三体(ドラマ) | 現在と未来の狭間

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文芸と自転車、それに映画や家族のこと、ときどき人工透析のことを書きます。

普段中国ドラマは時代劇しか見ないのだが、中国で大ヒットしたSF小説が原作ということで見てみた。


物語は北京オリンピックを直前に控えた中国。地球は得体のしれない存在からある種の攻撃を受けていた。それに対抗する作戦センターと呼ばれる世界的な組織も結成され防衛準備を始めていたが、何一つ攻撃を防ぐことはできずにいた。その攻撃とは。

世界中の名だたる科学者が次々と謎の自殺をとげていた。物理学者のヤンドンは粒子実験を行った後、ある種の超常現象に遭遇し「物理は存在しなかった」という謎の言葉を残し自殺。その他各国の科学者も同様な言葉を残し次々と自殺していた。調査の結果、自殺した科学者は皆「科学境界(フロンティア)」という組織と接触していたことがわかる。

ヤンドンを知っていた応用物理学者のワン・ミャオは彼女の自殺にショックを受ける。その後ワン・ミャオも科学境界と接触。そして超常現象に出くわす。

最初は彼が撮影した写真に数字の羅列が表示されるようになる。写した写真全てに数字が表示されているのだが、それを並びなおしてみると何かのカウントダウンであることに気が付く。印字のミスでもなくカメラの故障でもない。明らかに得体のしれない力でその数字は写しだされているのだ。次第にワン・ミャオの目の前にカウントダウンが見え始め、自分の物理学知識を疑うノイローゼ状態になっていくのだが、屈強な警察官シー・チアンが手を差し伸べ苦痛から脱していく。

科学者は皆、自分の知る科学や物理学の限界のようなものに気づかされてしまうのね。ある種の超常現象に。それは自分たちが行う実験に矛盾するとか。あるいは人類の叡智の届かないレベルの大きなスケール感での攻撃とか。この攻撃をしてくる存在はなんなのか全く分からない。その”狙撃手”とも言われる存在の正体を調べるために、ワン・ミャオとシー・チアンは科学境界に接触を始める。

主演の二人はどちらも時代劇出演の経験者で、ワン・ミャオ役のチャン・ルーイーは「始皇帝天下統一」で始皇帝の役をやっている。

もう一人のガサツで野生みのある警官シー・チアン役の人、この人どこかでみたことがあるし、なんか特徴のある喋り方はどこかで聞いているなと思ったら「三国志司馬懿 軍師連盟」で曹操の役をやっていたユー・ホーウェイだった。あの三国志世界最大のパワハラ上司じゃない。私からみると曹操がしゃべっているようにしか見えん!

見ようによっては、始皇帝と曹操が現代に転生し謎の存在からの挑戦に挑むみたいな見方ができそう。

みていてすごいなと思ったのは作中、文化大革命時代の社会主義思想バリバリの回想シーンが延々と出てくる。この部分は良くもまあ当局が映像化を許したなと思う。

実は文革時に中国は東北部のとある山頂にレーダー構造物を築き、謎の実験を繰り返していて、実験のために鳥が大量に死んだり、雲一つ無いのに雷が轟いたり、空間に歪みができるなど超常現象が起きていた。この実験は、大規模な電磁波の照射実験で、敵国の人工衛星、偵察衛星を撃破することが目的と言われるのだが、実は本当の目的があって…。このエピソードが本筋とどう絡んでくるのかも見どころ。

次々と新しい事実が見つかり、謎が謎を呼ぶ、中国版Xファイルとも言えそう。

配信はU-NEXTのほかHulu、FOD、J:COMオンデマンドなど。

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