舞台 霊スト感想ブログ ~後編~ | MONAサポなおきぃの文字あふれブログ

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Twitterでは書ききれないこととか、
ちょこちょこっと不定期で。

あらあら♡こんにちは

 

なおきぃです。

 

前編に続いての感想ブログです。お待たせしましたー!

前編はこちらです。

 

 

では続きです。

続きは、いよいよキャストの皆さんについての感想を綴りたいと思います。

 

・ご出演されたキャストの皆さんの演技の感想。
※既にキャストの皆様全員に感想を少し綴ったお手紙を千穐楽の日にお渡ししています。
そのお手紙書いた内容と重複してるところがございます。

また、馴れ馴れしくも本文中のお名前はニックネームや呼び名にさせてもらっております。

〇三下雑魚役 芦田雄太さん
もし、劇団MONAが京都南座で舞台をやるのなら1枚目の看板はもう彼しかいないという域にきている文字通りの〝看板役者〟になったなぁと思うのです。

そんなあっちーの主演の演技。

アフロのせいもあると思うのですが、いつもの主演で任されるイケメンくささを思い切って取っ払って、完全に100%三枚目路線の三下雑魚くんに成り切っていました。

これまで、あっちーの演技については全て過去のブログに書かせていただいてますが、今回の演技で特に際立ったのは「慌てる」という演技の上手さでした。

前編にも記載した通り、今回の三下雑魚という人物(?)は、地獄のヒエラルキーの最下層で、案内所の苦情受付専門職という役どころだったのですが、上司の鬼ゼッペリンの無茶な指示や、櫻子探索を共にする三日月に振り回される中で、沢山驚き沢山慌てるシーンがあるんですが、その感情の表現が秀逸だったと思います。

驚いて目をカッと見開いて同じ三下の弱雀と顔を合わせるシーンとか、恐る恐る腰低くゼッペリンに反論するシーンとか、序盤はいわゆるヘタレ感が上手く宿っていましたし、後半になるにつれて「役に立つ喜び」を自覚して、言葉に決意とか覚悟が乗っていくさまも、観客全ての愛されキャラになった要因だったと思います。

 

〇三下雑魚役 新見鈴菜さん
女優・新見鈴菜も、幸運にも初舞台から全部拝見させていただいています。

つまり、僭越ながら言わせていただくと、その女優としての成長曲線もずっと観ることができているわけなのですが、毎舞台で期待よりも上振れする成長の伸びをぶつけられて嬉しい驚きを感じているのです。もちろん今回の霊ストも例外ではありませんでした。

今回のBLUEの冒頭シーン。あの流暢な「地獄1丁目1番地のタルタロス案内所」の説明や地獄世界の背景を観客にお知らせするイントロの部分の完成度の高さにまず驚きました。

弱雀との掛け合いや、その後に登場するゼッペリンとの掛け合いとは、声のトーンや話すスピードをちゃんと変えて、「・・・というわけなんですよ~。お付き合いくださいね」と、観客をその世界に導くような優しい誘導を感じました。

そしてもう一つ驚いたのは、その導いた観客を置き去りにしない、超が付くほど丁寧な表現です。

具体例をあげると、櫻子に黄泉がえりを提案するシーン。

僕はある公演のこのシーンで、あえてずっと鈴菜ちゃんの表情だけを凝視して観ていたのですが、自分が負う犠牲の事は微塵も表情に出さず、あくまでも穏やかに櫻子に提案する表情と口調は、観客を巻き込んで「その方法が一番いいよね」と伝えられているような感覚になりました。

その直後、向日葵から「雑魚君、君の命を犠牲にすることになるんだよ」と言われて、一瞬それをかき消すように大きな声で否定しますが、自分の身の上話をしたうえで、やっぱり櫻子に黄泉がえりをして欲しいんだと口調穏やかに伝える姿は、本当に雑魚君の覚悟が観客の胸に届けられた瞬間だったと思います。

 

実はあっちーと鈴菜ちゃんそれぞれが、相手チームの弱雀役を演じた8/10と8/16の公演は予定が合わず観れずじまいでした。

ずっと同じように劇団MONAを引っ張ってきている二人の共演再び!というこのスペシャルDayの舞台もきっと素晴らしかったんだろうと思います。

 

〇卯月櫻子役 原知慧さん
舞台に立つちーちゃんからは、いつも「役への浸透度が高い女優さん」という印象を強く受けているのですが、今回の櫻子は、他の過去の色んな作品以上に櫻子が身体や心に深く沁み込んでいるなぁと感じました。(終わった今、非常に強い櫻子ロスになってないでしょうか?)

