『全国温泉人気20湯』 第7回 箱根温泉・指宿温泉 | 奈良の鹿たち

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『全国温泉人気20湯』 

第7回

          ● (8位) 箱根温泉(はこね おんせん)

          ● (7位) 指宿温泉 (いぶすき おんせん)

観光経済新聞社主催 「第37回(2023年度)にっぽんの温泉100選」

100選一覧はイントロページに

 

●(8位) 箱根温泉(はこね おんせん)

箱根温泉は、神奈川県足柄下郡箱根町にある、温泉の総称です。付近は富士箱根伊豆国立公園に指定されています。箱根火山の麓から中腹まで、温泉街が点在しています。

自然に湧出する温泉が少ないので一定の量を供給するのが大変難しく、大涌谷で噴出する蒸気に、地下から汲み上げた水を流し込むことによって出来る温泉は、各旅館にパイプを通して送られています。

源泉の大涌谷

(歴史)

箱根温泉が知られるようになったのは、豊臣秀吉の小田原征伐がきっかけでした。

江戸時代には五街道の1つである東海道に沿った温泉として繁栄し、「箱根七湯」として知られていました。徳川家光、徳川綱吉の時代には、将軍への献上湯も度々行われていました。

明治以後、箱根は保養地、観光地としての開発が進みました。1919年には箱根登山電車が山上まで達し、さらに太平洋戦争終戦後まもなく小田急電鉄が箱根湯本駅まで乗り入れ、東京方面からのアクセスが便利になりました。

 

箱根七湯

・箱根湯本温泉(はこねゆもとおんせん)

箱根七湯の中でもっとも古い温泉であり、源泉数、宿泊施設数ともに箱根の中では最も多く箱根温泉の中心的存在。また、箱根湯本駅は、小田急ロマンスカー、箱根登山鉄道、箱根登山バス等の交通機関が集まる駅であり、箱根の玄関口としての大きな役割を担っている。泉質は単純泉・アルカリ性単純泉で、泉温は23〜77℃。湧出量は毎分4,679L。

・塔之沢温泉(とうのさわおんせん)

標高130m。湯坂山と塔の峰の間の峡谷に位置している。小田急箱根塔ノ沢駅が最寄り駅。泉質は単純泉・アルカリ性単純泉で、泉温は38〜63℃。湧出量は毎分793L。

・宮ノ下温泉(みやのしたおんせん)

富士屋ホテル

明治11年(1878)に開業された「富士屋ホテル」は、当時、外国人専用であり国際観光地箱根と称された。現在でも当時の重厚な雰囲気をそのまま残しており、箱根のシンボルの一つになっている。小田急箱根宮ノ下駅が最寄り駅である。泉質は、ナトリウム・塩化物泉で、泉温は24〜96℃。湧出量は毎分1,999L。

・底倉温泉(そこくらおんせん)

標高440m。早川と蛇骨川が合流する渓谷の上に位置している。泉質は、ナトリウム・塩化物泉で、泉温は27〜95℃。湧出量は毎分1,020L。

・堂ヶ島温泉(どうがしまおんせん)

標高350m。宮ノ下付近の国道1号から早川渓谷へと下った谷底に湧出している。松本清張作『蒼い描点』の舞台としても知られている。現在ある2軒の宿では、それぞれ私設のモノレール式ケーブルカー、ロープウェイを利用する。泉質は、ナトリウム・塩化物泉で、泉温は56〜81℃。湧出量は毎分361L。

・木賀温泉(きがおんせん)

標高440メートル。箱根七湯の中で2番目に長い歴史を持つ。2022年現在では木賀温泉の源泉を使用した宿や保養所がいくつか存在する。泉質は単純泉・アルカリ性単純泉・塩化物泉で、泉温は20〜80℃で、湧出量は毎分605L。

・芦之湯温泉(あしのゆおんせん)

標高870mと箱根七湯の中では最も高い所にある。その賑わいぶりは歌川広重や鳥居清長の浮世絵にも描かれています。泉質は単純硫黄泉ながら、コロイド硫黄のアルカリ性のお湯で、硫黄系の濁り湯としては珍しい泉質である。泉温は26〜84℃で、湧出量は毎分319L。

 

 

● (7位) 指宿温泉 (いぶすき おんせん)

 

 

指宿温泉は、鹿児島県指宿市東部(旧国薩摩国)にある砂蒸しで有名な摺ヶ浜温泉(すりがはまおんせん)、弥次ヶ湯温泉、二月田温泉などの温泉群の総称。2003年において91万人の宿泊客を集めていました。(2013年では76万人の宿泊客、コロナ後の2022年では39万人の宿泊者数)

(泉質)

泉質はナトリウム-塩化物泉ですが、地域や掘削深度によって塩分濃度や微量成分が異なります。

効能は切り傷、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症。指宿温泉のお湯には「メタケイ酸」という天然の保湿成分が豊富に含まれており、美肌の湯でもあります。

活動泉源は約500カ所。一日あたりの総湧出量は約12万t。湧出温度は50~60℃が多いが、100℃に達するものもあります。温泉の水源は池田湖や鰻池に溜まった雨水と鹿児島湾からの海水が地下で混合したものであり、熱源は阿多カルデラに関連したマグマであると考えられています。

(歴史)

江戸時代以前は高温の温泉や噴気口が点在する湿原であり危険な場所とされていたが、江戸時代にはすでに砂むし湯治として利用されていました。当時は自然に湧出する泉源を利用するのみでしたが、地面を数m掘削することにより容易に温泉が得られることから広範囲にわたって開発が進められました。1957年(昭和32年)に地下200-300mの新たな温泉地層が発見され利用されるようになりました。

高度経済成長以降、大規模なホテルが建設されるなど観光地としての開発が進み、日本国内および海外から多くの観光客が訪れるようになりました。

(アクセス)

JR指宿駅

・JR鹿児島中央駅から指宿枕崎線で約1時間。鹿児島空港から直行バスで約1時間35分。

・九州自動車道鹿児島インターチェンジより指宿スカイラインへ進み、谷山インターチェンジから国道225号線・国道226号線を経由。

 

摺ヶ浜温泉(すりがはまおんせん)

摺ヶ浜温泉は、指宿駅南東の海岸沿いにある温泉。長さ約1kmの砂浜に温泉で加熱された高温部があり、砂むしの名所として知られています。砂むしとは、浴衣を着て適度な温度になるように攪拌された砂に埋まって温まる入浴方法です。

砂むしは海岸沿いの宿泊施設のほか、海浜で行うこともできるが、1978年(昭和53年)に建設された公営砂むし会館においては雨でも入浴できます。砂浜は台風などによってたびたび侵食され、砂むし浴場への影響も心配されたため砂の動きを抑制する堤防が設置されています。

(泉質)

湧出温度82℃のナトリウム塩化物泉。

効能は神経痛やリウマチ、糖尿病、アトピー、肥満など、健康や美容に関して様々な面に効き目があると言われてきました。

砂むし温泉の効果は普通の温泉の3~4倍あるそうです。砂むし温泉は寝て入るため血液が心臓に還流しやすく、砂の重みによる圧力で心臓から送り出される血液の量が増加するそうです。また、55℃前後の高温により血管が拡張され、全身の還流を促進する作用があるとのこと。こうした相乗効果により、わずか10分程度の砂浴で、どす黒い血液が鮮やかな赤に変わるなど、毒だし効果が見られる報告がなされています。

 

 

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次回は、第8回「登別温泉・有馬温泉」

 

 

(担当 G)

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