『黒 真 珠 -4-』 | なおそうやのブログ

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使い捨ての時代に逆行し
 「買わない」「捨てない」「諦めない」をテーマに
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祖母が旅立ってしばらくの時間が過ぎた。
 
そして忙しい毎日へと
生活のリズムを戻していく・・・
 
数日が過ぎて、実家へ立ち寄った。
祖母が過ごした部屋の片付けを手伝う為だ。
母親では動かすことができない
ベッドやテレビを移動させては
処分しなくてはならない物、残しておきたい物・・・
分別をしていく。
 
祖母が使っていたメガネ
趣味の園芸で使っていたハサミ・・・
 
< 形見分け >
 
故人が愛用していた品を
形見として子や孫に分ける風習である。
 
細かなものを選り分けている母親に
 
「俺さ、ひとつだけ分けてほしい物があるんだ・・・
           黒真珠のネックレスなんだけど 」
 
母は、少し「?」と不思議そうな顔をしたが
 
「わかったわ、
   それが出てきたら取っておくわ」
 
その日は、その願いを伝え、実家を後にしたんだ。
 
それから数年間・・・
実家へ用事があるたび
母親と会話をする事があるたび
 
「ネックレス、見つかった?」と聞いてみても
 
「それが・・見つからないのよ」
 
母は、祖母が晩年を過ごした部屋を隅々まで
探してくれていたそう。。。
祖母の性格からして、装飾品をアチコチに
散らばせてしまう事も無いハズだしな・・・
 
ついには、実家の改修をする際
祖母の部屋含め
一度「空っぽ」にする必要が出たのだけれど
「黒真珠」は出てこなかった。。。
 
いったい、どうしたものか・・・
 
この計算式に「解」を書き込めないまま
長い時間が過ぎていった
 
 
 
答えがやっと見つかった
 
 
ばあちゃんは
黒真珠のネックレスを付けて
旅立ったのだ!
 
 
天国への道すがら、案内人は言う・・・
 
「あなたの旅立ちにおいて
  大切なものをひとつだけ持ちなさい」
 
その時に選んでくれたに違いない
だから、この世には黒真珠のネックレスは存在しないのだ

 

 

 

これで全ての「解」に行き着いた。
 
 
おもちゃの隣くらいの
お土産屋さんに並んでいるくらいの
そんな黒真珠を一番の宝物にしてくれた・・・
これほど嬉しい事があるだろうか。
 
 
あなたもいつかは「旅立つ」時がくるだろう・・・
その時大切な「ひとつだけ」 
 
何を選びますか?
 
 
私はね
お気に入りの湯呑を持っていくだろうね
そして、もう一度言うんだ
 
 

ばあちゃん!

        お茶ちょーだい

 

また、あの嬉しそうな顔をしてくれるかな?

 
 
                           - END-