母紅葉との回想シーンでは表情も仕草も幼い櫻子に一瞬で変わり、雑魚の言葉でマリオネットが溶ける感情のグラデーションも、打たれた向日葵を抱き寄せたときに向日葵が実は祖母だったと気づいたときの驚きと喜びが混ざった複雑な表情も、本当に見事でした。櫻子そのものでした。

そして、黄泉がえりをして母紅葉に再会し、心残りとなっていた「向日葵の華」を母に聴いてもらうというシーンも。

ちーちゃんご本人がカーテンコールで言っていたように、毎回溢れ出る感情を抑えることが出来ず、大粒の涙を流しながら歌ってくれる姿は、観ている客席も涙なしでは見れませんでした。

歌い上げた後、抱擁をして去っていく姿は寂しさはあるものの、どこか晴れ晴れと嬉しそうにも感じたのは、それがちーちゃんではなく櫻子本人だったからという結論が一番僕自身も納得する理由なのでした。

 


〇卯月櫻子役 rihoさん
rihoちゃん演じる櫻子は、ちーちゃんのそれとは少し印象が違った様に思えました。

誤解無く伝わればよいのですが、ちーちゃんは役の中に入る女優さんで、「rihoちゃんは役を着る役者さん」という印象だからなのです。(どちらが正解・不正解とか優劣があるという話ではなく、タイプの話です。)

そんなrihoちゃんの櫻子の凄かったところは、心の揺れ動きの表現でした。

崖の上で近寄ってくる向日葵のことを見る不信感たっぷりの表情、三日月と会った時も困惑しかない表現でしたよね。

青鬼たちから逃げ惑う中、マリオネットが溶けて、すこしずついつものrihoちゃんのにこやかで穏やかな表情も出てくるんだけど、雑魚君から黄泉がえりを提案された時の、一瞬嬉しいと思ってしまった顔と、その後雑魚君の命が犠牲になるのなら絶対にそれは受け入れられないという拒絶の表情の対比が、とにかくズシンと心を打ちました。

母紅葉との回想シーンや黄泉がえりのシーンは、とにかくお母さんに対する愛が溢れてましたよね。その証拠に、櫻子がほとんど母紅葉から目を切らないんです。ずっと見つめてるんです。いとおしそうに。

黄泉がえりの「向日葵の華」を歌う間、〝これが今生の別れ〟となることが分かっているからか、母の姿を目に焼き付けておきたいという強い意思がその表情に宿っているように感じました。演技という意味で言うと、もっと観客の方を向いて…が正解なのかもしれませんが、逆にその正解を取らなかったからこその臨場感・没入感が客席でも得られたように思えます。

 

 

〇天野弱雀役 ジャンキソウ ダイさん
キャスト発表の時、「え?あのYouTube本職の?舞台やったことあんの?」というファーストインプレッションが有り、7/26のお稽古見学の時も失礼ながら〝まだまだ借りてきた猫〟のような空気がちょっとあって。ただ、この日はBLUEメインだったのでほぼ演技してるところは観れず。

だから、皮切りRED公演の幕が開くときは、不安半分・期待半分というところが正直なところだったのです。「さぁ、どうなってるかな?」という感じ。

ふたを開けてみたら、あらびっくり。

ここまでいい方に裏切ってくれる役者さんも珍しいと思うぐらい、強烈なキャラクターと確実なセリフ回し、舞台度胸もリアクションも及第点どころか一気にハマり役認定できそうな天野弱雀がそこに居ました。

