劇団MONA「ROMEO AND JULIET」第3期 の感想ブログ | MONAサポなおきぃの文字あふれブログ

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Twitterでは書ききれないこととか、
ちょこちょこっと不定期で。

あら♡こんにちは

 

ご無沙汰しております。なおきぃです。

 

書く書くと言いながら下書きから進まなかったロミジュリ3期の感想ブログですが、ようやく仕上げることが出来ました。

長文になりますが、お付き合いいただければと思います。

 

 

大きく4章に分けて書かせていただきます。

  1. 総括
  2. キャストの皆さんの演技
  3. 脚本・演出・セット
  4. 東京公演に向けて
なお、ネタバレに該当する部分も含みますので、DVDを観るまで・東京公演を観るまで我慢したいという方は特に2章以降を読むことはお控えくださいませ。
では、お付き合いくださいませ。
 
1.総括
2023.1.20-22の3日間。場所はABCホール。
A,B⇒B,A⇒Aの全5公演。
全て観劇させていただきました。
この3日間全体の感想を、まず一言でお伝えすると、
このMONAロミジュリが一つの完成形だ」と思いました。
 
第1期・第2期はあべの近鉄アート館の3面舞台で行わており、いわゆる「一般的な舞台作品」の形としては、亜種というかアン・スタンダードな公演だったと言えますよね。
だから、1面(正面)だけの舞台でどのような演出になるのか、2期からの上積み(足し算)と、そぎ落としたもの(引き算)がどのように構築されるのかという点が、個人的には一番注目して期待しているところでした。
 
そして、舞台として本質的に洗練されている点が沢山あり、物語全体から伝わるメッセージに感動が溢れる自分を「大きな満足感・充足感」で包み込んでいただいたような、そんな5公演だったと思います。
 
なぜ「完成形」かというと、このストーリー・この演出・このキャストとその演技・このセットを一つのパッケージとして、どこの箱でも演ることができるよね?という思いからです。
磨くところは更にあるかもしれませんが、そのまま「次は名古屋で!」「次は福岡で!」といった形で持って行くことができると思うのです。
この点は最後の4章でも少し触れたいと思います。
 
いやー、感動した。そして大満足でした。
ありがとうございました。
 
 
2.キャストの皆さんの演技
やっぱりこの章が一番長くなります。
お一人ずつ書かせていただきます。
2期と同じく、役名は全キャストにお渡ししたお手紙の封筒に書いたイタリア語の表記で。
 
 Lady Capulet役 汐沢怜華さん
本格的な劇団MONAデビューおめでとう。
(1期はダンサーだったからね)
れいぴょんの彼女にしかできない・彼女が産んだ新しいキャピュレット夫人でした。氷の微笑のシャロンストーンっぽくも見えたり。
セリフの強度や仕草の工夫に限らず、目線や眼の奥の色の変化、口角の上げ下げや眉間のしわの寄せ方まで、本当に細かくキャピュレット夫人の感情とその変化を表していたところに感銘を受けました。(本当に初舞台?)
いい女優を手に入れたね。劇団MONA。っていう感想です。
 
Sig.Gregory役 CHIHIROさん
本格的な劇団MONAデビューおめでとう。
(ちひちゃんも1期はダンサーでした)
アーティストとしてのちひちゃんの声量とブレスの上手さが舞台女優としても発揮されていて、ド派手な殺陣の合間のセリフもがっつり届くのすげー!って思ってました。
実は稽古期間、freciaの外部イベントで少しお話しただけでも目にLEDライト仕込んだかのようにキラッキラ輝かせて話してくれたのがとても印象的でした。
毎回こだまベンヴォーリオに右足一本でぐるん!って転がされるところが「ひぃー!」ってなるポイントでしたけどね。
 
Sig.Sampson役 大西亜依さん
ラスメロ以来の舞台ですね。初ロミジュリおめでとう!
ラスメロの時から亜依ちゃんの舞台映えは実感してたのですが、長身&脚長のスタイリッシュないでたちのAIで、いかにも強そうでしたよね。蹴りの鋭さが際立っていて、吹っ飛ぶチーモンのメンバーの演技も相まって威力を感じる殺陣でした。ロミオを見つけたときの、やらしい氷の表情も◎でしたね。ティボルト役も観てみたくなりました。
 
