最近観た映画 アーガイル DOGMEN 哀れなるものたち | クサガメの花とニンゲンの麦

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最近観た映画です(´◡`๑)


「キングスマン」のマシュー・ボーン監督の新作映画


ベストセラーのスパイ小説「アーガイル」の著書であるエリーは創作に行き詰まって、気分転換のために愛猫のアルフィーと共に電車で実家に帰ろうとするが、突如見知らぬ男達に襲われ、エイダンと名乗るスパイに助けられる‥という冒頭


レビューで「観るに堪えない」という評価もありましたが、賛否両論ありそうな映画だなぁ‥と思いました(^◇^;)



マシュー・ボーン監督の「悪ふざけ」的なアクション演出は、面白くて大好きなのですが

キングスマンの頃より斜め上にパワーアップしてましたので辛口の評価があるのも納得


それでも、全体的に高い評価なのは作品に魅力があるからだと思うのです

「虚構」をメインテーマとし、鑑賞してる人をも騙そうとするメタ的表現に、続編が楽しみになりました



スパイ映画なのに、イマイチ格好良くない今作ですが

作中でも「格好いいスパイがいたら目立つ」ってセリフがあり、妙に納得


トム・クルーズさんやジェイソン・スティサムさんが本当にスパイだったら、すごく目立ってスパイ活動なんて出来ないだろうなぁ‥






DOGMEN


「レオン」や「ニキータ」で有名な、リュック・ベッソン監督の新作映画です


大怪我をしている女装の青年が運転していたトラックの荷台には、たくさんの犬が乗っていた‥

そんな冒頭から物語は始まります


彼の奇妙な生い立ちが、拘置所内での精神科医との対話を追う形で展開します


「過酷な生い立ちが、犯罪者になるべく導いた」

というストーリーに、ホアキン・フェニックス主演で大ヒットした「ジョーカー」を思い起こしましたが、鑑賞後の1番の感想は「ワンちゃん可愛い」


犬達だけがが家族で親愛の対象である青年ダグラス

その親愛に応える犬達が、健気で可愛いのです


主人公の青年を演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズはカンヌで主演男優賞に輝いたこともある演技派です


彼が演じたダグラスも魅力的なのですが

わんこさんたちが、童話的に賢くて

ダークな101匹わんちゃんを観てる気持ちになりました




哀れなるものたち


女性の投身自殺から始まる冒頭

天才科学者のゴッドウィンは、死せる彼女に宿っていた胎児の脳を移植し、蘇らせます


初めのうちは、歩くことも食べることもおぼつかなかったベラは、守られ、閉じた世界の外に興味を抱き、不誠実なダンカン誘惑に乗り、世界を知る冒険に出る




印象派の絵画のような美しい映像は、グロテスクで奇妙で、多幸感と不快感が混在してました


過去の時代のようでありつつも、異なる世界観で創造された映像は、奇妙な御伽噺として物語を受け入れやすくしてくれます


原始的な欲望に育てられるが如く

性交渉を通じて世界を知り、知性をとアイデンティティを獲得していくベラ

有害な男らしさの象徴であるかのようなダンカンのダメ男っぷりは可愛らしく、最低

ベラを導く年配の女性陣の言葉は退廃的で革新的



良識という枠を課されたワタクシのジェンダー観に

ベラの無垢な魂は暴力的で痛快でした