N〇K『ばけばけ』も最終回、ヘブン先生が新聞記者だった衝撃から始まり、『怪談』が死後ベストセラーになったことで終わる「知らないことだらけの物語」でした。
それでも、流れる曲『笑ったり転んだり♩』が心に染み入るのは歌詞のせいでしょうか。
誰が言ったか知りませんが「月が綺麗ですね」が愛の告白なら、「夕陽がとても綺麗だね♫」に当たるのでしょうか。
外国の曲では、「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」(私を月に連れて行って)が当てはまるかもしれません。
さらに、「今夜も散歩しましょうか♫」これで、愛が育まれる!?!
散歩といえば、福永武彦『廃市』が思い出されます。
主人公は大学の卒業論文を書くために、一夏をある田舎で過ごすことになります。
下宿先の訳アリお嬢さんとのミステリアスな出会いから微妙な言動に至るまで、ドキドキしながら二人の行方を追いました。
優柔不断な「僕」と清楚で控えめな安子さん、自由から発せられる「美しい町」と因習に縛られる中での「死んだ町」。
二人の対照的な性格にも着目しながら、あっという間に読み切ったのは遠い昔となり果てて・・・。
閑話休題、『ばけばけ』観て「笑ったり転んだり」を口ずさみながら、こちらは髪の毛も薄くなり「ハゲハゲ」にうちひしがれ「踏んだり蹴ったり」の心境です。
しかしながら、「日に日に世界が悪くなる♩」おっしゃる通り!
「野垂れ死ぬかもしれないね♫」それだけは勘弁を!
「帰る場所などとうに忘れた♫」探し物・忘れ物の極致か!行きつく先は?
「落ち込まないで諦めないで♩」ハゲ増しのコメントだけはお断り!
下品は置いといて、今夜の一人読書会、福永さんの名著と小泉八雲の名言を。
名のない1本とともに。
コニャック【ランクスナー ★★★】
★★★★★★★一人読書会Ⅰ★★★★★★★
足にまかせて夕暮の町を歩いた。何という古びた、しかし、美しい町だった。
夕方の僕の日課である散歩が安子さんの気づくところとなって、早くそうおっしゃればいいのに、とたしなめられて、その次の日、ぼくは安子さんに誘われて小舟で夕涼みに出ることになった。
「僕は、この町がとても気に入った。こんな所で暮らして行けたらどんなにいいだろう」
「そうかしら、こんな死んだ町、私は大嫌いですわ」
「死んだ?」と僕はびっくりして訊いた。
「そうよ、死んでるんですわ、この町。何の活気もない」
(福永武彦『廃市』)
★★★★★★★一人読書会Ⅱ★★★★★★★
太陽も月も、空間も時間も――すべては現れては消えていくまぼろしである。
ただ、そのまぼろしを創り出すもののみが永遠に存在する。
(小泉八雲『露の一滴』)