Sig.Padorph役 堀井雪乃さん
ゆきっちゃんもラスメロ以来ですね。初ロミジュリおめでとう!
インナーカラー?メッシュ?のヘアスタイルも、独特なメイクも超ガッツリハマってたし、殺陣の腕の振りとかに迷いがないからスピードが売りの戦闘型A.Iなのかなという印象を持ちました。
いやー。彼女もいわゆるカメレオン系の女優さんなんですよね。もう、化ける化ける。
殺陣の派手さだけじゃなくて、待ちの演技の時の表情も拘っていたように見受けられました。
 
Lady Montague役 渡辺あかねさん
際立って心躍ったキャスト発表のお一人だったのがあかねさんの夫人役。
いい意味で人間臭さというか、おかんの気の強さとか脆さもその表情や目線からも現われていて、やんちゃな子供の頃のロミオを叱ってる母親の姿もイメージできたんですよね。まなロミ・あちロミと直接言葉を交わすシーンはないんだけど、息子に対する感情は微妙に変えていたようにも感じました。
季正モンタギューとの息もピッタリで、本当の人間の夫婦・息子を愛する母にしか見えない好演でした。
 
Count Paris役 手塚マナカさん
2期のキャピュレット夫人役から一転して殺陣もあるパリスを演じたてぬーさん。
着飾ったドレスもすてきなんだけど、あのミステリアスなマスクに可憐な振る舞いがどこか中性的で、博士やジュリエット、キャピュレット夫妻との絡みもニヒルさが際立った新しいパリス像だったと思います。
ロミオとの殺陣は凛々しくもやられっぷりが痛々しくて全公演「も、もうその辺で…」って思って観てました。(笑)
 
Sig.Thomas役 石木さゆりさん
前説も含め、アクロバティックな動きに定評があるまめめですが、指先・剣先の流線的な淀みない所作や殺陣もカッコよかったよね。
マキューシオが逝くシーンでは兄のように慕っていたからこその虚無感が表現されていて、また、チーモンのまとめ役的な立ち位置や振舞いも、その動きや身振り手振りからも読み取れて、しっくり腹落ちしたチーモンが出来上がっていたように思います。
 
Lady Capulet役 西岡千尋さん
れいぴょんのキャピュレット夫人との対比もあって、相対的には娘に寄り添うタイプの母親、でも夫には逆らえないところがふんだんに醸し出されていた好演だったと思います。
れいぴょんがシャロンストーンだとすると、ちーちゃんはニコールキッドマンかな。
ジャネットとの関わり合いのシーンも好きなんだけど、もっと長尺でじっくり沢山見たくなっていました。
 
Dr. Lawrence役 優木風見さん
舞台の配役でのハマリ役。発表を聞いたときに「パチン」と音が鳴ってハマるタイプと、音もたてずになめらかにそこに「スッ」とハマるタイプがあるとするならば、風見ちゃんのロレンス博士は後者でしたね。
キーパーソン・ストーリーテラー・ハブ…。
役割が多くて公演の全体の色を作る大切な役だからこそ、観た後は「あー、ハマるべくしてはめられた役。やるな風見ちゃん」という感想でしかありませんでした。
それでいて、1期・2期のDr.rihoをなぞるではなく、ご自身の解釈もきっちり表現されていたところがさすがでした。
 
Sig.Tybalt役 野口一真さん
改めて言うまでもなく彼の表現者としての「器用さ・オールマイティさ」の高水準なところは認められているところだと思うけど、それにしてもヒールやらせるとここまで怖いのかっていうぐらいそのふてぶてしさたるやとんでもないものでした。
「意味がある悪役」としては、ラオウに近いキャラだったと思う。振り切り方がさすがでした。
 
Sig.Tybalt役 吉田莉多アシュレイさん
初の女性が演じるティボルト。役者としての力が試される場面だったと思うけど、とにかくほれぼれするほど見事な怪演でした。
スタッカートが利いたセリフの発し方も、暴言の吐露なんだよね。音こそしなかったけど、一言一言の後に舌打ちしてるんじゃないかと思うほど、まぁ、とにかく憎たらしかった。
 