多分ちょっと緊張もあった皮切りを見た後、次の出演公演である11日のREDを観たときにはさらに良くなっていて、声の抑揚やテンポ感のメリハリが増して、掛け合いの〝待ちタイミング〟が無くなって、脳反射から脊髄反射の反応がちゃんとできるようになっていたように感じました。

そして大千穐楽を観たときには、もうしっかり推しも推されぬ舞台役者さんになっていたんですよ。再びあらびっくりです。

観劇したファンの中にはすっかりダイ君ファンも沢山生まれてました。

今回のご出演はちーちゃんのオファーもきっかけだったとお聞きしていますが、よくぞいい役者を舞台の世界に招いてくれたとちーちゃんも褒めたくなるくらい、素敵な演技だったと思います。

多分、ダイ君は今頃きっと、「もっと舞台やりたい!」ってなってると思います。

麻薬のような魅力があるって言いますもんね。是非劇団MONA作品へのご出演も楽しみにしています。

 

 

〇天野弱雀役 佐藤栞さん
しーちゃんは、あっちーとrihoちゃんが出演された外部のミュージカル作品「フェイクアウトハーモニー2(以下、FOH2と書きます)」で演技を観ていましたし、アーティスト佐藤栞さんという一面はもうかれこれ2年くらい前から存じ上げていたので、改めて初めましてというのがちょっと照れくさくもありました。

あくまでも個人的見解ですが、しーちゃんの弱雀は、「とにかく楽しんでたな~」っていう印象でした。

しーちゃんご自身はすっごく腰が低くて丁寧で優しくて少し人見知り気質で、アーティストとして歌われる歌は元気な曲もしっとり聴かせる曲もあって、とにかく凄く素敵な方なんです。

そんな素敵な方に、あれだけ口が悪い暴言を吐かせる青木さんの意地悪な事・・・。

というか、日ごろきっと口にしないであろうネガティブワードや卑屈な姿、汚い言葉を吐露するところが、しーちゃんご本人とのギャップがありすぎて、しかもイキイキとやってる姿を見て、「ははーん。こりゃしーちゃん、ここぞとばかりに楽しんでるな~?さてはw」と思わせてくれるのに十分な好演でした。

特に好きだったのはゼッペリンの弱みを突いて閻魔様に話に行かなきゃーって時の、超いたずらっぽい表情。あの表情大好きなんですが、あの時の表情は弱雀のものなのかしーちゃんのものなのか是非聞いてみたい気がします(笑)

ちなみに、10日と16日のBLUEでは代わりにあっちーが弱雀を演じてたけど、実は10日とかはアーティストの佐藤栞としてライブに行かれてたんですよね?

お稽古から本番中まで、とにかく精力的に活動されていた姿が尊敬に値します。

 

 

〇紅葉/夕闇/朝霧役 中原愛さん
今回の霊スト、キャスト発表があった時にまず「本推しやります」って宣言したのが愛ちゃんでした。

実は、前述のFOH2という舞台、愛ちゃんはrihoちゃんと別チームのダブルキャストで演じられていて、僕はrihoちゃんの舞台だけを生で見て、愛ちゃんの舞台は配信でしか観ていなかったのです。

僕は配信で拝見したその演技力の高さに惹かれていて、FOH2のスピンオフイベントで初めてご挨拶した際に、「今後何かご出演される時には必ず観に行きます!」とお約束したことを今回叶えたというわけです。

さて、そんな愛ちゃんの演技はというと、REDの紅葉/朝霧役、BLUEの夕闇役、その3役全ての完成度の高さが際立っていたように思います。

紅葉の役はちーちゃんの櫻子を愛でる笑顔が愛らしい回想シーンと、その愛する娘が突然目の前からいなくなって憔悴しきって生気が抜けた母親の姿のギャップが凄かったんです。

