『生物の変遷と進化』第16回 爬虫類の出現 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第16回

 <3億5890万年~2億9890万年年前>

(石炭紀)

「爬虫類の出現」

 

 

(石炭)

 

  

 

1年中湿潤な熱帯気候で、地球上は巨大木性植物の森林リンボク 30~45m)で覆われ、多くの植物が繁栄し大気中の酸素濃度が上昇しました。リンボクは炭化して良質の石炭となりました。シダ類のほかにも、ヒカゲノカズラ類やトクサ類が高さを競うように繁茂しました 。

 

現在、石炭として大量に掘り出されているのは3億年前のこの頃の樹木です。しかし、樹木は何故腐らずにそのまま炭化したのでしょう? 現在、我々が見る森林には朽ち果てた倒木が、土に還っていく姿です。これから3億年後、未来には石炭は存在しません。

樹木の堅い外側はリグニンligninという有機化合物でできています。堅さを保つ物質で木材の20~30%を占めています。日本名で木質素とよばれています。3億年前までこのリグニンを分解する物質がなかってため、樹木は腐らず永遠にその姿を保てたのでした。

ところが、どういう経緯かこれを分解する生物があらわれたのです。

その生物とは菌類で真菌とよばれています。この菌には、キノコ、酵母、アオカビ、もっといやなもので水虫のハクセンキンなどがいます。

3億年前以降、この菌がリグニンを分解しはじめたのです。樹木を腐らせ、そこにキノコが生えているというわれわれが目にする自然環境が育まれました。

真菌を「たかが菌類ではないか」と言うなかれ。核を持った真核生物で、われわれ人類とは兄弟にあたる生物なのです。「人間は賢い」なんて、生存することにとって何ら価値のないことを、3億年も生き続けている菌様から見たら・・・・。

 

2回目の大量絶滅の後、爬虫類の多岐的発生が見られます。

全球凍結や大量絶滅など過酷な環境変化の後には「大適応放散」というものが起きて、生物が生き残るための適応性を増大させるといわれています。

陸上に進出した両生類の一部がさらに乾燥に適応し、硬い殻のを産む へと進化していきました。そして次第に水辺から乾いた内陸部に進出していきました。爬虫類の中の恐竜が誕生するのは、1億年ほど後の三畳紀です。

 

昆虫類の出現種は、4億年ほど前のトビムシでした。

3億5000年前には、フナムシ類が現れ、シダの花粉などを食料としていました。

まだ羽根はなく、地上を移動するだけの弱い存在でした。羽根の獲得は、どのような経過で行われたのか、現在のところまだ不明です。

3億年前には、昆虫独特の変態が始まりました。

昆虫類の中でも、トンボは競争相手がいなかったため大型化しました (70cmの大型トンボ  メガニューラ)。ゴキブリ・バッタもこの頃誕生しました。ヤスデ類、ムカデ類、サソリ類、クモ類が現れ多様に繁栄しました。

海ではウミユリ類が繁殖していて、大量の石灰岩になりました。

この頃、アンモナイトがオウムガイから進化して繁殖しました。

 

 

 

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次回は 第17回「石炭紀の大陸配置図」

 

 

(担当B)

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