるが、深いところでは約130℃ある。

・奥の湯

日和山の爆裂火口跡の一部であり、約80℃の灰色の硫化水素泉が湧き出している。

・大湯沼川天然足湯

大湯沼から流れ出した温泉が大湯沼川に流れ込み、天然の足湯を楽しむことができる。

・クマ牧場

登別温泉街からロープウェイで約7分、登別温泉街の南東にそびえる四方嶺の山頂にあり、個性豊かなエゾヒグマが食べたり遊んだり、のびのびと暮らしています。大人のクマにはエサやり体験ができる。

 

(アクセス)

●JR登別駅から道南バス登別温泉行きで約15分、「登別温泉バスターミナル」下車
●車:道央道登別東ICから道道2号・350号経由 約10分
●車:新千歳空港から約1時間

 

● (5位) 有馬温泉 (ありま おんせん)

有馬温泉は、兵庫県神戸市北区有馬町(摂津国)にある日本三古湯(白浜温泉、別府温泉)の温泉。

大阪から車で約60分、神戸の中心街から約30分の六甲の自然に囲まれた場所にある関西の奥座敷。

褐色の名物湯「金泉」と、無色透明な「銀泉」の異なる泉質を持つ湯が楽しめます。

 

(泉質)

この地域は活断層である有馬-高槻構造線が分布しており、透水性の高い断層破砕帯を流路として温泉水が噴出しています。東西走向の断層からは低温泉、南北走向の断層からは高温が噴出しています。

鉄分と塩分を含むため、湧出口では透明ですが、空気に触れると褐色になる温泉は「金泉(きんせん)」、それ以外の透明な温泉は「銀泉(ぎんせん)」と呼ばれています。銀泉は泉源により成分は若干異なるが、炭酸水素塩泉と、ラジウムを多く含む放射能泉に大別されています。

周辺に火山のない有馬温泉の熱水の起源は、遠く太平洋海底下でフィリピン海プレートの岩石中に取り込まれた水が、地中深くへ運ばれ、地中の圧力によって岩石中から脱水し、上部マントルや地殻の中を上昇して、地表へ直接噴出したものとされています。

天水系のラドン泉は、雨水を起源とする地下水で、湧出母岩である六甲花崗岩の影響を受けて放射能泉となっています。

深部上昇水は地殻内で低温となると炭素を失って塩化物泉(金泉)となり、炭素は天水系の地下水が捕獲することで炭酸泉(銀泉)となります。

・金泉:含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉 鉄分が多いため、タオルにかけ続けると赤褐色に染まる。

・銀泉:炭酸ラジウム混合低温泉。

 

(温泉街)

温泉街は六甲山地北側の紅葉谷の麓の山峡の標高350~500mに位置しています。

公的な外湯は「金の湯」(金泉)、「銀の湯」(銀泉)があります。

2010年(平成22年)から会員制リゾートが進出したことで、ホテル・旅館の総客室数が1,300室から1,600室へと2割以上増加しました。

 

(歴史)

室町時代には草津温泉や下呂温泉とともに「日本三名泉」とよばれました。江戸時代の温泉番付では、当時の最高位である西大関に格付けされていました。

 

(アクセス)

有馬温泉駅(神戸電鉄有馬線または六甲有馬ロープウェー)

  

 

 

 

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次回は、第9回「別府温泉・道後温泉」

 

 

(担当 G)

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