ガン患研との出会い
手術の日を待つ間、
「あとどれだけ生きられる? その間に何ができる?」
ばかり考えていて、周りの景色もこれまでとは違って見えていたように思います。
自分だけがその外側に投げ出された感じ、もとの世界には戻れない感じ。
朝目が覚めると、「あ,まだ生きてる。手や足も動く」と少しほっとし、
やれることをやっておかねばと、長年行きつけの美容院へも行きました。
担当の先生に、ガンになって「手術するんだ~」と話をしたところ、
安保徹先生の『病気にならない免疫生活のすすめ』という本を薦めてくれました。
私は、そこで抗がん剤で髪が抜けたらウイッグの相談にも乗ってもらう約束もとりつけ、
少し元気をもらい、帰りにさっそくその本を買いに走りました。
その本に「ガンの患者学研究所」というガン患者の団体が紹介されていたのです。
ホームページを見ると、たくさんの笑顔と「ガンは治る」の文字。
え?ほんと?でもなんか、怪しげ。
最初は半信半疑でした。変な宗教じゃないかとか、
だまされるんじゃないかとか…。
それまでの私は、石橋をたたいて壊すくらい用心深く、
絶対失敗しないやり方を追求するタイプでしたから、
入会するかどうかちょっと考えました。
でも、どうせ死ぬんだったら騙されてもいいか、もう、
どっちでもいいと思えてきて入会したのです。
手術の10日くらい前でした。
今思えば,このとき、すでに私は少し変わり始めていたのかもしれませんね。
これまでとは違う選択をしたのですから。
ですが,手術が終わり、退院するまでは会報誌を読みはしたけれども、
まだ,この会のすごさには,気が付いていませんでした。
(つづく)