自分の不完全性という克服不可能性を見つめ、それでも越えようとし続けること。など。 | 奏鳴する向こうに。

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18の頃から集めたクラシックのCDを、それに合わせた絵や本とともに聴いていく、記録。と、イッカピ絵本。

イッカピ戯画

月の、過去未来成分を骨密度的に積分した鉄製の街は、人の身体が砂礫化する直前だけ再構築される。
つづく


アーメリング歌唱ネグリ指揮によるヴィヴァルディのモテット2曲。


ペライアによるバッハ、フランス組曲第5番。



エドナ シュテルン独奏ヴァン ビーク指揮によるモーツァルト、第14番変ホ長調。


シュレーダーとインマゼールによるベートーヴェン、第7番ハ短調。知る限り最高の全集と思う。



クレンペラー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団録音集成箱より1955年のベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調。


アマデウス四重奏団のDG録音集成箱より1951年のシューベルト第12番ハ短調断章。



マルコヴィナによるメンデルスゾーン、1827年頃の小品5曲。



アッカルド弾き振りによるパガニーニ、第4番ニ短調。



ペーター ゼルキンによる1979年のショパン、子守唄、舟唄、最後のマズルカなど。



クレー指揮デュッセルドルフ管弦楽団他によるシューマンのレクイエム2曲。



エドウィン フィッシャーによるブラームス、中後期の小品4曲。



シモーヌ ヴェイユ没後80年。

「わたしの不完全性が残らずすべて、人間の思考のまなざしが捉えうるかぎりにせよ、わたしの眼にあらわにされることを、わたしはせつに懇願する。この不完全性を克服するためではなく、たとえ克服されえぬものであっても、わたし自身を真理のなかにとどまらせるだけのために。」

傲慢は虚無化するから、むしろ不完全性な自己を知り、自己を無化したい、苦しみや違和感にこそ身を置き続けたいというヴェイユ。

これが真理だといえるような、目的としての真理ではなく、生き方としての「真理」。ヴェイユの言葉の端々に、そういう真理へのあくなき、切実な殉教者的肉薄を感じる。