ずっと ずっと 心につっかえて いる事 | 拝啓 マリコ様 From Real Housewives of フロリダ 

拝啓 マリコ様 From Real Housewives of フロリダ 

日本ではまだ馴染みの浅いプライベートリゾートクラブ。塀とゲートで覆われた 敷地内にゴルフ場とテニスコート, 豪邸が立ち並び,クラブハウスを中心に人々が集うクラブライフ。紳士淑女が織りなす 社交, 人間模様、女たちの物語。そこに住む私から先輩マリコ様への手紙。

拝啓 マリコ様

 

誰しも50年以上 生きていれば

 

心にひっかっかていることが 2つや3つはあると思う。

 

私のそれは、何とも心地の悪い モヤモヤしたもので

 

数年ごとに ふと思い出しては 物悲しい、罪の意識に似た

 

感情が蘇る。



最近のマイブーム フランスのおかずパン

 

それは 中学三年の一学期か二学期末か。。定かではないが

 

とにかく、進路相談、すなわち受験する学校を決める面談で

 

担任の先生が私に言った。

 

”君は公立は受ける予定かな?”

 

私は子供ながらに 

 

私学の大学までエスカレーターで行ける女子校を受験すると決めていたので、その旨を話した。

 

”だったら いいか。” 担任は ほっとした顔で私を見た

 

”何か、問題でも?”

 

”家庭科に’2’の評価がついているんだ。10段回の2はさすがに。。何か家庭科の授業で問題でもあったか?”

 

家庭科の評価が2?、

 

誤解のない様に言うと、私の他の科目の平均は確か7-8だったと思う。

 

10段階で2というのは、多くの場合

 

出席日数が足りない、長期休学など、成績以前の問題である。

 

無論、私は出席日数には問題はない。

 

ただ一つ、思う事はあった。

 

課題で簡単なサマードレスを作って提出したのだけれども

 

その時、友人のお母さんにかなり手伝ってもらった。

 

それが、バレてたのかもしれない。。。

 

私は カンニングでもしたかの様な 

 

後ろめたい気持ちでいっぱいになった。

 

でも、私はA子ちゃんのお母さんに手ほどきを受けた程度だけど

 

A子ちゃんは結局ほぼ全て お母さんが完成させてた。

 

A子ちゃんもバレて、2判定かもしれない。

 

”ちょっと 家庭科の先生に理由を聞いて。。みようか?” 

 

と、担任の先生が 伏せ目がちに私を見る。

 

そのドレスの課題の事が後ろめたく

 

大ごとには させたくなかった私は 

 

”あ、もういいです、私は私学だし” と、

 

半ば 恥ずかしさを覆い隠す様に そこを終わらせた。


家庭用に送られてきたコロナの検査キット。

 

A子ちゃんの家庭科の成績は7だった。

 

えっ、何で? 

 

課題のことじゃなかった。と、いう事は 

 

私が何かしたのだろうか。

 

その憤りは 怒りではなく、戸惑いという感情だったと思う。

 

実は その家庭科の先生は その学期が始まってすぐ 

 

二人のお嬢さんを火事で亡くしていた。

 

その痛ましい事故はテレビでも取り上げられ 

 

学校中の生徒 親が知っていた。

 

娘二人を 火事で亡くす。

 

火事の後の最初のクラスで

 

淡々と授業を進めようとする 表情のない先生の顔を

 

今でも覚えている

 

クラスも子供ながらに ご不幸のあった先生を前に 

 

緊張していた。

 

其のことに先生は触れる事はなく、かといって笑顔もなく

 

重苦しい時間だった事を覚えている。



ブーゲンビリア の季節

 

そしてその授業の後、なぜか私が

 

この先生と直接話したかなんかで

 

先生の”えっ?”という 不愉快な顔を 覚えている、気がする。

 

なんか、私が言ったんだ、きっと。

 

何を言ったのか、全く覚えていない

 

けれども 二人の娘を たった2月前に火事で亡くした先生が 

 

私に もはや投げつける様に ”2” を点けた事。

 

そのくらい、逆鱗に触れたのであろう。

 

もちろん、その時はその怒りに気づかず

 

担任に2判定について聞かされて、

 

それは 課題に大人の手を借りた事が原因だ と思ってたぐらいだから

 

その時の会話が原因だと、感じ始めたのは随分後から、だと思う。

 

いや、実際 そういう会話が本当にあったのかさえ、定かでない。

 

10段階で 教科の一つに ”2” がつけられると

 

公立を受ける場合、学校の選択が2段階ぐらい下がる。

 

それはその生徒の人生を変えてしまうほどのインパクトがある。

 

勿論、その教師は確信犯であり、

 

そのために 2をつけたんだと思う。

 

何を言ったんだろう?

 

そこまで怒らせてしまった。

 

二人の娘を同時で火事で亡くした 母親をそこまで怒らせた。

 

その事実はそれから 

 

自分がその時の先生の年齢に近づき、子供を持つ年代になり

 

友人が娘を産んだ時、

 

その娘のためなら

 

喜んで死ぬであろう母親になった友人を感じた時

 

歳と共に、あの時の家庭科の先生の喪失感、深い悲しみを

 

胃の深いところで感じる様になってくると

 

益々、あの時、私が何をしたのか、何を言ったのか 

 

覚えていないけれども、でも 一方で 実は覚えていて 

 

それを自分で記憶から消そうとしているのではないか、とか

 

罪、そう、罪の意識が私の記憶に刻まれている。

 

初めての男の顔もはっきり思い出せないのに

 

あの時の先生の顔ははっきり覚えている。

 

記憶というのは時に 嫌味なものだ。

 

モヤモヤした罪の意識はこの先もずっと私の胃の奥に住み続けて

 

要所、要所で顔を出す。

 

それも また 人として生きる業なのだと、

 

諦めて、生きる。

 

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