どうもセリフを聞いていると英語ではなく、欧州の言葉をつかっている。
「これは米国で作られた西部劇ではなくイタリアあたりが作成したマカロニ・ウェスタンというやつだ」と私。
「なんでマカロニなのかしら? スパゲティ・ウェスタンじゃだめなの?」とかみさんが食いついてくれた。
私も詳しいことを知っていたわけでもないが、どういうわけか欧州では60年代から70年の頭くらいまで西部劇がブームになっていた。舞台はアメリカのはずなのに、何故か欧州人が西部劇が好きというのは、ちょっとした謎である。
グーグルで検索してみると西部劇の本拠地アメリカではイタリア製の西部劇をスパゲッティ・ウェスタン(!)と呼んでいたのだが、日本の淀川長治先生が「スパゲティでは細長くて弱々しい感じがするからマカロニ・ウェスタンと呼ぼう」と、日本発祥ということだった。
アメリカ製の西部劇では主人公は保安官だったり騎兵隊だったりして正義の味方、敵が極悪集団みたいに善悪がはっきりしているのに対し、欧州製(イタリアのほかドイツ、フランスなども製作している)のマカロニ・ウェスタンは主人公が暴力的で孤立したアウトローだったりする。どちらかといえばハッピーエンドの約束されたアメリカ映画に対し欧州側は重苦しいテーマを扱っていたりする。
私自身はとりわけ西部劇が好きだったわけではないが、子供の頃はよく夜の映画番組で西部劇を取り上げていた時代なので見ることは見ていた。特に印象に残っているわけではないが、西部劇はアメリカ版の時代劇なのだとおもっていた。ようは刀でチャンバラをする代わりに、銃で決闘をしているくらいに思っていたので、どちらも面白がって見ていたのだが特に印象に残っている作品はない。
しかし、何故アメリカを舞台にした西部劇が、とりわけ欧州でマカロニ・ウェスタンが誕生するくらいブームになっていたのか? もともと西部劇は欧州で流行した冒険小説だったというウィキの記事を発見する。なるほど。開拓の土地アメリカを舞台にした冒険小説が欧州では好まれて読まれていたということか。それにしては、そうした西部劇小説みたいなジャンルは現代に残されていない。
冒険は未開の土地を舞台にするということか。未開と言えばアフリカのジャングルを舞台にしたターザンなんかがある。アメリカの西部→密林のジャングル→地下世界→月→宇宙と冒険の世界は移り変わっていき、いつしか西部劇は忘れ去られてしまったのか。
今、BSでちょくちょく西部劇を取り上げるのは、BSを見る年齢層に合わせてということか。するてえと私の世代が高齢者になると70年代、80年代にやっていたアニメ映画などが毎週放送されるってえ時が来るのかもしれん。
今週は『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』か。とか来週は『地球へ…』だな、とか、おっ、珍しいバルディオスがテレビで流れるのは何十年ぶりだ?なんてことを言っているのかもしれない。

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