『生物の変遷と進化』第21回
<2億5190万年~2億0130万年前>
(三畳紀)
「恐竜・哺乳類・裸子植物の出現」
(裸子植物)
<三畳紀>
3億年前から地球上の大陸はゆっくりと移動を続けた結果、ペルム紀の終わりである2億5000万年前頃に、ローレンシア大陸、バルティカ大陸、ゴンドワナ大陸、シベリア大陸などすべての大陸が合体して、三畳紀には北極から南極に至るパンゲア大陸と呼ばれる超大陸が形成されました。超大陸の完成時、地球内部からスーパープルームが上昇して世界各地の火山活動が活発になり、ペルム紀と三畳紀との境界(P-T境界)に史上最大の大量絶滅事変が起こりました。
三畳紀は、その大量絶滅からの「復興期」ともいえるのです。
ペルム紀終盤に寒冷化した気候も、三畳紀を通じて気温は徐々に上昇していきました。ペルム紀に30%ほどあった酸素濃度はさらに10%程度まで低下し、ジュラ紀頃までの約1億年間、低酸素状態が続きました。
三畳紀から始まった造山運動で、2億年を経たのちアルプス・ヒマラヤ山脈が形成されていきました。そしてパンゲア大陸は三畳紀の2億年前ごろから再び分裂を始めました。
<生物>
●恐竜の出現
3回目の大量絶滅の後、哺乳類と爬虫類の中でも恐竜の多岐的発生が見られます。
全球凍結や大量絶滅など過酷な環境変化の後には「大適応放散」というものが起きて、生物が生き残るための適応性を増大させるといわれています。
ペルム紀末の超大陸パンゲアの形成で、火山噴火による低酸素状態が続く中、爬虫類繁栄の時代となります。2億3100万年前に出現した最古級の恐竜である エオラプトル(下図)は、それほど大きくなく体長は1m、体高は30cmくらいでした。初期恐竜と併存していた恐竜以外の爬虫類のなかに、それよりもはるかに大きいものがいました。小型で軽やかに走り、雑食性だったと考えられています。
ワニ類のクルロタルシ(下図)は繁栄の絶頂にあり、中には8mを超えるものもいて、陸上生態系において支配的地位を占めていた。
カメ類は、現存種には歯がないものの、オドントケリス(下図)など初期のカメには顎に歯があったことが確認されています。また、四肢は現在のゾウガメに類似しており、陸上生活者であったと考えられています。
両生類は、中期に体長5mを超すと推定されるマストドンサウルスがいて、これは史上最大級の両生類の一つと考えられています。
●哺乳類の出現
非哺乳類の単弓類が最後に繁栄したのは三畳紀でした。初頭にはキノドン類(下図)が多種多様な爬虫類と共存しました。キノドンは哺乳類の祖先といわれ、体長50cmほどのトカゲのような大きさでした。三畳紀末の大量絶滅事変でほぼ絶滅し、後に哺乳類としてネズミのような姿で登場しました。
最古の哺乳類といわれるアデロバシレウス(下図)は、2億2500万年前に生息していました。顎(あご)関節の改変、四肢の直立化および呼吸器の改良など、哺乳類的な特徴は色濃くなっていました。この顎(あご)関節の改変で聴覚が発達したのです。その結果、夜間においても行動が可能となり、恐竜が栄えた中生代においても夜間、かれらは生活の場を得ることができました。
この中から現れたのが真正の哺乳類です。
ゴビコノドン(下図)は、大きさでは現生のネコほどで、当時としては大型の哺乳類でした。犬歯状の歯を持ち、下顎後端の骨が発達していることから、肉食あるいは腐肉食動物と推測されています。
この時点において最も成功したグループは、ジュラ紀中期に出現し、1億年を超えて繁栄を続けた多丘歯類(たきゅうしるい)とよばれる植物食の小型動物です。中国で化石が発見された最古の多丘歯類ルゴソドン・エウラシアティクス(下図)がいました。哺乳類種の半数以上を占めていました。齧歯類(げっしもくるい)(現在のネズミ類)に似た姿であり、食性などもほぼ同じであったと推定されています。
それが故に齧歯類との競合が生じ、白亜紀の大量絶滅を生き残るも、3500万年前には絶滅しました。
現在生存している哺乳類の一種単孔類は、カモノハシ(下図)やハリモグラのようにオーストラリアにいます。その起源は2億 3100 万〜2億 1700万年前に哺乳類から分岐したと推定されています。このグループは現生のものでは唯一卵生です。
●海の生物
ペルム紀末の大量絶滅の後、空席になったニッチ(生態的地位)を埋めるように、海生生物では古生代型の海生動物にかわって、新しい分類群がつぎつぎに出現しました。アンモナイトや六放サンゴやさまざまな翼形(よくけい)二枚貝(ホタテガイ、アコヤガイ)などが発展するようになりました。
アンモナイトは、後期ペルム紀に出現したセラタイト目はP-T境界を超えて、三畳紀に繫栄しました。そして、アンモナイト亜綱の代表たるアンモナイト目(狭義のアンモナイト類)(下図)は、セラタイト目を母体として中期三畳紀に現れました。彼らはジュラ紀・白亜紀を通して大繁栄しますが、その陰でセラタイト類はこの三畳紀末に姿を消しました。
棘皮動物のうちウニ類は急激に進化しはじめました。
このような新しい種の出現によって、三畳紀後期にはいったん損なわれた生物多様性を再び回復しました。
セラタイト型アンモナイト
それまで陸上でしかみられなかった爬虫類は、三畳紀に入ってその一部が海に進出しました。イクチオサウルス(下図)などの魚竜や、泳ぐのに特化した鰭状の足をもつプラコドンなどの鰭竜類、タラットサウルス類、板歯目などがそれです。
魚類のうち、サメのなかまはペルム紀末の大量絶滅によって打撃を受け、その繁殖は限定的でしたが、硬骨魚類は海中において顕著に繁殖しました。
●裸子植物
植物では、裸子植物(シダ・ソテツ・イチョウ)(下図)は乾燥に適応し、種子を遠くまで運ばせることによって、多様な場所に子孫を繁栄させることができるようになりました。
マツやスギの遠祖となる針葉樹も現れました。湿地帯には、現在のシダ植物のヒカゲノカズラ科の類縁種である古代リンボクが豊富に残り、シダやトクサも密に分布していました
どれも今日までその形態を変えることなく「生きた化石」です。
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次回は 第22回「三畳紀の大陸配置図」
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(担当B)
