黄泉がえりした櫻子に伸びる手は弱弱しく、丸く曲がった背中の姿は苦悩が詰まった姿にしか見えませんでした。

「向日葵の華」の曲中、思わずかけてしまう「お母さんは櫻子の歌が大好き!」という咆哮。

あの叫びは、愛ちゃんの中に実在する紅葉が発せさせた心の声のように感じたのでした。

一方でアクション満載の夕闇と朝霧。

おりりこミネルバに忠誠をつくし、キラキラと目を輝かせる夕闇は、「お前たちは私にとっても青鬼にとっても大事な鬼」と認められた時の恍惚過ぎる表情が印象的で。

れいぴょんミネルバに従う朝霧の時は、うーちゃん演じる夕闇よりほんの少し若い鬼を演じて、力強さと一緒に可愛らしさも兼ね備えた可憐さも一緒に醸してましたよね。

3役とも完ぺきにこなして見事でした。

 


〇紅葉/夕闇/朝霧役 伊藤卯咲さん
うーちゃんもFOH2以来だったお一人。

公演前のお稽古見学の時、特に真剣なまなざしで他のキャストが行っている立ち稽古や青木さんの演技指導を見つめるうーちゃんの姿がほんとに印象的でした。

後々気づいたのですが、その時繰り返してたシーンは紅葉とも朝霧とも直接は関係ないシーンだったんですよね。

そんなことがあって見た本番で感じたのは、うーちゃんの演技の作品への親和性の高さでした。

この女優さんは、ご自身の演技がいかにこの作品に溶け込んで活かされるかを徹底的に求めているなというアプローチを感じたのです。

朝霧の時はあまり発するセリフは多くないのですが、愛ちゃん演じる夕闇に指示された時やミネルバに命令された時、「は~い!」と元気に、そして足取りも軽やかにひらひらっと駆け出していく無邪気な鬼というニュアンスが活かされていて。

一方、黄泉がえりしてきた櫻子を迎える紅葉は、黒の和服・白髪頭・丸まった背という風貌に加えて、〝裸足〟でいたことが僕の涙腺をいじめてくれました。

父が急逝して大阪から駆け付けた時、その亡骸に寄り添う母も全く同じ姿で、多くの弔問客がいるにもかかわらず老いた素足を出していたことを思い出したのでした。

REDの夕闇の時は、とにかく颯爽とカッコよくれいぴょんミネルバを支える腹心という姿が光っていたという印象です。

3役どの役も、この形のピースになれば劇にバチっとハマるというその役作り・表現の精度の高さを実感した好演でした。

 

 

〇ゼッペリン役 平宅亮さん

皮切りREDの舞台の幕が上がり、一番驚いたのが冒頭の平宅さんの登場シーンでした。

中央扉がバーン!と観音開きに開き飛び出してくるゼッペリン。その格段に大きくて奇抜な恰好と、全ての発言に濁点が付いてるんじゃないかと惑うほどの圧迫感のある大きな声。

下っ端である三下雑魚・天野弱雀に話す姿や、その場には居ない閻魔様に怯える姿で、その地獄の世界のパワーバランスが一気に客席に浸透したんですよね。

あ、この舞台きっと面白いぞ!」と確信が持てる登場シーンだったと思います。

そして、実はこのゼッペリンが赤鬼を裏切って青鬼に近寄っていることや、その青鬼さえも裏切って実は自分の野望の為に青鬼を利用しようとしていたという野心が、徐々に明らかになるにつ入れて、どんどん声のトーンはドスが効いてきて、ふてぶてしさや荒々しさが徐々に際立ってくる(表面化する)グラデーションがずっと続いていたところが、ただただすげぇなっていう感想を持ちました。

最後に放つ自分の野心の核心といえるセリフ、「生ぬるい地獄じゃなくてもっとヒリヒリした毎日を送りたい」という言葉を三日月に投げつけるときの、鬼の鬼たる姿をガッと全面に出すところが好きで、歌舞伎役者が見栄を切るときのようなそんな錯覚に陥るカッコよさもありました。

凄いゼッペリンを魅せていただきました。

 