Sig.Mercutio役 齋藤大地さん
ロミオ経験・ティボルト経験もある大地君がマキューシオをやると、こんなに色気がでるのかというファーストインプレッションでした。
いくつか大事なシーンがあるのですが、個人的にはチーモンがモンタギューvsキャピュレットの経緯を話してる時にいら立ちを募らせる表情が大大大大大好きです。
 
Sig.Mercutio役 新見鈴菜さん
「5公演観て、MVPを誰か一人選んで」って言われたら…。僕はりんりんのマキューシオですかね。
いや、もちろん全てのキャストさんそれぞれの魅力が非常に高いレベルで存在してたんだけど、僕の主観では、想像していた・期待していたものをガバッと上回ってきたのが彼女のマキューシオでした。
感情の強弱・抑揚、それに見合った態度・仕草・言葉の全てが高いクォリティで、ナチュラルだったんだよね。
カーテンコールまで、「あ、りんりんだったんだ」って気づかないぐらいマキューシオそのものだったように思えます。
誇張表現ではなく。
 
butler役 江口史恭さん
ふみやすくんの執事も精度が高かったなぁ。コミカルなシーンもシリアスなシーンも、役者としてのふり幅が求められる難しさがあったと思うけど、徹底的に振り切れていたと思います。
なんか「頼りがいがある役者」という感じで、どんな荒れ球を打っても、相手正面に的確に打ち返してラリーを成立させるテニスのコーチのような丁寧な演技だったと思います。
彼も好演でした。
 
Sig.ra Janet Capulet役 愛原有里彩さん
ジュリエットを演ったことがあるありちゃんだからこそ演じられる〝姉・ジュリエットへの糖度が高い〟ジャネットだったよね。結婚式でロミオにかける一言が本当に愛らしくて好きなシーンでした。
ありちゃんのジャネットは可愛いだけじゃなくて小悪魔的要素も見え隠れするから、観てるこっちはニコニコだけじゃなくニヤニヤしていました(笑)

Sig.Capulet役 KENTAROさん
おかえりキャピュレット。
改めて言う必要もないけど、1期のキャピュレットの後、2期を外から観客として見たからだろうか、パワーアップの度合いが半端なかった。
キャピュレットの中の幹の部分が凄く図太くなっていて、1期の時もはまり役だなと思ってたけど、3期ではもうそのものという姿でした。
相変わらずの大迫力の殺陣も圧巻。新しい技も織り交ぜてこちらもグレードアップを感じました。いやーすごかったぁ。
 
Sig.Abraham役 藤田真衣さん
前期に続いてチーモンのまいぴー。1年で演技面の伸びが一番光ってた女優さんのお一人です。
ダンサーでもあるからアクション・殺陣のシーンは安心してたんだけど、それ以上に言葉の掛け合いとか目線での会話のちぐはぐさが全くなく、気心知れた仲間の空気が確かにそこにあったと感じた5公演でした。
そして、Aチームのまなロミとの姉妹共演。
バタフライでのやり取りの時は特に感じなかったのに、ロミオがチーキャピュに襲われるところを助けて、ロミオの腕を掴んだとこは毎回胸アツでした。
 
Sig.Balthasar役 哲誠さん
てっせーくんも前期に続いてのチーモン。セリフも仕草も流暢にこなせるようになったから、安心して見てられたよね。
4月のカミオクの主演も決まって、そこに向けて進化する道も見えた好演でした。
ただ、前説の悪乗りはほどほどに。会場でリアルお母さまともご挨拶していたので、実はハラハラしていましたー(笑)
 
Sig.Kanack役 五十嵐優美さん
カナックの優美ちゃんも2期連続で、もうチームワーク込みで大安心感でしたね。
バタフライでのおふざけシーンの表情も、激しい殺陣の時の鋭い眼光も見ごたえがありました。
一番「おっ!」って思ったのは、セリフを発しているときの表情。
同じ公演を何度も見ていると、観ている方もセリフ待ちのようになることがあるんだけど、優美ちゃんのテイクでは、セリフ待ちっぽさが無く、いわゆる「普通の会話」に見えてたんだよね。間の取り方とかが絶妙でした。
 
