この人はホントに喰えないヒトで、ハンク・ウィリアムスのトリビュートアルバム出してみたり、そうかと思うとロバートジョンソンのカモンインマイキッチンなんかやったりしてます。まあ、初期のものは知りませんが、カントリーにはカントリー好きが嫌う黒人の音楽要素がかなり盛られているとは思いますから、本人にしてみりゃ取り立ててどうと言うことはないのかもしれません。出世作「カーニー」のジャケではメイクを施していて、本人歌舞伎を意識したんだとか。まあとてもそうは見えない隈取りメイクはご愛嬌としても、カントリーとブルーズはアメリカ音楽の2大ルーツですから、それに対して真摯に向き合っているのかもしれません。本気のホンキートンクピアノの弾き語りもサマになってます。エルトンジョンや少し後のビリージョエルにはない風流さも持ちあわせていて、ホンマにアメリカ人かいと思うほどです。もちろんやってる音楽はコテコテのアメリカンで、スワンプロックとか何とかいうものの代表選手。クラプトンあたりもこの人に傾倒していたと思いますから、70年代のポップミュージックを語るうえでは、どうしてたって避けて通るわけにはいかない人ではあります。
もちろん超一流コンポーザーのレオン・ラッセルですけど、僕自身はこういう類の音楽はあまり聴きませんから、どうのこうのと言えるだけの見識はありません。歌も上手ではないし。それでも彼の作品を聴く度に、気負いや作為的なものがまったく感じられない、あまりのケレンみのなさに感心します。天才と言っていいと思います。厭味なくらいに厭味がありません。彼を世に知らしめたバングラデシュの救済コンサートでも、ストイック感満載のハリスンやクラプトンを尻目に飄々と我が道を行き、ひとり光ってました。なんて言うのかなぁ・・・余裕があるようにしか見えないんですよね。やりたいことをやりたいときだけやってるって感じかなぁ・・・痩せ我慢してる風でもないし。僕から見ると一番カッコいいんですよ。
そういやバングラデシュじゃ、ストラトのヘッドに吸いかけの煙草を挿した時だけはクラプトンもカッコ良かったな~。・・・その後さんざん真似しましたけど。今じゃどこ行ったってステージで煙草なんてどうせ御法度でしょ?昔は練習スタジオでも吸ってた記憶があるぞ。なんかせつない世の中だねぇ。
Leon Russell / Tight Rope
B面にマスカレードってすごくないですか?
Leon Russell / A Song For You
ピアノの上には煙草と灰皿。で、最後に一服。
Carney/Leon Russell
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歌舞伎どころかゾンビにしか見えませんが、アルバムはよくできてます。
早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいいい/竹書房
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でしょ、ホラ。そうに決まってるもの。