優先席はゆずれよ | 現在と未来の狭間

現在と未来の狭間

文芸と自転車、それに映画や家族のこと、ときどき人工透析のことを書きます。

今朝の地震の影響で、ちょっと嫌な予感がしていた。乗った朝の電車はいつもならそれほど混まないのに、速度制限から電車が遅れいつもよりもずっと混んでいた。

6時20分ごろの電車はいつもなら座って行けるのだが、乗った途端に失望が訪れる。

優先席にずらりボンクラどもが座り並んでいやがる。一目見て体の悪そうな者はいないと分かる。目の前の若い男は、尻の位置を椅子の前の方にずらし、体を崩すようにして座っていた。見た感じだらしがないし、長く伸びてきた膝頭は私の膝に当たって邪魔である。

隣の髭ずらの男は一見、目が開いていないように見えたのだが、よく見ると目が開いていて一瞬だが確かに私のビジネスリュックに付いているヘルプマークを見て、そのあとすぐに目を閉じた。すかさずダルマのように固まる。

あっ!こんにゃろ! 今ヤバいとか思ったよな!

目を前に向けると若い男の膝はまだ前に伸びている。一瞬、この男の膝の上に、重い重い私のビジネスリュックをドスンと乗っけてやろうかと頭を横切った。

まあ、やらなかったが、品川に着くまで3回くらい同じことを考えた。

こういう攻防戦が時々ある。まったく嫌な気分である。

で、この話は、帰りの電車へと続く。

帰りは日本橋から乗車してすぐに座ることができた。夕方6時前なので帰宅ラッシュに会いそうに思うのだが、不思議とこの電車、帰りはあまり混むことがない。品川で急に人が増えるが、日本橋から品川まではわりとがら空きだったりする。

帰りの電車ではほとんど本を読んでいることが多いのだが、今日は品川を過ぎたあたりでkindolの電源を落としリュックの中にしまった。

そしてふと斜め前を見るとカバンに赤いヘルプマークがぶら下がっていた。うら若き女性が目を閉じたまま立っていた。

しまったと思いながらも反射的に声をかけた。前の男が間違って座ることがないよう、自分の体で席をガードするよう立ち上がり、どうぞと手招きする。自分のリュックに付いているヘルプマークは見えないよう向きを変えて席を譲った。

ちょっと気持ちがすっきりしたが、モヤっとしないこともない。

実は前にもこういうことがあった。その時は席を譲ってもらったのだが、いやいや、あなたもヘルプマークもっているじゃありませんか? …もしかして左手にはシャントが。あ、同じ透析患者ですか、という会話があった。

どう思う? ヘルプマーク持っている人間がヘルプマーク持っている人に席を譲るってえのは?

イヤ、ホント、声を大にして言いたい。

体が丈夫なら優先席には座るな。座るのならば席は譲れ。ヘルプマーク持参者同士で気を遣わすなよ、と。

にほんブログ村 病気ブログ 人工透析へ
にほんブログ村