Sig.Shurenga役 大森彩葉さん
彩葉ちゃんは、今回新しいチーキャピュのリーダーのように新しく加わった3人をまとめる役のように感じました。
殺陣もセリフも完璧。
なんていうか、予定調和じゃなくて、プラスアルファの余裕も感じたんだよね。
Bチーム公演でアクシデントで床に落ちていたエナジーキャンディーを殺陣の最中に本当にさりげなく拾って袖にはけたとことか、さっすがぁ~って思いました。
いや、そんなとこ見てたのはきっと僕だけだと思いますが。
 
Sig.ra Janet Capulet役 松山莉奈さん
前期に続いてジャネットを演じたりなちゃん。
可愛らしさは前期を上回り、でもなんだろ。
単に可愛い可愛いだけじゃない、りなちゃんのジャネットの懐の深さというか内面の豊かさの部分がふくよかになった演技だったよね。
もちろん前期も役に向かい合って理解して臨まれていたと思うけど、更にもう一歩も二歩も踏み込んで役の理解度が上がって、ジャネットが身体に沁み込んだうえでの好演だったと思います。結婚式のロミオに約束を求める表情とか、ラストシーンの咆哮とかボロボロ泣いて堪らんかったです。
 
ここから3期連続の皆さん。
Prince Escalus役 中島銀治朗さん
銀ちゃんのエスカラスは鉄板になってきた。
だからこそ、欲しがってしまうのをお許しください。
もう一皮、もう一段上の演技を期待しています。
「偉い人」であること、「実権」を持っている人という点は、風貌やセリフの重厚さから十分醸し出せているのです。
その上でもう一段上の貫録を欲しています。
今のエスカラスは中村獅童タイプ。期待するのは市村正親さんぐらいの貫録を。
 
Sig.Montague役 八幡季正さん
ひでにぃも3期連続のモンタギュー王となり、渋さや威厳がすっかり板についてきたと思います。
初挑戦となった殺陣もいい迫力で、いわば暴力的なキャピュレットとの対比として、しなやかで洗練された剣さばきを観ることが出来ました。
もっとガッツリ強めの剣を交えると、エスカラスが止めに入る深刻さが際立つと思いました。
 
Sig.Benvolio役 金丸優美さん
魂を吸い取られるほど疲弊した第1期。熟成させてパリスと同期二役を演じきった第2期。そして全公演を通じてベンヴォーリオを追求した第3期。卒業発表をして「次は無い」状態にまで追い込んだともいえるけど、失敗するはずがない確固たる自信と、役を担うことから逃げなかった完全形のベンヴォーリオだったと思う。
加えられたセリフの重みも強さも、ベンヴォーリオと金丸優美という女優の生き様を体現しているように思いました。
最後の殺陣のセリフも痺れるけど、マキューシオが逝ったあと、先ず立ち上がってティボルトに向かうところ。あの「キレたら怖いベンヴォーリオ」が見せ場に加わったところも痺れました。
でもやっぱり、「マキューシオと約束したからな」のとこだね。あそこはやっぱり号泣しました。
 
Sig.ra Juliet Capulet役 rihoさん
ロレンス博士から満を持してのヒロイン・ジュリエット役へ。舞踏会でロミオとばったり会って、マスクを外した瞬間のrihoちゃんの一目ぼれの笑顔。
あの笑顔で客席の眼と心ををグッと引き付ける魅力が凄かった。
ジャネットとのじゃれ合い、バルコニーで手すりに身体を隠す姿もキュートで幼さも表しつつ、エンディングに向けて追い詰められていく心模様は、胸をかきむしりたくなるほど辛い気持ちが共感できました。凄かったなぁ。
結婚式で歌ったA.I.も涙腺崩壊スイッチでした。
 
Sig.ra Juliet Capulet役 沙耶さん
今回ジュリエットの衣装は前半と後半の2ポーズだったんだけど、パーティドレスでまなロミと踊ったソシアルダンスは本当に優雅で目が溶けました。
バルコニーでロミオと愛の言葉を交わし合う刹那、後ろから声をかける執事に対して本気でキレるとこも可愛かったよね。(あのまま夫婦になったらロミオ大変だぞって思ったりするぐらい怖かったけど(笑))
結婚式が終わり、スリップドレスになった後半。スラっとしたスタイルの良さ・華奢な雰囲気が、ロミオと徐々に引き離されていく事情に相まって、どんどん弱くなっていくように見えて辛さを助長していました。
おかえりJuliet。総じてプリンセスでしたよ。
 
