舞台 霊スト感想ブログ ~前編~ | MONAサポなおきぃの文字あふれブログ

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あら♡こんにちは



なおきぃです。

いやー、終わりましたー。10日間20公演の初ロングラン。

霊界ストレイキャッツ こちら地獄1丁目1番地』

 

僕は、9日皮切りRED、11日マチネRED、13日マチネBLUE、18日千穐楽BLUE&REDの計5公演を観劇することが出来ました。

他の公演を観劇されたファンの皆さんの感想コメントを拝見すると、どんどんアドリブや工夫も入っていたというお話もあり、全通とはいわないまでも、願わくばあと数公演追加で観てみたかったという思いもあります。

感想としては、そう思うぐらいなのですからもう伝わってると思います。

 

一言でいうと、「#霊スト。本当に面白くて素敵な舞台でした」という感想になっちゃうんです。

 

とはいえ、食レポで「美味しい!」としか言えない感想はいまいちだと思いますし、全5枚の観劇後のアンケートの「公演を知ったきっかけ」項目に、「その他(劇団MONAのファンです)」と書いた僕なりの矜持もありますので、しっかりもう少し個人的視点で掘り下げをしてみたいと思います。

 

僕のブログ、例によってかなりの長文です。

 

お品書きとしては以下の通りと考えています。

・作品構築に関する全体的な感想。

・脚本・演出に関する感想。

・ご出演されたキャストの皆さんの演技の感想。

・演出効果(音響・照明)に関する感想。

・総評。まとめ&言い残したこと。

 

ではいきますね。

・作品構築に関する全体的な感想。

まず、これまでの劇団MONAの舞台と比べても非常に特徴的だったのは、舞台セットのシンメトリー構造&表現の多様性ということです。

これまでの劇団MONAの舞台構造は、「上手が部屋の奥、下手が玄関・出口」とか、「上手がキャピュレット、下手がモンタギュー」という感じで、舞台面そのものの上下(かみしも)が無意識に意味を持っていたりしたでしょ?
霊ストについては、完全シンメトリーのセットで、あえて上下(かみしも)に何か方向の意味を持たせなかったことで、観客の脳内シーンの切り替えの自由度が格段に増していたように思います。(まぁ、誰も知らない広い広い地獄の世界だからということもあって不自然さが一切なかったのかもしれません)
 
また、舞台の出入り(ではいり)が、一階の上下(かみしも)+二階の上下(かみしも)+中央扉の5か所もあり。
しかも上手と下手両方に踊り場付きの階段が設置されていて、1公演9人の演者が、舞台裏での上り下りだけでなく、舞台内でも上下両サイドで上り下りができるし、踊り場に立ち止まって一段高いところから演技ができたり、この130cmぐらいの踊り場から飛び降りるというアクションを加えたりと、縦横無尽の組み合わせがとてもいい躍動感と無限の自由度を産みました。
実はこの5か所の方向性の他に、客席に向かって、さも対面で人(モンスターデッドor閻魔様)が存在する演技をするシーンもあり。
いわゆる、表現の方向性の矢印が水平方向と上下方向だけじゃなく、斜め上&斜め下+前方向+奥行き方向と非常に多様性に富んでいたことが作品全体の大きな膨らみを産んでいたと思います。
 

 

また、逃げる雑魚・弱雀・三日月・櫻子・向日葵とミネルバ・夕闇・朝霧が直面するシーンでは、一階と二階を2つの画面に切り分けて、両方が客側正面を向ているけど実は正面を向き合っているテイというそんな表現がありました。
これは同時に二つの配信者が並ぶ動画配信やZoom会議などが日常に浸透している観客にとって、すんなり受け入れられた表現であり、上手い見せ方だなぁってうなりました。

 

次に、凄く意味を持っていたのは極端に短いシーン間隔と最低限且つ効果的な暗転です。

これも凄く特徴的でした。ただきっとキャストの皆さんはめっちゃ大変だったと思います。

前述のセットの二階上手に人が消えたら、一階下手から人が出てくるとか、一階上手にはけたら二階下手から人が出てくるとか。
そういうシーン切り替えが沢山あったのですが、とにかくその間隔がほんの1,2秒で。

