好き嫌いだけはどうもならん | 音楽のこと?話しだすと止まんないからなぁ~

音楽のこと?話しだすと止まんないからなぁ~

バッハジミヘンデイトンファンク!
嗜好も思考も偏ってますし、おぼろげな知識と主観で語ってます。違ってたらゴメンナサイ。

リフォルニアの民泊宿の貸主が、借主のひとりをアジア人だからという理由で一方的にキャンセルし、5千ドルの罰金刑を喰らった件 ですが、どうも僕にはいろいろと違和感があります。

差別がいいことではないのは全世界の人間が知っていることで、じゃあなんで差別がなくならないのかといえば、差別する側はそれを差別と思ってはいないからでしょう。自分たちにとっては別に当たり前のことなんでね。アングロから見りゃカラードなんてのは準人間なだけで、自分たちこそが正真正銘の人間だと、ごく普通に思っているんですから、差別される側がいくら訴えても無理。ただこれは日本人も一緒。僕の祖母が癌で入院した際、そこそこの商家の女将を自認していた本人は、当然個室に入る権利があると思っていたようでしたが生憎空きがなく、一時的にふたり部屋に入っていました。そこへ僕と母とが見舞うと、こんなところはイヤだとダダを捏ね、その理由を質すと同室の相手がチョウちゃん(朝鮮半島の人)で、そんなことに耐えられるはずがない、それをわざわざ本人に聴こえるように言ってました。また、同級生のTのやろーが、賢い働き者の韓国美女と一緒になろうとしたところ、やっぱりやろーのばあちゃんとオフクロさんが泣いて大騒ぎし、僕になんとかしてくれなんて無茶を言ってきました。僕の祖母は僕の祖母ですから、善人とは言えないかもしれませんけど、Tのやろーのばあちゃんなんて、ホンットにいい人でしたよ。それでも差別はして、しかもそれを差別とはまったく思っていません。彼女たちからすれば、韓国朝鮮人ごときは自分たちと同じ人間ではないのですから。

ということは、差別されている側がいくら騒いでも、している側が気付かない限りは、差別など未来永劫なくなるわけがありません。白人種がイルカを殺すなと言っているのは、正に生き物の命に序列優劣をつけるという、差別に他なりません。でも彼らはそうとは気付いておらず、自分たちの考えを正しいと思い込んでいます。以前にも書いたように、僕ら日本人は一寸の虫にも五分の魂とかなんとかいって、生きとし生けるものすべてを仲間とし、イルカだろうがブロッコリーだろうが、生命に序列などつけてはいません。けれども人は殺生しなけりゃ生きていけませんから、提供してくれた命に対して「いただきます」「ごちそうさま」と言って、感謝と贖罪の意を表しているんだと思います。翻って「天にまします我らの神」が食事を与えてくださっているなどという、根拠のない不確かな考えにとらわれている人々には、そりゃ正しい認識など芽ばえるわけがないでしょうね。そんな「神に選ばれし」彼らなんかに差別しないでと願ったところで、本質が理解できようとはとても思えませんから、せいぜい偽善にしかなりませんよ。常々僕は差別なんてものは道徳的観念などで解決できるようなものではなく、もっともっと生き物にとって根本的な「何か」ではないかと思っています。だから優等だと思い込んでいる自分たちが、下等な者どもを差別するなと言われて、仮にそれが実践できたところで、そんなものは単なる「哀れみ」でしかありませんから、もっと不愉快ですよ。米国じゃオバマ時代にその偽善をさんざん強いられて、だいぶ嫌気が差していたのでしょう。トランプが大統領になれたということは、差別を是とする人々が多かったという証左でもありましょうし、日本でも安倍の支持者などはこの類です。

しかしと言うべきかだからと言うべきか、今回の件は正直なところ60万もの大金を、それも相手に対する慰謝料としてではなく、罰金として払わなけりゃいけないようなことなのだろうかというのが、僕の第一感でした。どんな人にでも住まいを貸し与えるという気持ちがないのなら、民泊などやる資格なしということなのでしょうか。

僕が民泊の貸主だったら、やっぱり借主を選びたいと思うでしょうね。ただそもそも僕には自分の家を他人様に使っていただこうなどという、奇特な発想そのものがありませんからなんともわかりませんが、ホテル業を営んでいるわけでもないのですから、有償とはいえ自分の住まいにどういう人物を泊まらせるかぐらいのことは、多少選り好んでもいいんじゃないかとは思いますね。今回の貸主が利口じゃないのは、一緒に申し込んだ他の客はキャンセルせず、アジア系のおねーちゃんだけをパージして、尚且つアジア人だからと本音を言っちゃったところ。別の理由をつけてそのパーティーそのものをキャンセルしてしまえばよかっただけですよ。そう考えると、こんなことは頻繁に起きているのかもしれません。

民泊が一泊お一人様いかほどなのかは存知ませんが、高けりゃ客はみなホテルに泊まるでしょうから、どうせ大した稼ぎにはなっていないでしょう。それなのに60万も罰金を払わされるんですから、自業自得とはいえお気の毒。貸主は自分の行動を後悔していると言ってるそうですが、そりゃ大損するハメになったからで、今後はもっと上手にアジアンを追い出す工夫をすることでしょう。どうせシーツに皮膚の色を染み込ませられでもしたら大変だとでも思ってるような人なんでしょうから、そんな人が高い授業料を払ったからといって、明日から差別主義はやめますなんてわけがありません。罰金と同時に「アジア系アメリカ人に関する授業」を受けるよう命じられもしたとのことですが、それをしたからといって生理的にイヤだというものはイヤなままでしょう。仮に僕がアングロサクソンに関する授業なんか受けさせられたら、ケッてなもんに決まってますから。キャンセルされた当のアジアンのおねーさんは「この件をきっかけとして人種差別に苦しむ人たちに声をあげてもらいたい」などと言ってるそうですが・・・それもなんだかね。自分が正しいとばかりに得意になってこんなことを言えば、ヘタすりゃ差別主義者がよけいに攻撃的になるだけで、そんなことはさんざん繰り返されていながらまーだわからないんでしょうか。逆にこの件がキッカケで、罪もないアジア人が襲われたりしないことを祈るばかりですよ。僕が本人ならそうコメントして差別主義者に自制を求めるところですけどね。一時的に溜飲を下げる勝利が得られも、それで罪もない同朋が被害に遭うのではやりきれません。残念なことに、正しいことを正しいと言うことが仲間や身内を不幸にしてしまうのですから、理不尽極まりないことではありますが、こと差別に関してだけは、弱腰のようでも迂闊な言動は避けるほうが正解のような気はします。

現代社会を生きていてつくづく辛いと思うのは、ネットで誰もが発信できるようになった途端に、寛容さがまったく失われてしまったからで、差別する側は元々寛容の精神がないから差別するんでしょうけど、される側ももう少し寛容さを身に付けるがいいですよ。んな、アングロみたいな文化を持たない、なんでもアリの野蛮人にムキになってもしょうがないもの・・・って、コレも差別か?