〇ゼッペリン役 中島銀治朗さん
先に平宅さんのすげーゼッペリンを拝見していたから、BLUEを見る前は「さーて、銀ちゃんのゼッペリンはどうだろう?」という期待と不安の両方があったりしたんです。

だって、身体は大きいけど根がほんとに優しい優男・銀治朗に、どこまで悪役になれるのか、そもそも鬼っていう姿と対極にいる方なんだもん(笑)

ただ、そんな僕の想いは全くの杞憂だったことが判明しました。

鈴雑魚や栞弱雀に対するときは常にふてぶてしく、えらそーで。

架空の閻魔様に対するときはまぁ、極端に卑屈で。

そして、悪役であることがばらされた後は、登場シーンごとに悪(ワル)のバージョンが1.0から1.1⇒1.2⇒2.0⇒3.0という感じで明確にバチンバチンとアップデートしていく感じ。

平宅ゼッペリンとの対比ではないのですが、じわじわぁっというグラデーションでは感じない、このワルのアップデート感が中島ゼッペリンの真骨頂だったんじゃないでしょうか。

その証拠に、徹底的に悪い方に振り切った直後に、弱雀の焼きそば攻撃&三日月の霊ガンを食らったとき、あの会場中の観客にぶわっと湧き上がった〝ざまぁみろ〟という空気。

あの空気を作れたことで中島ゼッペリンは大好演だったと思うのでした。

いよいよちゃんとイケメン役をやらせてみたい俳優さんになってきたようにも思えています。

 

 

〇三日月役 田北良平さん
田北さんの演技を拝見するのは初めてではなくFOH2で演じられた主演が最初でした。

その時感じた印象は、とにかくセリフ回しもアクションもカッコよくスマートでクールで・・・と、美辞麗句を並べるのは簡単なのですが、一言で言えば「二枚目俳優」というラベリングが合致するような印象「でした」。

霊ストもそんなカッコイイ役どころなのかなと思ったら、まぁ、青木さんの掌の上で大変な役どころを任されましたね~という率直な感想でした。

とはいえ、颯爽とした登場シーンから、いちいち決めゼリフライクな一言一言が、雑魚君同様に鼻についてたり、やたら〝逸材〟という響きに酔うシーンも、櫻子から忘れられていて嘘月と呼ばれて、手が付けられない拗ねっぷりを魅せるあたりも、そういった三日月の細かい仕草や性格描写の引き出しが本当に多い役者さんなんだなぁと、惚れ惚れと実感することが多い三日月でした。

宣伝ではないのですが、12月に原知慧さん・中原愛さん・伊藤卯咲さん・佐藤栞さんと一緒にミュージカル「Dreamer」@ABCホールへのご出演が決まっています。

また別の引き出しの田北さんの演技が観れるんじゃないかと今から楽しみにしています♪

 

 

〇ミネルバ役 汐沢怜華さん
れいぴょんも今となっては劇団MONAにも劇団MONAx青木作品にも欠かせない名女優となっていますよね。この〝欠かせない〟というところが大事で、必要な演技を必要な役の上でパチンと嵌めてくれる能力の高さがうかがえるミネルバでした。

荒々しくも可憐でカッコよく、夕闇・朝霧を従えるボス感が漂う風貌も、言葉の端々に感じる妖艶さも、全てが観客が求めたそのイメージそのものだったと思います。

(なにより青木さんが大好物なんだろうなーって感じてるんですが(笑))

同じロックアイドルfreciaとして活動している沙耶ちゃんの向日葵との掛け合いも見事で、お互いの顔が見えない二画面型(前編参照)でありながら息ピッタリのやり取りは流石!って感じる場面でした。

そのミネルバの最大の見せ場ともいえるマリオネットを掛けるシーン

夕闇・朝霧と弱雀・櫻子の手振りダンスに目が行くところなのですが、眼を見開いてふてぶてしく口角を上げて踊るれいぴょんミネルバの恍惚な表情がたまらない見どころでした。

おもわず、このシーンのゲネ写真無いか探したぐらいお気に入りのシーンでした。

次回作も楽しみになる好演だったと思います。

 