決して消え残りで次のキャストが出てくるとかそんな人の重複のミスはなく、きちんとはけてから出てくるのですが、本当に短い間隔でポンポン切り替わるシーンが小気味よく、物語のテンポ感が非常にいい感じに保たれていたと思います。

一方で、櫻子と紅葉の回想シーンなどはきっちり暗転を入れて空気を換えてたのですが、そこから今の櫻子につなげるところでは、あえてはっきりと暗転させずに紅葉だけをはけさせて、すかさずミネルバを呼び込むなど。

これらの素晴らしいこだわり?は、舞監の小林さんが観客の感情や感覚を見事に誘導した部分だったのではないでしょうか。

 

繰り返しになりますが、この2つ挙げた作品構築の工夫ですが、全20公演をやり切ったキャストの皆さんにとっては、本当に大変だったと思います。

次に入る順番、次に入る場所、次に入るタイミングの全てを完璧に理解して、間違えることなく遅れることなく早すぎることなく・・・って考えただけで、凄いことやったんだなぁっていう感想なのでした。

 

・脚本・演出に関する感想。

わたいそに次ぐオリジナル作品だった青木道弘さんの霊スト。

今回もお稽古見学から拝見させていただきました。

まず先にツッコミどころを誰も突っ込めていないかもしれないので、あえて突っ込ませてください。

赤鬼の親分の名前をゼッペリンにしたのは、イギリスの70sロックバンド、レッド・ツェッペリンをモジりたかったからですよね?きっとそうですよね?

知りませんよ。コアなファンが、「俺最強!いえーい!」とか、レッド・ツェッペリンはいわねーよ!とかクレームが来ても(笑)

一方で青鬼の手下の名前が夕闇と朝霧というネーミングはセンス良くてカッコよかったです!

 

お話の中身については、原作(モチーフ)そのもののテイストがこれまでの劇団MONA作品との大きな違いがありました。

それは、「主役が大きい話」ではないということです。

霊ストは、ヒエラルキー的に一番下にいる三下雑魚が主人公。
その主人公三下雑魚はいわゆる「ザ・主人公」というより、ストーリーテラー的な位置づけでオープニングが始まり、ラストシーンはその雑魚くんの5日後の変わらない日常という風景で終わります。
今回の三下雑魚という主人公は、全ての色んなキャラクターと様々に絡み合いながら、その全ての相手キャラクターを活かすことができる『触媒』という位置づけの主人公像だったように思えます。

 

さて、脚本本体ですが、ストーリー自体が非常に論理的でわかりやすく、伏線の散りばめ方といい、その伏線を回収するタイミングも素晴らしかったと思います。

この違和感がなかったからこそ、後半の感動のセリフ・シーンが胸に届く没入感が得られたのだと思います。

また、ゼッペリンの一人芝居を入れるタイミングや、紅葉と櫻子が登場する回想のタイミングも絶妙で、ジェットコースターのように流れる櫻子争奪戦というストーリーの中で、いいアクセントとなるポンピングブレーキという感じでした。

そして、なんといっても「向日葵の華」の歌詞。

しっかりと力強く、そして優しく。向日葵・紅葉・櫻子の絆を醸し出させつつ、聴き手の観客も自分の家族の話に置換できるそんな素敵なストーリーだったと思います。

 

演出については、どこまで細かい演出を付けられていたのかは、お稽古見学でも確認させていただいておりました。
その時にも感じた感情ですが、とにかく「こう演技したら、こうセリフを発したら、観ている観客はこう感情が動くよね」ということに徹底するのが青木流と感じています。

ちょっとした身体の向きや、仕草・表情・言葉の抑揚など、全てのキャストの皆さんの振る舞いがナチュラルすぎて、演技であることを忘れていたことも、まんまとしてやられたポイントだったと思います。

こう演技しなさいではなく、ここまで届けなさいという意図が非常に詰まった演出と感じています。

 

 

・ご出演されたキャストの皆さんの演技の感想。

はい、ここから更に長くなります。

15人お一人お一人の感想ですが、公式HPの紹介順にお届けしたいと思います。


が!!思いがけずここまでが非常に長くなりましたので、とりあえず一旦ここまでを前編として、続きは次のブログで続きを書かせていただきます!ごめんなさい!

(もう結構書けているので、20日中には後編をアップします!したい!)