3章からずいぶん間が空いてしまった。
母の亡骸は専用の車に乗せられ
「どこかで」
火葬の期日まで眠ってもらうことになる
それが「どこか」は業者さんはハッキリ言わない
それが「どこか」を我々はハッキリ聞かない
歩み寄り難い一線があるのだと感じた。。。でも
それでいいのだ
施設の方に今一度の感謝を伝え
家族それぞれは、一旦自宅に戻る
この記事を読んで下さっている皆様
通夜や葬儀に参列された経験あるかと思う
迎える家族側の表情はいかがだったろうか・・・
急激な状況の変化に慌て
葬儀の準備に追われ
もちろん家族を失ったショックもあるだろう
しかし
家族の虚ろな表情・・その殆どは
「寝てない」
これに尽きると思う
当然だ
「〇〇日に予約」てワケにはいかない出来事だし
病院や施設は「何時までにベッドを空けて」と急かす
ようやく斎場が決まり、ひと休憩と思うが
弔問客の相手、式の段取り、火葬のスケジュール
悲しんでいる余裕もなく時間が過ぎて行く
慣れない休憩所で熟睡できるハズもなく
式の当日には青白い顔をして呆然とお辞儀を繰り返す
前章でも触れたけど
火葬場の数が足りていないらしい
炉が稼働できる時間は
分単位でビッシリのスケジュールが組まれている
人は死んでも時間に縛られるのだ・・・
悲しい現実である
話を元に戻そう
母を送り出した後、自宅に戻り
軽く食事をしてソファに寝そべる
極度のストレスで食べ物を詰め込んだ胃が痛む
深くため息をついて眼を閉じる
ファンヒーターの温風が膝下を包んでくれる
・・・テレビの音声が遠くなり
少し眠ってしまっていたようだ
家内が紅茶を淹れながら
お疲れ様、早く休んだら?
就寝前だからアメリカンで(笑)
どんな高級なベッドも
どんな豪華な寝室も
寝慣れた布団にはかなわない
自宅でぐっすり眠れる事が何よりの回復になる
これまで数回「送る側」として葬儀の経験をしてきたが
受け入れ難い現実を抱えながら
通夜、明日は告別式・・疲労の限界
当日の朝は吐き気で目が覚めるといった具合だ
虚ろな家族のできあがり
倫理的な異論はあるだろうが
これは問題ではないか?
以前から感じていた事だ
タイトルに枠を嵌め直す・・・
「直葬」という送り方
亡き親族としばしのお別れ
この「間」が
遺族の疲れを癒やす重要なポイントとなる
自宅のせんべい布団が
これほど有り難いと思った事は無かった。


