2月22日
精巣腫瘍にもいろいろな種類があります。大きく分けてセミノーマと非セミノーマ。しかし、その内訳はさらに細かく、転移しやすいものや、あまり転移はないもの、今は大丈夫だがほうっておくと危険なものなど、さまざまな性質を持った腫瘍があります。そうしたことは次の外来で知らされる組織検査の結果明らかになるものなのですが、家にいるあいだ、わたしの頭の中は、そうしたがんの種類のことで一杯になっていました。当然、がんの種類と腫瘍マーカーの値で、わたしの生存率は大きく変わってくるものなのでしたから。
インターネットでいろいろなパターンの生存率を調べ、自分の状態をそこにあてはめてみたりしました。
『なるほど、たとえばこの場合なら、5年生存率92%か。』
しかし、10万人に2~3人しかならないという精巣腫瘍になってしまったからには、たとえ生存率92%と想定してみても、あまり安心できないのでした。
「あのう、予後分類ってあるじゃないですか?あれでいうと、どれくらいになるんですか?」
「うーん、まだ検査してないんでわかりませんが、ステージⅢはいってるんですよ。肺転移なんで。」
「そ、そうですか……」
入院中にさらっと交わした医師との会話が、何度もよみがえっていました。
『うーん、Ⅲか。ステージⅢ。』
調べてみると、Ⅲが最終ステージなのでした。