『北前船』
第12回
「北前船」で栄えた湊町⑤
瀬戸内・大坂
「北前船」で栄えた港町で瀬戸内では、山口県の下関・三田尻・室積、広島県の竹原・鞆の浦、岡山県の下津井・日比、兵庫県の室津・高砂・兵庫、徳島県の徳島が代表的な寄港地でした。
瀬戸内では下りは米・塩・生活用品などを積み込むために寄港し、上りは蝦夷海産物を売るために寄港しました。
(山口)
●室積(むろづみ):長州藩が港湾整備。干鰯の生産出荷(鰯の不良で港も衰退する)。
●上関(かみのせき):長崎・加賀・江戸などとの取引会所。荷物検査・海上警備の番所。
(広島)
●御手洗(みたらい)(大崎下島):航路に便利な寄港地として繁栄。西国無双の湊。遊女が人口の2割。
●瀬戸田(生口島):塩・サツマイモの生産と蝦夷への出荷で繁栄。
●椋浦(むくのうら)(因島):多数の千石船を抱えた基地。
●竹原:竹原塩の生産と販売(竹鶴家 塩と酒)。中型船で幅広く商売。
●忠海(ただのうみ):蔵米移出湊。整備された湊で栄える。
●尾道:石見銀山の積出港。中国山地の物資の集積地。酢(ヲノミチ徳利)。御影石の加工品。
●鞆の浦(とものうら):瀬戸内海の真ん中で潮流に恵まれた良港。後背地での綿花の移出港。
(岡山)
●玉島:北前船が直接接岸可能な整備された湊。
●下津井(しもつい):後背地の塩・綿・菜種・イ草の生産出荷と蝦夷ニシン粕肥料の取引。
●日比(ひび):河村瑞賢の西廻り航路の指定湊。塩の積出湊。
●牛窓(うしまど):瀬戸内幹線航路に面した湊。風待ち・汐待ちの天然の良港。
(四国)
●本島(ほんじま)(塩飽(しあく)諸島):河村瑞賢が最も強く推奨した廻船。御城米・木材輸送。
●多度津(たどつ):整備された湊。大型船への積替え湊。讃岐三白(砂糖・綿・塩)。
(兵庫)
●江井(淡路島):天然の良港。1928隻の入港の年もあった。この港で越冬する船もあった。
●坂越(さごし):近隣では唯一大船の入港可能。
●室津:風待ちの良港。姫路藩の交易窓口。
●兵庫津(ひょうごつ):浅瀬の大坂への積替湊。灘の酒の積出湊。「北風家」が湊の発展に寄与。
(大坂)
●中之島:安治川沿い。全国の米相場を決める。米の搬入(米屋敷)。
●北浜:安治川沿い。「俵物」(イリコ・干し鮑・フカヒレ 中国へ輸出)の検査会所。
●島之内(しまのうち):安治川沿い。全国の銅の1/3を精錬生産。
●川口:安治川河口 税関の前身の運上所が置かれる。
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(担当 H)
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