『古墳』第9回 双円墳・双方墳 | 奈良の鹿たち

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『古墳』

第9回 

「双円墳・双方墳」

(そうえんふん・そうほうふん)

 

双円墳(そうえんふん)

 

形は大きい円と小さい円が瓢箪(ひょうたん)のようにくっついた形。

古墳終末にあらわれた形。被葬者は、皇族関係者とみられます。

明確な双円墳は大阪の金山古墳のみの珍しい古墳。

金山古墳(かなやまこふん)(大阪府河南町)

墳形は双円形という特異なもので、北西-南東方向に円墳2基が並列して連接される。

墳丘長:85.8m

北丘 - 2段築成。 直径:38.6m、高さ:6.8m。

南丘 - 3段築成。 直径:55.4m、高さ:9.4m。

古墳時代後期-終末期の6世紀末~7世紀初頭頃の築造と推定される。ちょうど前方後円墳がつくられなくなるころの古墳になる。

墳丘周囲には深さ1.4mの双円形の周濠が巡らされており、周濠を含めた古墳総長は104m。

南丘と北丘のそれぞれ各段の間と墳頂の平坦部には石が敷かれていた。

1段目で南北の墳丘が繋がっており、両墳丘を行き来できる。

 

双方墳 (そうほうふん)

方墳2基をつなぎ合わせた形状をしています。

古墳終末期に現われた形。やはり被葬者は、皇族関係者とみられます。

明確な双方墳は大阪の二子塚古墳のみの珍しい古墳。

二子塚古墳(ふたごづかこふん)(大阪府太子町)

7世紀後半築造。

墳丘の全長は約66m。

2基の方形の墳丘が西南方から東北方にわたって並列する。

一辺約25mの方墳2基が並列して接続している。

それぞれの墳丘に東南に開口する横穴式石室があり、いずれも石棺が納められている。

小型になった横穴式石室、造りの退化したかまぼこ型の石棺など、古墳末期の姿を示している。

昭和31年11月に国史跡に指定された。

 

 

 

   

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次回は 第10回「上円下方墳」

 

 

(担当H)

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