『生物の変遷と進化』第26回 恐竜全盛時代、胎生哺乳類の出現 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第26回

<1億4500万年前~6600万年前>

(白亜紀)

「恐竜全盛時代、胎生哺乳類の出現」

羽毛ティラノサウルス

(恐竜)

ジュラ紀から長期にわたって陸・海・空あらゆる場所で恐竜・翼竜・海竜が繁栄し、ティラノサウルス・トリケラトプスなどの恐竜達が出現ました。

 

羽毛恐竜

近年、恐竜には体温調節や鳥類との関連で、羽毛が生えていたという証拠化石が各地で発掘され、ほぼ定説となりつつあります。

1996年に中国遼寧省の熱河層群で、シノサウロプテリクスと名付けられた世界で最初の羽毛恐竜の化石が発見されました。

シノサウロプテリクスは、中生代白亜紀前期の約1億4500万年前に生息していました。始祖鳥より1000万年以上も後になります。

鳥類であると当初考えられ、中華竜鳥と名付けられましたが、その羽毛は飛ぶために役立つ構造ではありませんでした。この発見で、羽毛の元々の役割は飛行ではないことがわかりました。

ノコギリ状の歯を持ち、小動物や昆虫等を捕食していた肉食恐竜であった可能性が高いとされています。特徴は鳥に似た顔と、前肢が非常に小さく、後肢が非常に発達していました。

背丈は約1.2~1.4mほどの高さ、体重は約12.5㎏程度でした。

その羽毛から色素が見つかり、尾は褐色と白の縞模様でした。頚部後ろから背中、尾にかけては、赤褐色ないしは橙色に近い色彩で、尾は茶色と白の縞模様でした。この色彩はカムフラージュや求愛に関連していたと考えられます。明るく鮮やかなオレンジ色の斑点が特徴的で、群れで行動していたことを示していて、鳥に近い特徴を持っています。また、作りが軽く、長い尾と長い手足を持つため、樹上での生活に適応していたと考えられています。

 

鳥類

1億2900万年前には、現在の鳥にもある小翼を持つエオアルラヴィスが、1億2000万年前には、進化した風切羽を持つミクロラプトルが現れました。

 

8600万年前には、現在の鳥のように尾が短くなり、竜骨突起とよばれる飛ぶための骨格が出来たイクチオルニスが現れました。イクチオルニスは、現在のアジサシのような生態の水鳥でした。

 

第5回大量絶滅の直前の6700万年前の、現生鳥類のグループとしては最古の化石が発見されました。名前はアステリオルニスといい、なんと、大量絶滅を生き抜きました。

 

哺乳類

現代の霊長類の祖先の原始哺乳類もこの頃出現しました。

哺乳類は卵ではなく胎生で直接子供を産む種が誕生しました。胎生哺乳類といわれます。胎生は胎児と直接つながっているため、酸素や栄養をより多く・確実に送ることができようになりました。さらに、少数出産で生存の確実性を高め、情緒的親子愛をはぐくむ大進化をしました。

 

海の生き物

また海洋ではアンモナイトやプランクトンが繁殖、それを餌として海生爬虫類モササウルスやイクチオサウルス、首長竜なども繁栄しました。

7900万~6500万年前の白亜紀後期、海の頂点捕食者はモササウルスでした。

四肢はサメのような三日月のヒレで、太くて幅広い尾があったことから、泳力に優れていたと考えられています。大きな顎には、後方に向かって湾曲した歯が2列に生えており、1度噛みつかれた獲物は逃げることができません。また歯の先端部分は丸みを帯びており、獲物の肉を切り裂くだけでなく、アンモナイトなどの固い殻を持った生物をも噛み砕き、そのまま飲み込んでいたことがわかっています。映画『ジェラシックワールド』では、モササウルスがティラノサウルスを海に引きずり込むシーンがありました。

一方、モササウルスの餌食となったアンモナイトは、この頃、巨大化します。「パラプゾシア」というアンモナイトの種族は、直径が60cm~3mと人間よりも大きな殻をもっていました。何故巨大化したのか不明ですが、モササウルスの口に入らないようにするためという淘汰圧という説もあります。しかしまたしばらくすると、パラプゾシアはモササウルスの巨大化とは関係なく、サイズが縮小し始めたことも分かっています。

モササウルスアンモナイトも、5回目の大量絶滅で絶滅しました。

有孔虫、及び石灰質のココリスなどのナノプランクトン は、この時期に大きく拡大し、遺骸はその名が示す白亜紀の石灰岩層を形成しました。

 

植物

植物は主流であった裸子植物やシダなどが減少し、花や果実や柔らかい葉をつける栄養価の高い被子植物 が主流(80%)となって繁栄を遂げました。被子植物の進化は、昆虫類の繁殖・進化を誘発し、植物食恐竜を巨大化し、肉食恐竜はその植物食恐竜を糧としました。さらに、被子植物の花果やそれに寄ってくる昆虫を好んだのは、われわれの祖先の霊長類でした。

白亜紀は、被子植物の進化を原点として動植物の共進化現象が見られた貴重な時期でした。

スギなどの針葉樹は現代と同じ形にまで進化した。

 

 

 

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次回は 第27回「白亜紀の大陸配置図」

 

 

(担当B)

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