初外来、ステージ告知
「宿題終わったの?間に合うの?」
そんな言葉が飛び交っているであろう頃
退院以来、初の外来受診日を迎えた
セミの鳴き声も「ツクツクボウシ」に変わった
ご自宅での具合はどうですか?
ええ、暑さには参ってますけど
お陰様で安定して過ごせています
手術で摘出した直腸
詳しい検査結果が出ました
・・はい
ステージ2
但し、リンパ節への転移はありません
・・はい ![]()
ようやっと自分の病変への結果が出た
当初の予測とほぼ同じ結果
寛解への確率の数字も教示を受けたが
誤解を招くのでココでは伏せておこう
ステージも幅があり「2」と言っても
患者ごとに違いがあるから
取り出した部分の写真、見ます?
・・うう・・はい!
軽やかにマウス操作を数回
PCモニターに私の直腸が映し出された
出来の悪いホルモン焼きのようだ
60年近く病変するまで働いてくれたんだ
ありがとうよ・・・
この、周囲の黄色いものは?
あ、これは内臓脂肪です
周囲にあるリンパ節も取っちゃうんで
その際は内臓脂肪ごとになるんです
「落ちにくい」という悪玉の内臓脂肪
いくらかでも強制削除されているか😁
これぞ強制ダイエット
平穏を取り戻す
手術から3週間あまり
あれほどの痛みも不思議なほどに遠のき
手術創も薄くなっていった
ロボット手術の恩恵だろう
ヘソの並びに5箇所の痕
イタズラに指でつついても
うっすらと痛覚が反応するくらい
地獄とも思えた術後の苦しみさえ
忘却の向こうへと流れていく・・・
ストマの具合も悪くない
💩の排出も日常のリズムに刻まれ
「パウチが普通」
それなりに手を焼く事もあるが
人間とは「慣れる」事ができる生き物
男の子に生まれて58年
違う袋をぶら下げてきたが
袋が一つ増えただけってかw
ストマ・パウチとの付き合いは
後に綴る事にしようかな
私の「復帰」を話で聞いたのか
仕事の依頼が増えてきた
何よりも嬉しい誤算だった
まだベストコンディションじゃないんだよね・・・
と言い訳をしながらも
無意識に頭の中で仕事の段取りをしている
「仕事バカ」につける薬はないんだな
やり残した宿題に追われたあの日と同じ
赤とんぼが山を降りて
夜の空気が少しだけ秋色に変わった
「間に合うの?」
今は催促のセリフに変わったが
ひとつだけ違うこと・・・
「平穏」はありがたい
