こんにちは、野呂田です！
昨日の続き。
胃痛の度合いが増し悶絶している妻に、
お腹を空かして泣きわめく子供。
病院からは処置のしようがないと言われ、
粉ミルクも切らしてしまった。
絶体絶命。
気づけば時刻は深夜3時を超えていた。
苦しむ妻の介抱をしながら、
泣きわめく赤子をあやす。
頼みの綱は近所に住む友人、
いとうまさやだ。
胃痛が始まった辺りからその旨を
LINEにて伝えていたのだが、
どうにもできない状況となり、
この時間に再び連絡をすると、
奇跡的に3時台でも返信が来たのだ。
史上最高にてんやわんやだと伝えると、
まずは近くのコンビニに粉ミルクがあるかを
片っ端から電話で聞いてくれた。
そして、コンビニに
粉ミルクが扱われていないことがわかると、
うちまで車で来てくれて、
赤ちゃんを預かりに来てくれたのだ。
「李咲ちゃんに専念しな」
男前すぎる。
そしてなんと、4時前にもかかわらず、
奥さまを起こして母乳をあげると言うのだ。
生後1週間のうちの息子、
早くも乳母(うば)デビューが決まった。
そして李咲さん。
病院からは様子を見ての一点張りだったが、
状態は悪化の一途を辿っていた。
痛み始めて、もうかれこれ8時間が経過している。
さぞかしツラいだろう。
病院からの帰宅から、
明らかに苦悶の表情が増し、
話すこともままならなくなってきた。
そして、ついには震え始め、
顔は青ざめ、意識が遠のいてきたのだ。
もう様子を見てる状況ではない。
僕は救急車を呼んだ。
僕が一番落ち着かなければならない。
僕が精神的支柱にならねばならない。
しかし、状況はそうさせてはくれない。
カバンに入れたはずの
李咲の保険証が見当たらない。
僕の貴重品類を入れたポーチも見当たらない。
僕の方がむしろ落ち着きがない。
家中を探し回る。
救急車がもうすぐ来るというのに、
おれは一体何をやってるんだ。
「あれー、どこだよー！」
「なんでないんだよー！」
など、独り言を言いながら探し回り、
結局、保険証は思ってたのと違うカバンに、
ポーチは寝室の端に投げ捨ててあった。
そうこうしているうちに救急車が到着。
再び病院へ。
先生から、
「同じ検査をしても仕方ないので、
もう少し精密なもので検査をしてみましょう」
と言われ、ここにサインしてくれと、
同意書みたいなものを渡される。
これは何だと尋ねると、
1万人に1人くらいの確率で、
ショックにより死亡する可能性があるから、
それでも同意しますという書類だった。
おいおい、マジかよ。
こんなん怖すぎるだろ、
どうするんだよ1万人に1人がここできたらよ。
僕は必死に確認する。
「先週出産したばかりで、
体がすごく弱ってる状態なんですけど、
本当に大丈夫ですか？」
と。
アレルギーの類の問題なので、
体調などは関係ありませんと言われ、
えいやとサインをする。
李咲は痛みに耐え切れず、痛い痛いと叫び続ける。
僕はどうすることもできない
自分の無力さに打ちひしがれる。
あとはもう病院さんに頼るしか道はないのだ。
検査の結果、先程では見えなかった、
腸閉塞の疑いが浮上した。
急遽、担当が内科から外科に変わる。
「野呂田さん、お話いいですか？」
外科に別室に呼び出される。
おいおい何だよこのドラマみたいなシチュエーション。
「命は大丈夫なんでしょうか！？」
入室前に思わずこの言葉が飛び出した。
命には問題ないと言われ、
その後2パターンの腸閉塞の可能性と、
それぞれの詳細な病状を伝えられる。
1パターン目であれば、
痛み止めと点滴、絶飲食で経過を見て、
それでもダメなら手術。
2パターン目であれば、即手術。
おそらく1パターン目だが、
そのわりには尋常ではない痛がりようなので、
2パターン目の可能性も消さずに、
慎重に経過を見ていくとのことだった。
いずれにせよ、すぐに入院だ。
ふと時計を見ると朝の7時を回っていた。
そして、ここから
入院の準備などをしていくのだが、
その一連の出来事の中から、
なぜこのタイミングで、
このような出来事が僕ら夫婦に訪れたのか、
そのメッセージがおぼろげながら見えてきた。
その大切な気づきについて、次は書いていこうと思う。
続く。
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