そこに書いてある住所をもう一度読んでみる。
今は便利だ。ナビに住所を入力すればボーッと走っても着く。
地図を見ていた頃は少し冒険に近い感覚があった。
走りながら案内板を見て、こっちかな、
あってんのかなと地図の記憶を頼りに
不安を感じながら走って目的地を見つけると
やったと宝物を探し出した気分になり、
ちょっと嬉しく幸せな気分になっていたものだ。
ナビ通りに走っていると、そんなに遠くない。
2、30分で到着しそうだ。
3車線の1号線を走っている時だった・・・。
少しすると、脳裏に強い衝撃を受けた。
同時に失っていた記憶が蘇って来た・・・。
気持ちの良い感覚ではなかった。
カナと会った時の記憶だ。
それは、脇にあるファミレスが目に入った時だった。
きっと、ここはあの時とは全く別の場所だと思う。
しかし、その情景があまりにも似ていたからだろう。
道路脇の雰囲気、道路の広さ、交通量、
視界に入ってくる何もかもが似ていた。
あの時の事を一部思い出した。
とても哀しい記憶だった・・・。
カナを傷つけてしまったあの日。