Sig.Romeo Montague役 芦田雄太さん 
前期に続いて連続のロミオ。
静かで熱い男。普段は恋に飢えながらも優しさが売りの情に厚い男。あちロミの魅力は前期から更に磨かれていたという感じでした。
劇中で「距離感バグってる」とかいじられたりもしてたけど、あっちーにしかできないロミオがしっかり生きていました。
 
Sig.Romeo Montague役 藤田真奈さん
沢山の驚きと納得の両方を植え付けてくれたまなてぃのロミオ。主役のロミオは男性が演じるものという固定概念が無駄に感じられた上質なロミオでした。
女性が男役というだけで「宝塚歌劇団っぽい」というイメージが先行していたかもしれませんが、幕が上がってそこにいたのは、ただただカッコいい男のロミオでした。
実は、ロミオ役が決まってからの川森萌可ちゃんのダンサーの時、ちらちら男っぽい所作が見え隠れしていたところが個人的なゾクゾクポイントだったりしました。
 
いかがでしたでしょうか。
語彙力が一辺倒だったりした部分もありますよね。
大変失礼しました。
それにしてもこのキャスティングの妙は、第三期の魅力でした。
ラベリングするとすれば、「イノベーティブなAチーム」「トラディショナルなBチーム」という感じでしょうか。
どちらのチームも本当に見ごたえがありました。
 
この章の最後に一言だけ。
実は2日目の夜公演だったかな?
劇中のアクシデントで、CHIHIROちゃんのご出演が継続できないという事態が発生しました。
不可抗力の出来事とは言え、動揺が走ってバタバタしてもおかしくないところを、チーキャピュとチーモンを中心とした全員で冷静に補い合って、最大限できることを全うして舞台を成立させたというシーンがありました。
流石劇団MONA!と感じさせる強さ・力を感じた場面でもありました。
CHIHIROちゃんご自身は、実は恥じたり悔いたりしていたかもしれないけど、千穐楽のカーテンコールには気丈に元気な顔を見せてくれて本当に嬉しかったです。
今回の舞台でやり残したものは、是非ポジティブ変換して次の舞台作品にぶつけて欲しいと強く願っています!
 
 
3.脚本・演出・セット
いよいよこのマニアックな章です。(笑)
まずはケバブ大大大先生の脚本から。
ジャネットを産んだ第2期の台本が、既にシェイクスピアもびっくりの秀逸な創作だったのですが、更に磨きをかけて細かいディテールの手直しや表現の積み上げが感じられました。言葉に込められた魂は、キャストの声や表情に色づけられて確かに届いておりました。お見事でした。
個人的見解で更に良くしていただきたいところを3点添えさせていただきたいと思います。
・執事の戦略的な思想やその表現はもっと根深く腹黒いものにしていただいてもいいかも。
・舞踏会のキャピュレットの口上「人間ども!」のところの言い直しや、バルコニーのロミオの「人と人、人とAIか」の部分の言い回しはもっとスマートになるとコミカルさも加わっていいかなと。
・エスカラス大公の口上は、威厳があるばかりにちょっと難しい単語が多くて文語調の口調が初見のお客様には腹落ちしずらいように感じました。
「嘆願も弁明も聞く耳は持たぬ!涙や祈りも罪を贖うことはできない!したがって何も言うな!」のところ、
「願い出も言い訳も一切受け付けるつもりはない!泣こうが祈ろうが犯した罪が消え去るはずはなかろう!したがって何を訴えることも許さん!」といった感じでしょうか。
 
次に照明の和泉さん、音響の有元さん・松井さんのお仕事。
ココが凄かった!とか、逆にココをもうちょっと。。。と言えないくらい、全公演全ての舞台の全てのシーンで、照明と音楽・効果音がその舞台の空気に溶け込んでいました。もうそこにそういう光や音があるのが当たり前というように。
そこにフォーカスが当てられないほどの完璧なお仕事だったんだと、振り返るたびに驚嘆を隠せない仕事っぷりでした。いやー、お見事です。
 
