『生物の変遷と進化』第20回 3回目の大量絶滅 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第20回

<2億5100万年前>

(ペルム紀)

「3回目の大量絶滅」

 

 

 

  

 

ベルム紀の大量絶滅(3回目)

3回目ベルム紀の大量絶滅は5大絶滅の中でも史上最大でした。

わずか20万年の間に海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90~95%が絶滅しました。既に数を減らしていた三葉虫・サンゴ(300万年かかって復活再生)・フズリナはこの時に、とどめをさされる形で絶滅しました。

この大量絶滅で両生類が絶滅し、次の三畳紀には交代するように恐竜とほ乳類が出現した。

絶滅の原因

・火山噴火

絶滅の原因には、いくつかの仮説があります。

近年、解明されたのが「巨大火山活動説」です。

超大陸パンゲアの形成で、プレートがマグマに沈み込みました。

そして、巨大なマントルの上昇流であるスーパープルームによって発生した大規模な火山活動が原因になったという説です。シベリア・トラップ と呼ばれる洪水玄武岩流が広い範囲に残されており(溶岩跡は2,000km先でも確認される)、これが当時の火山活動の痕跡と考えられています。

火山の大噴火が起きると、一時的に寒冷化が進み、その後、大量に放出された温室効果ガスにより温暖化が進行します。

この時代の地層に炭化水素の「コロネン」という物質が多く含まれていることが分かりました。

コロネンは炭化水素で、有機物の燃焼でできる際、森林火災を上回る1,200度以上の高温を必要とします。具体的には高温のマグマか、天体の衝突によるものです。まとまった量のコロネンは大量絶滅が起きた年代の地層でしか見つかっていません。

この3回目ベルム紀の大量絶滅は、700万年の間隔をあけて2段階に分けて起こったと考えられています。1段階目は、シベリアの巨大火山活動による成層圏エアロゾルが、太陽光を遮断することによって地球規模の気温低下と干ばつを起し、それにより陸上植生が崩壊しました。2段階目では、シベリアの巨大火山活動から放出されたCO2などの温室効果ガスは、地球温暖化を促進した。緯度による海水温差が小さくなり、海洋循環が停滞し、海洋深部の無酸素化は最大になりました。

 

メタンハイドレート

さらに、温室効果による気温の上昇で、深海のメタンハイドレートが大量に気化し、さらに温室効果が促進されるという悪循環が発生し、環境が激変したと考えられます。 大気中に放出されたメタンと酸素が化学反応を起こし、酸素濃度が著しく低下しました。

2段階目では1段階目の影響を受けて、大量絶滅が起きました。

 

 

 

 

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次回は 第21回「恐竜・哺乳類・裸子植物の出現」

 

 

(担当B)

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