〇ミネルバ役 伊藤利里子さん
TBに続いて、れいぴょんとのダブルキャストになった今回のミネルバ役。

きっと脚本・演出の青木さんの狙いの中にも、そのれいぴょんミネルバとの対比も一つの見どころだから楽しんで!という舞台になっていたんだと思います。

まず、共通項と言えるのはその妖艶さ。青鬼という色のイメージからも、冷徹・クールという印象もあるのですが、まさにれいぴょんもりりこちゃんもクールビューティーという美しさがベースにありました。

そのベースの上にあるおりりこミネルバのイメージは、〝猟奇性〟という感じ。赤鬼を倒すことも櫻子を取り返して自身の野心を達成することも、どこかゲームのように楽しんでいるところがあって、ニヒルな表情でどんどん追い詰めていく姿も「ほんまは一番やばいやつ感」を綺麗な衣装と一緒にオーラとしてまとっていたように思えました。

一番最後のシーンで、雑魚君のナレーションに導かれて夕闇とシュプレヒコールをしながら降りて来るところ、最初は真面目な顔なのに、観客の方に目が言った瞬間に一瞬目が笑っているところも、「それりりこちゃん?それともミネルバ?」っていうツボポイントだったりしてました。

他のキャストさんもそうだと思うのですが、特段りりこちゃんはこのご自身のミネルバっていう役・キャラクターを気にっているってことが伝わるいいお芝居だったと思います。

 

〇向日葵役 沙耶さん
沙耶ちゃんも、れいぴょん同様にライブを続けながらの舞台のお稽古・本番があり、体力的にもかなりヘビーな1か月ぐらいだったんじゃないかなと思います。

一番驚いたのは、そんな超多忙だった沙耶ちゃんが、皮切り公演からトップギヤに入った迫真の演技を魅せてくれたこと。(皮切りREDの後は、主催の対バンライブもあったんですよ!?)

その後も、大千穐楽まで3公演を拝見したのですが、その凄い向日葵のまま&更にどんどん良くなっている印象があって。今回の公演中の僕は、沙耶向日葵の仕上がり・完成度にずっと〝凄い、凄い〟って言っていたように思います。

多分過去のブログでも書いていると思うのですが、沙耶ちゃんは、舞台上でそのキャラクターのその時々の表情づかいとセリフに乗せる感情の力が抜群で、いつも観ていて心情をわしづかみにしてくれるんです。

霊ストの中で言うと、例えば三日月と雑魚君と一緒に櫻子救出の作戦を練るシーン。

色んな情報共有をお互いにしあったり、過去に雑魚君に合ったことがある話をしたりと少し色んな感情が混ざったシーンなのですが、細かくその時々の表情と声のトーンを変えて、このシーン最後の「頼んだわよ!雑魚君」の一言に至るまで、明確に伝えてくれていた気がします。

そういった詳細の部分まで細かく丁寧につくりあげるのって本当に大変なことだったと思うのですが、あたかもさらっとやっているように魅せてくれてたのが凄かったなぁという印象でした。

 

〇向日葵役 松山莉奈さん
そろそろ語彙力もなくなってきてるのですが、最後はりな向日葵。

予想していたことではあったけど、前作のカミオクでヒロインの茜ちゃんをやったことが、こうも見事に次の出演作品に活かされるのかというのを強く実感した霊ストBLUEとなりました。

それは、なにか変化したというより、ご本人も気づいていないアップデート・レベルアップなんだろうなと思ったところです。

お稽古見学では率先して自前のスマホで動画で記録しながらお稽古をしていたり、周りのキャストの皆さんをリスペクトしつつもしっかり自分の意見を主張する姿も見えていましたし。

もちろん本番では、「よりいい作品を届けるんだっ!」というこの最後の小さい「っ!」の部分が向日葵の演技のしっかり乗っていて、丁寧な言葉贈りも派手なアクションシーンも、観客に沢山の感動と驚きを届けてくれていたと思います。