殺陣のPiretes Project Stunt Teamの皆さん。

https://twitter.com/PiratesStunt?s=20

ずぶの素人が感想をお伝えするのも恐縮なのですが、3期連続のサポートでどんどん肉付けされるスタント・アクションコーディネートの部分が、本当に凄い。感嘆しかありません。

期ごとに新しい技が増えてる点に関する驚きはもちろん、特に斬られ・殴られ・蹴られの受け身のクオリティの向上が半端ない。
前述の音響・効果音との相乗効果もあって、本当に観ている側が痛みを感じる「究極の4D」体験をさせていただきました。
次はワイヤーですかね。そろそろAIのティボルトあたりは空を飛べても不思議じゃないです。
ワイヤーじゃなくてもパルクール並みに颯爽とバルコニーから飛び降りたり、勢いよく壁をよじ登るとか、もっと彼ら・彼女らに新しい刺激を与えて欲しいと思いました。
 
舞台セットはENDO工房さん。

https://twitter.com/hacouma0914?s=20

第1期のときからその世界観を観客に植え付ける点で定評があるENDOさんのセットですが、今回初の平面舞台での公演となって、第2期のセットをグレードアップさせたものをご準備いただきました。

セットに付けられた照明の形状や、歴史を感じさせるウェザリング技法も本当に見事なんですよね。マテリアルの表情を魅せる部分が本当に凄いなーって思ってます。

次の東京公演に向けたさらなるバージョンアップもあるのかしら?特殊な光を当てると文字が浮き上がる塗料とか使って、紋章が浮かび上がるとか、勝手に期待がどんどん膨らみます。
実は作品展にお邪魔した時にご挨拶もさせていただいたのですが、本当にまだお若くて驚きました。
大ファンですので、今後の作品にも期待しています。
 
剣などの小道具を担当されたMARUさん、衣装・アクセサリーをコーディネートされたスタイリストのKAHOさん、KAEさん、MAIさん。
何度も書いてますが、MONAロミジュリの世界観に欠かせないエレメント(要素)ですよね。
目立ったのはティボルトの剣のバカでかさ!一気に恐怖心が何倍増にも膨らみました。
衣装・アクセサリーでいうと、そのティボルトのフードだったり、怜華夫人のボディコンシャスなドレス、沙耶エットの豪華なアクセサリーなどなど、、挙げればきりがないその見事な装飾は、それぞれのキャラクターをしっかり際立てていました。ほんと凄かった。
 
 
4.東京公演に向けて
冒頭でお話しした通り、3期のロミジュリは、ある意味MONAロミジュリの完成形だと思いました。
そして、その3期のロミジュリのカーテンコールで、5月の東京公演の情報が公開されました。
この東京公演は3期をグレードアップさせた4期ではなく、2期のキャスティングをベースに考えられたものとのこと。
先日全てのキャストの発表もあったのですが、感覚的には「2期をベースに、3期のストロングポイントを融合したVer2.5期」という感じでしょうか。
例えば、ご卒業が決まった金丸優美さんがこれまで演じてきたベンヴォーリオ役を、優木風見さんが引き継いだこと。そして、3期で見事なマキューシオを創りあげた新見鈴菜さん、はまり役となった執事を好演した江口史恭さんが、この東京公演でもマキューシオと執事にそれぞれ抜擢されたこと。
そして、ティボルトを初のMONAモデル以外の外部の役者・和田雄太郎さんが演じるということ。

https://twitter.com/yutaro_0627?s=20

 

本当に期待しかありません。

全公演観たいところですが、多分大阪から行けても日帰りでどこか1公演だけになってしまいそうなので、なんとか厳選して1公演じっくりと楽しませていただきたいと思います。

 

 

いかがでしたでしょうか。

冗長的で乱文になってしまいました。(いつものことですが)

 

最後に、ここには書ききれなかったのですが。

素敵な会場を提供していただいたABCホールのご関係者の皆さん、そしていつも全くストレスなくアテンドしていただいているMONAスタッフの皆さん・関係者のみなさんに最大限の謝意をお伝えします。

現地でお会いできた数多くのファンの皆さんもありがとうございました。

公演中はもちろん、公演の前から公演の後の余韻まで、本当に幸せなMONAロミジュリでした。

 

ありがとうございました♪
 
おしまい♡