『生物の変遷と進化』第23回 4回目の大量絶滅 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第23回

<2億年前>

(三畳紀)

「4回目の大量絶滅」

(パンゲア大陸)

  

超大陸パンゲア

2億年前の三畳紀の地球の大陸は全て合体して「超大陸パンゲア」を形成しており、その気候は総じて高温乾燥であったことが知られています。

まだ大西洋が開けていませんでしたが、三畳紀末に、パンゲア大陸は中央(今の大西洋)の火山地域の活動が活発になり分裂し始めました。この火山活動により噴出した火山岩(玄武岩)地帯は、パンゲア大陸の分裂により、現在の日本、ロシア、北米北西部などに分布しています。

パンゲア大陸を分裂させ、大西洋を形成する地殻変動における火山活動で、酸素濃度が30%から5%までに低下しました。その最盛期には海洋無酸素事変も発生していました。また、大気中に放出された火山性ガスは、降水に溶け込んで酸性雨として降り注ぎ、海洋表層の酸性化にも働きました。

三畳紀の大量絶滅(4回目)

三畳紀末の4回目の大量絶滅で、海生生物の属の43~58%が絶滅し、アンモナイト類の多くが絶滅しました。また、陸上の爬虫類や短弓類も大型動物を中心に多くの系統が絶え、全ての生物種の76%が絶滅しました。

ただ、爬虫類では乾燥に強い繁殖様式を持つグループが生き残りました。三畳紀には大型のワニが陸上に君臨していましたが、このような寒冷化の影響を受け絶滅しました。天敵から解放された恐竜たちが、ジュラ紀から白亜紀にかけて大型化して大繁栄しました。

大量絶滅の後には「大適応放散(てきおうほうさん)(大規模な変動の後、単一の祖先から多様な形質の子孫が広範囲に出現すること・進化の爆発)」が起きて、生物の多様性が増大することが過去何度も起こっています。

大量絶滅の原因>

最近の研究では、三畳紀の絶滅は1500万年の間に3回発生し、第1波は隕石衝突での大量絶滅。第2波は海洋無酸素事変で大量絶滅。第3波は火山活動で大量絶滅が発生したとされています。

・隕石の衝突

カナダ マニクアガン・クレーター:2億1,400万年ほど前に、直径5kmの小惑星が衝突してできたのではないかと考えられています。直径100kmの多重リング構造をしています。

・海洋無酸素事変

三畳紀の大規模火山活動は、大規模な火山噴火が気温の急激な変化を引き起こし、最終的に海洋の無酸素化から大量絶滅が導かれるというシナリオです。実際に火山活動の最盛期に海洋深部の無酸素化が起こっており、この無酸素化と、この時代に起こったとされる大量絶滅との関連性が濃厚となってきました。海洋無酸素(低酸素)事変が起きた年代の地層には、大量の植物プランクトンや陸生植物その他の生物の死骸が分解されないまま海底に堆積していることが特徴です。その堆積物が地殻変動で地下深くに埋まって大きな圧力がかかり、そこにシアノバクテリアや光合成硫黄細菌、その堆積物を餌にしているバクテリアなどの働きで、そういった地層がつくられます。その地層を「黒色頁岩層(こくしょくけつがんそう)といい、それが特定の年代かつ広範囲にわたって見られる場所があることから、海洋無酸素事変の発生が見いだされました。

・大規模火山活動ー多雨

大規模火山活動によって、比較的低温のマグマが堆積岩と接触し高温に変わりました。大気中のCO2濃度が上昇し、地球は温暖化に向かいました。しかし、その後、激しい火山噴火は、大量のSO2二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を放出しました。SO2が成層圏に入ると、硫酸の粒子ができて太陽光を反射し、植物の光合成を妨げたり、地球を寒冷化させました。火山の大噴火が起こると、一時的に寒冷化が進み、その後、大量に放出された温室効果ガスにより温暖化が進行します。

火山活動の活発な時期に多雨の時代が訪れ、海洋での生物群の大量絶滅や陸上での恐竜の多様化といった生態系の変化が同時に引き起こされた という仮説が提示されています。三畳紀という時代は、全体として高温で乾燥した気候だったことが知られていますが、その中には約200万年間にわたって降雨量が劇的に増加した雨の時代がありました。「カーニアン多雨事象」と呼ばれ、2億3,400万年~2億3,200万年前の間の200万年間にわたる雨の時代でした。「スーパープルームにより大規模な火山活動が起き、地球が温暖化した。気温が上昇したことで、大気が水蒸気を多く含みやすくなり、雨が多く降るようになった。」という筋書きがあります。カーニアン多雨事象の気候変化は、いくつかの生物群の絶滅や大規模な進化的変化があった時期と一致しています。陸上植物の変化と恐竜の爆発的な多様化や哺乳類の誕生も、カーニアン多雨事象の期間に起こったと考えられています。

すなわち、カーニアン多雨事象が生物進化に何らかの影響を及ぼしたのではないかと推測されています。


 

 

 

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次回は 第24回「恐竜の繁栄・鳥類の出現」

 

 

(担当B)

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