イッカピ戯画
月の、過去未来成分を骨密度的に積分した鉄製の街は、人の身体が砂礫化する直前だけ再構築される。
つづく
アーメリング歌唱ネグリ指揮によるヴィヴァルディのモテット2曲。
ペライアによるバッハ、フランス組曲第5番。
エドナ シュテルン独奏ヴァン ビーク指揮によるモーツァルト、第14番変ホ長調。
シュレーダーとインマゼールによるベートーヴェン、第7番ハ短調。知る限り最高の全集と思う。
クレンペラー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団録音集成箱より1955年のベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調。
アマデウス四重奏団のDG録音集成箱より1951年のシューベルト第12番ハ短調断章。
マルコヴィナによるメンデルスゾーン、1827年頃の小品5曲。
アッカルド弾き振りによるパガニーニ、第4番ニ短調。
ペーター ゼルキンによる1979年のショパン、子守唄、舟唄、最後のマズルカなど。
クレー指揮デュッセルドルフ管弦楽団他によるシューマンのレクイエム2曲。
エドウィン フィッシャーによるブラームス、中後期の小品4曲。
シモーヌ ヴェイユ没後80年。
「わたしの不完全性が残らずすべて、人間の思考のまなざしが捉えうるかぎりにせよ、わたしの眼にあらわにされることを、わたしはせつに懇願する。この不完全性を克服するためではなく、たとえ克服されえぬものであっても、わたし自身を真理のなかにとどまらせるだけのために。」
傲慢は虚無化するから、むしろ不完全性な自己を知り、自己を無化したい、苦しみや違和感にこそ身を置き続けたいというヴェイユ。
これが真理だといえるような、目的としての真理ではなく、生き方としての「真理」。ヴェイユの言葉の端々に、そういう真理へのあくなき、切実な殉教者的肉薄を感じる。