きっと一番難しくて沢山苦労したのは、櫻子の腕に抱かれておばあちゃんの気持ちになるシーンかなと思ったんですが、大丈夫。しっかり大号泣させてもらいました。

もちろんこれまでのご出演作品も素敵な演技ばかりだったりなちゃんですが、アップデートして臨まれた今回、さらに大きなアップデートを得た舞台になったんじゃないかなと感じています。

 

 

ざざぁっと全キャストの皆さんの感想を書きなぐらせていただきましたが、忘れちゃいけないのは今回が初のロングラン公演だったということです。

お稽古期間を入れると一か月強になるのでしょうか。

お手紙にも書かせていただきましたが、全員で無事に完走されたことを心から賞賛させてください。

また、ある時りなちゃんが配信で話してくれていたこと。

「ロングランも凄いことなんだけど、ストーリーが人の生死にかかわることだから、毎回その気持ちをリセットして舞台に立つメンタルの強さも必要だった」っていうことを伝えてくれて、確かにそうだよなぁと、目からうろこが落ちた気がしました。

皆さん本当に素敵な舞台を全身全霊で届けていただいたんだと思います。

本当にありがとうございました。

 

・演出効果(音響・照明)に関する感想。

音響効果の廣岡さん・北条さん、照明効果の和泉さん・山元さん・勝田さん
音づくりも光づくりも、いつもながら本当に凄いです。今回も凄かったです。

きっと素人には分からないご苦労も沢山あると思うのですが、劇場の一番後ろの調整席から客席を含めた舞台全体を俯瞰して、ライブ(生もの)の舞台を、ひとつひとつ丁寧に創りあげていただいたんだろうなぁとカーテンコールのたびに感銘を受けていました。

公演後に「よかったです~!」ぐらいのお声がけをさせていただくことが精いっぱいだったのですが、一回じっくりZoom会とかいかがですか?(笑)

 

・舞台セット・大道具・小道具に関する感想。

まず、舞台美術でいつもお世話になっているENDO工房さん

前編でもお伝えしたシンメトリーの舞台セット。本当に素敵でした。

漆黒ではない灰色交じりのモノトーンのウェザリングも見事で、照明の当たりも最高でした。

 

次回作のロミジュリもオファーがされているとお聞きしています。

楽しみにしていますね!

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・総評。まとめ&言い残したこと。

実は今回の霊ストについては、僕個人はそれほどロスが来ていないんです。

千穐楽の次の日から、かなり心穏やかに過ごせているのですが、それもこれも作品の内容に満足して納得しているから、一種の成仏なのかもしれません(笑)

 

ただし、ロスは来ていないけど欲しがりは欲しがりです

地獄歴2024年8月13日~8月18日の物語は終わりましたが、また別の日の面白いエピソードがあるんじゃないでしょうか?

今日も地獄1丁目1番地ではあの二人が諸々案内してるんでしょうからね~。

青木さん、宜しくお願いいたしますね!

 

改めまして、キャストの皆さん・スタッフの皆さん・アテンドをしていただいたリエさん・いっぺいさん・ケバブさん、楽しい10日間を届けていただいてありがとうございました!

 

また、現地で沢山楽しいお話をしていただいた沢山のお友達の皆さん、初めましてのご挨拶をしていただいた皆さん、大変お世話になりました。本当に楽しかったです。

実は、11日のRed公演を観たカーテンコールで、あっちーやれいぴょんやダイ君が「この舞台を通じて、大切な家族や友人の事を想ってください」ってメッセージを伝えてくれて、それが胸に強烈に刺さって。

いつもライブや舞台を楽しみに足しげく通う僕ですが、イベントの時に遠方からお越しになっているお友達に会えることが、実はこんなに幸せな事なんだと改めて実感して、アンケート書きながらわんわん泣いていたんです。

 

本当にいつもありがとうございます。また近いうちに是非お会いしましょう!

 

 

長文・駄文本当にお付き合いいただきありがとうございました!

以上です!

 

「じゃぁ、お元気で!」

 

 

おしまい♡